サムスンの指輪型デバイス「Galaxy Ring」を使って変わった健康への意識
ASCII.jp / 2024年8月31日 12時0分
サムスン電子の新しいウェアラブルデバイス「Galaxy Ring」が海外で発売になった。指輪の形状をしたスマートリングと呼ばれる製品だ。どのような機能があるのか、実際に購入して使ったので、使用感をレポートする。
3色9サイズ用意されたGalaxy Ring
Galaxy Ringは指輪サイズの本体に、バッテリーと生体センサーやモーションセンサーを内蔵した製品だ。本体のサイズは幅が7mm、厚みは1mm前後。指の太さに合わせ、9種類のサイズが販売されている。なお、指のサイズは指輪の5号から13号までとなる。本体の重量はサイズによって異なり、2.3~3.0gが用意される。
Galaxy Ringは人差し指、または中指に装着することが推奨されている。リングの内側にはセンサーが見える。センサーはリングの内側で、わずかに出っ張っているが、指に装着してその出っ張り部分の当たりを感じることはない。
センサーが出っ張っていることで心拍数など生体データをより正確に計測できるわけだ。センサーはむき出しに見えるが表面は透明な樹脂素材でしっかりカバーされている。
Galaxy Ringの断面形状を見ると、わずかに中央側がくぼんだ形状となっている。そのためGalaxy Ringをはめながら、ほかの指で触れても指先が強く当たるような感じはない。センサーの裏側には筋状の出っ張りがあるが、この部分を指先の下側に向けてGalaxy Ringを装着する。
内側のセンサーは指先から取り外したときに数秒点滅する。緑色はバッテリー残量が15%以上、赤になるとそれ以下だ。Galaxy Ringのバッテリー残量は充電台とアプリケーション、それぞれからも簡単に確認できる。
Galaxy Ringを買う前に指先のサイズを測定するためのサイズキットも別売されている(販売国による)。Galaxy Ringと同サイズのダミーのプラスチック製リングのセットで、5号から13号が揃えられている。Galaxy Ringは一般的な指輪と同サイズだが、幅がやや広いため、実際に装着して自分にフィットするサイズを計測できることができるのだ。
Galaxy RingはIP68の防水防塵に対応している。プールや海水の海の遊泳など、水深の浅いところでの利用は問題ないが、ダイビングなど水圧が高くなるアクティビティーには適していない。
本体のバッテリー容量はサイズによって異なり、5号から7号サイズは17mAh、8号から11号は18.5mAhでそれぞれ最大6日間使用可能。12号と13号は22.5mAhであり最大7日間利用できる。
バッテリー残量もわかる充電台が便利
Galaxy Ringに付属する充電台は透明な立方型のもので、ファッションアイテムとして使うことも意識した美しいデザインだ。透明なので本体上部から見るとGalaxy Ringが入っているかどうかもわかる。本体を開くとGalaxy Ringがしっかりと固定・収納されていることがわかる。
このため充電台はGalaxy Ringの各サイズごとに専用品となっている。つまりサイズ違いのGalaxy Ringを、別のサイズの充電台で充電することはできない。旅先などで万が一充電台を忘れていた時、ほかのユーザーの充電台を借りるにしても、同じサイズのGalaxy Ringを持っている人を探す必要があるわけだ。
充電台にも361mAhのバッテリーが内蔵されており、充電台にGalaxy Ringを乗せるだけで充電できる。Galaxy Ringの充電時間はカタログ値では80分とのこと。充電台の内蔵バッテリーの充電は背面側のUSB Type-C端子または底面のワイヤレス充電から行なう。
Galaxy Ringをセットした状態で充電台のフタを開けると、リングの周囲をLEDライトが一周して点灯してから常時点灯表示となる。この常時点灯されている部分がGalaxy Ringのバッテリー残量だ。満充電であればLEDライトは全周点灯となる。写真は40%程度充電されている状態。
Galaxy Ringを外した状態で充電台のフタを開ければ、充電台のバッテリーの残量がわかる。このあたりはなかなかうまく作られていると感じるところだ。
Galaxy HealthとGalaxy Wearableで 運動や睡眠を管理できる
Galaxy Ringで取得したデータの保存や管理はサムスンのウェルネスアプリ「Samsung Care」と、ウェアラブルデバイスの管理アプリ「Samsung Wearable」を利用する。また利用にはSamsungアカウントへの登録が必要だ。今回は日本版のGalaxy Z Fold5 / Galaxy Z Fold6を使い、韓国で購入したGalaxy Ringを使ってみた。
Galaxy Ringを装着した充電ケースのフタを開け、中央のボタンを押すとペアリングが始まり、画面にGalaxy Ringが表示される。Galaxy Ring関連のアプリ(おそらくGalaxy Wearableの追加コンポーネント)がダウンロードされたあとは、Galaxy Ringのつけ方などのインストラクションが表示され、指示に従って進むとGalaxy WearableにGalaxy Ringが表示される。画面のGalaxy Ringの下にはバッテリー残量も表示される。
ここからすぐに自分の健康状態を確認できる。これはサムスンのスマートウォッチ「Galaxy Watch」シリーズと同等だ。エナジースコアは毎日の運動と睡眠状態、心拍数からサムスンのアルゴリズムで日々の体力と気力をスコアとして算出してくれる。
睡眠を押すと夜間の細かい睡眠状態や、睡眠中の心拍数、血中酸素濃度、皮膚温度など細かいデータを見られる。このあたりもGalaxy Watchと同等で、動物による睡眠スコアの表示もGalaxy Watchが睡眠管理を強化したモデルから採用された指標だ。
Samsung Healthを起動すると、運動や睡眠など取得したデータを総合的に見ることができる。Samsung Healthの画面中央上の「接続」を押せばすぐにSamsung Wearableに切り替えもできる。
Galaxy Ringを「つまむ」操作で カメラのシャッターが切れる
ここまでGalaxy Ringの機能を説明してきたが、支払い機能などはなく、あくまでも「生体センサー」として身体からの運動データなどを取得するデバイスとして動作する。だが、わずかではあるがGalaxy Ringを使ってスマートフォンをコントロールする機能も搭載されている。それは「ジェスチャー」機能だ。
これはGalaxy Ringをはめた指と親指を、空中で素早くつまむ操作を2回することで動作する。人差し指にはめた場合は人差し指と親指で、中指にはめた場合は中指と親指で操作するのが確実だ。
できることはカメラ起動中のシャッター(写真撮影、動画撮影の開始と終了)、アラームの停止だ。設定ページでは実際に指先を動かして動作の確認もできる。
筆者はカメラシャッターに使ってみたが、なかなか便利だった。Galaxy Z Fold系の大きな端末の場合、片手で本体を持ってカメラアプリのシャッターボタンが押しにくいことがあるが、Galaxy Ringをつまむ操作なら楽にシャッターが押せる。
本体を離して置いてリモートシャッターを切るときも、Galaxy Ringをリモコンに使えるのだ。派手な機能ではないものの有用性は高い。
【まとめ】Galaxy Ringを使って変わる健康への意識
筆者は8月11日にGalaxy Ringを入手し、それから毎日身に着けて使っている。この間大きく変わったのは健康に対する意識、特に睡眠をしっかり取るようになったことだ。
Galaxy Ringは24時間指から外すことがないため、睡眠前に付け忘れて眠ってしまうこともない。そのため毎日の睡眠データを確実に記録してくれる。毎朝起きて昨晩は何時間寝たか、ということを見るのが楽しみになってくるのだ。さらに睡眠スコア=動物による指標をより高めようというモチベーションも湧くいてくる。
その一方で、様々なスポーツをした際の運動量の記録やカロリー計算には対応していない。Galaxy Ringは日常生活の基本的なアクティビティーを記録し、健康状態の把握をサポートする製品なのだ。
実際に使って感じることだが、普段は左手の人差し指につけておき、モノを持つときなどちょっと当たるなと思ったらすぐに中指に付け替えている。スーツケースを引っ張るときなども中指に付けたほうが干渉しにくい。
また顔を洗うときは中指だと顔に当たりがちなので人差し指にはめかえる。洗面台の上に置くのもいいが、滑らせて落して紛失させてしまうことが怖いので、シャワーの時も外さず使っている。手を洗ったあとで手拭いで手をふくと、自然とGalaxy Ringと指の間もうまく水分がふきとれるため、指から外すこともない。Galaxy Ringを指から外したのは充電した時、2時間ほどだ。
筆者が韓国で購入したGalaxy Ringの価格は約50万ウォン、日本円で約5万4000円だった。生体センサーに5万円の価値があるかは人それぞれだろうが、筆者の満足度は非常に高い。
外したまま眠ってしまうことがない=睡眠データを確実に取れるだけで、ここまで健康への意識が変わるとは自分でも予想しなかったこと。毎月の基本料金も不要で使えるのもありがたい。スマートウォッチで日常生活の健康管理がうまくいかなかった筆者のような人に勧められるデバイスだ。
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