低発熱かつ省電力なRyzen 7 9700X搭載ゲーミングPCが登場、静音空冷クーラーで運用
ASCII.jp / 2024年8月25日 10時0分
サイコムの「G-Master Spear X670A」は、ハイエンドの空冷ゲーミングPCだ。冷却性能が高いNoctua製の空冷CPUクーラー「NH-U12S redux」と、通気性をとことん追い求めたCooler Master製のタワー型PCケース「MasterBox CM694」を採用している。
そんなG-Master Spear X670Aが、先日発売したばかりのAMDの最新CPU「Ryzen 9000シリーズ」に早くも対応した。同CPUは最新のZen 5アーキテクチャーで、シングルスレッド性能、電力効率、メモリークロックなど、多くの部分が前世代のRyzen 7000シリーズから向上している。
ゆえに、従来のRyzenよりも低い動作クロック&電力で、同じ性能を達成できるという。必然、発熱も少なくなるため、小型PCケースや静音CPUクーラーとの相性が良くなっている。
実際、「Ryzen 7 7700X」と「Ryzen 7 9700X」の仕様を見比べてみると、Ryzen 7 7700Xでは105WだったTDPが、Ryzen 7 9700Xでは65Wに激減。4.5GHzだったベースクロックは、3.8GHzにまで下がっている。
性能についての話は、加藤勝明氏のレビュー記事に詳しく載っているので、気になる人はチェックしてみてほしい。結果だけを雑にまとめると、性能は5~10%ほど上がっているにもかかわらず、高負荷時の消費電力は20~30%ほど減っていた。
もちろん、従来通りのTDPやベースクロックを維持すれば、性能をさらに引き上げられたことだろう。しかし、最大性能がいくら高くなっても、巨大なラジエーターの水冷クーラーが必要となれば、そのぶんPC全体の予算も高くなってしまう。
つまり、Ryzen 9000シリーズの最大の魅力は、最適な電力効率を突き詰め、扱いやすいCPUという点だと言える。今回はそんなRyzen 9000シリーズの中でも、TDP 65WのRyzen 7 9700Xを搭載する実機をお借りしたので、チェックしていこう。
サイドフローの静音CPUクーラーを標準搭載
G-Master Spear X670Aの内部はすっきりしており、目立つものと言えばCPUクーラーとビデオカードくらい。ケーブルは裏配線が徹底され、必要最小限のものしか見えないようになっている。
CPUクーラーはNoctua製の「NH-U12S redux」を標準で採用。Ryzen 7 9700Xならより小型で廉価なCPUクーラーでもこと足りそうだが、静音性と安定動作を考慮しているのだろう。
このCPUクーラーは、薄いフィンを多層に重ねたヒートシンクを備え、4本のヒートパイプで移動した熱を強力に奪う構造だ。ファンはサイドフローで、熱風はほぼ直線上にある背面のPCケースファンに送られる、というレイアウトがいい。
ビデオカードは高性能なものほど大きく、重たくなりがちだ。試用機の構成では、アッパーミドルクラスのGeForce RTX 4070 SUPERを搭載したManli製「M-NRTX4070S/6RFHPPP-M2592」を搭載。3スロット占有に近く、かなり厚みがある。
このビデオカードを支えるのが、アーム機構を採用したスタビライザーだ。ビデオカードの端を挟むようにして支えてくれるもので、これによりPCI Express×16スロットの重量負荷を軽減している。
ミドルタワーPCケースということもあり、ストレージ用のベイを多数用意。具体的には、5インチベイ×2、3.5インチベイ×6、2.5インチベイ×2だ。最近では5インチベイを搭載しないものも多いほか、3.5インチベイも取り払ってしまっているものもあるだけに、これだけベイがあるモデルは珍しい。
ちなみに、3.5インチベイの手前には吸気用のPCケースファンを装備。HDDを増設してもきっちり冷やせる構造だ。HDDは高温環境で使用すると寿命が短くなる可能性があるのでありがたい。
G-Master Spear X670Aのケーブルレイアウトは整然としているので、自力でストレージを増設したくなった時でもラクに作業できる。標準構成では1TB SSDなので、ゲームをもっとインストールしたい人やプレイ動画をたくさん保存したい人は、あらかじめBTOで追加しておこう。
メンテナンスしやすくインターフェースも充実
性能だけではなく、使いやすさもPC選びの大事なポイント。例えば、掃除のしやすさ。吸気口にたまったホコリはPCケース内の温度を上げてしまう。前面なら掃除機で吸ったり、固く絞ったふきんなどで軽くふけばいいが、問題は底面だ。重たいPCを持ち上げなければならず、結構大変な作業となる。
その点、G-Master Spear X670AのPCケースは底面にフィルターを装備。本体を持ち上げることなく、うしろ側に引っ張ると簡単に取り外せる。あとは掃除機で吸い込んでやればOKだ。
利便性という意味では、インターフェースも大きな要素だろう。タワー型PCはリアインターフェースが充実しているのは当たり前だが、それでも採用するマザーボードによって大きく変わる。
G-Master Spear X670Aの標準構成マザーボードは、ASRockの「X670E Steel Legend」。特にUSBポートが充実しており、リア側だけでもUSB Type-Aは11基(USB 3.2 Gen 2が1基、USB 3.2 Gen 1が6基、USB 2.0が4基)。USB Type-C(USB 3.2 Gen 2×2)も搭載する。
また、有線LANは1GbEと2.5GbEを各1ポート。アナログ音声入出力のほか、S/PDIF光出力まで装備する。さらに、Wi-Fi 6E対応の無線LAN/Bluetooth 5.2もサポート。
デスクトップPCにWi-Fiは不要という人もいるが、無線LANルーターと違う部屋にPCを設置する場合、LANケーブルが敷設しづらいことも多い。こういった時でもWi-Fiが使えれば、簡単にインターネットに接続できる。
フロントインターフェースはUSB Type-Aが2基(USB 3.0)、USB Type-C(USB 3.1 Gen 2)、ヘッドセット端子を装備。最近ではUSB Type-Cを使う周辺機器が多くなってきているだけに、フロント側にもある点はうれしい。
最新CPUの実力を余すことなく引き出せる構成
ほか、PCIe 4.0×4対応の高速SSDとしてCrucialの「T500」(1TBモデル)、DDR5-5600対応の高速メモリー(32GB)を標準装備するなど、最新CPUの実力に見合ったPCパーツを採用している。G-Master Spear X670Aは空冷ゲーミングPCとして、手堅い構成に仕上がっている。
しかも、現在サイコムは送料無料(実質2920円引き)、CrucialのT500(1TB/2TBモデル)が5000円引き、G-Masterシリーズの1万円引きというサマーキャンペーン(2024年9月9日まで)を実施中だ。標準構成なら29万440円、本稿の試用機構成なら34万8390円とそれぞれ1万7920円引きになる。
もし、Ryzen 9000シリーズが気になっている人なら、ぜひ本機をチェックし、平時よりも安く買えるこの機会を見逃さずに検討してほしい。なお、次回はベンチマークを通して、その性能を紹介する。
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