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独断で選ぶ、筆者好みのハイエンドスピーカー(ゴン川野)

ASCII.jp / 2024年8月7日 13時0分

 2024東京インターナショナルオーディオショウでは海外ブランドが多いためか、例年ハイエンド製品が目立ちがちだ。今回は遂に1億円超えのまさに夢のまた夢のスピーカーが持ち込まれ鳴らされた。それもいいのだが、アンダー1000万円の気になるスピーカーを(新製品にとらわれず)筆者の好みで紹介していきたい。

デンマーク発、2つの新ブランドスピーカー

 PEAKはデンマークのスピーカーブランドで、DYNAUDIOの創業者、エーレン・ホルツ氏が開発責任者に名を連ねるハイエンドスピーカー専門メーカーである。伝統的な家具職人の技術を使ったエンクロージャーに先進技術を使い設計されたユニットを搭載する。

 これに対して、AUDIOVECTORはデンマークで最も長い歴史を持つスピーカーブランド。自社でユニット開発をおこなっている。音響特性だけでなく音楽性にもこだわり、木工技術を駆使したエンクロージャーを作っている。

PEAKとAUDIOVECTORはPROSTOが日本代理店となる
PEAK Sonoraは2Wayトールボーイ型で重さは68kgもあり、ネットワークは不要な振動を避けるため独立した密閉式のチャンバーに収納。エンクロージャーは3層構造で、フロントバッフルはレザーが貼られ、組み立てはワークショップ内の職人の手によっておこなわれるという。予価50万円(ペア)
底面にはパッシブラジエータが取り付けられており、パワフルで量感ある低音を聞かせてくれた
AUDIO VECTOR  QR 1SEは同社の製品の中ではコンパクトな入門モデルで2Wayバスレフ型、ツイーターはリボン型の進化系にあたるハイルドライバーを採用。ツイーターは航空機グレードのアルミ合金を使い、フロントに貼られたローズゴールドのメッシュは高域を分散させるフィルターの役目を果たしている。ウーハーにはアルミニウム/ダイヤモンド・ドライブユニットを搭載。柔らかな高域が印象的だった。予価33万円(ペア)

エストニア共和国発の曲線美、estelon

 estelonは最高のスピーカーを生み出すために2010年に作られたハイエンドオーディオメーカーで、全ての製品はエンジニアのアフルレッド・ワシルコフ氏によって試聴がおこなわれ承認された製品のみが出荷されるという。不要な振動を排除するためエンクロージャーは平行面を持たない曲線的なデザインで、鉱石とポリマーを組み合わせた複合素材が使われる。また底面にウーハーを取り付けた密閉式を採用することで低域のレスポンスと空間の再現性を向上させている。価格286万円(ペア)。

estelon AURAは3Way4スピーカーの密閉型トールボーイで、高さは約1.3mになる。ミッドレンジはツイーターを挟む形のバーチカルツインでウーハーと独立したチャンバーに分かれている。ウーハーのクロスオーバーは85Hzと低く、底部にあるウーハーが床面と音響的に結合することで方向性がなく豊かな量感の低音を再生している
esrelonのスピーカーは全てがトールボーイ型の密閉式で曲線的なデザインが採用されている

スイスの精密機器、PIEGA

 PIEGAのスピーカーは時間軸の正確さに重きを置いて、ツイーターとミッドレンジにリボン式を使った同軸ドライバーを採用している。外側が中域、中心部が高域を再生する。厚さわずか0.02mmのアルミ振動板が色付けのない音をハイスピードで再生する。エンクロージャーは、3トンのアルミニウムの塊をプレス機械によって押し出し成型している。ハイエンドモデルのウーハーはアルミニウムの振動版にセラミックコーティングを施し、リボン式同軸ドライバーとのマッチングを図っている。トールボーイ型では同軸ドライバーを縦に並べてラインソースとすることで、より立体的な音場を再現する。

PIEGAは小型2Wayから大型トールボーイまで幅広く製品展開している
PIEGA Master Line Source 3は4個の同軸ドライバーを縦に並べたラインソースのダイポール型で後方からも音が出るシステム。高さ165cm、価格825万円(ペア)
同軸ドライバーの背面には後方から音を拡散させる音響レンズが設置され、背面に音を広げると同時にセッティングの自由度を上げている

英国発の新進気鋭ブランド、NODEとCORD

 ユニークなデザインと独特の音で世界的に有名なのが英国ケント州にあるChord Electronicsである。ロバート・ワッツ氏の独自アルゴリズムをFPGAに書き込んだDAC、DAVEはFPGAとディスクリートDACの組み合わせで時間軸の厳密性にこだわった音を追求している。

 NODEは2018年にケンブリッジに誕生したばかりのブランドである。3年間の研究開発の結果、生まれたのが3Dプリンティングによって作られたスピーカーHYLIXAなのだ。卵の殻のような形状で継ぎ目のないステルス・キャビネットは音の放射を阻害しない形になっている。また、その内部は巻き貝の殻のように螺旋形のポートがありサイズを超える低音が再生できるという。3Way3スピーカーのフロアスタンディング型でスパイク付きのスタンドと一体化している。価格704万円(ペア)

HYLIXAをCORDのシステムで駆動する。レトロフューチャー的なデザインだが、音は空間表現に優れた最先端のものだった
一番高い所にあるのがCORD DAVEで別売のスタンドに鎮座している

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