Core Ultra 7 155Hで約1.5kgのモバイル14型ノートPCの実力を知る!
ASCII.jp / 2024年9月2日 11時0分
サードウェーブの「GALLERIA DL7C-IG-C4」は、14型ディスプレーを採用しながら、厚み約19mm、質量約1.5kgという薄型軽量ボディーを実現したクリエイター向けノートパソコンだ。(関連記事)AI専用エンジンを内蔵したCore Ultraプロセッサーを搭載しており、画像生成などのAI処理が高速に実行できるのも特徴となっている。
今回は各種ベンチマークを実行して、そのパフォーマンスをチェックしてみた。
AI専用エンジンを内蔵したCore Ultraプロセッサーを採用
「GALLERIA DL7C-IG-C4」は、サードウェーブのクリエイター向けノートパソコンの中でも、持ち運びに適した14型ディスプレー搭載モデル。薄型軽量ながらAdobe Creative Cloudの推奨スペックを満たした性能の高さが特徴で、イラスト制作から動画編集まで幅広いクリエイティブワークに活用することができる。おもなスペックは以下の通り。
Core Ultra 7 155Hは、高性能なPコアを6基、高効率なEコアを8基、より高効率なLP Eコアを2基搭載した、16コ/22スレッドのプロセッサー。TDPは28Wで、動作周波数は最大4.80GHzとなっている。
グラフィックスは、従来のCPU内蔵GPUより大幅に性能がアップしたインテル Arc グラフィックスを搭載。またAI専用エンジン(NPU)としてインテル AI Boostも内蔵している。CPUだけでなくGPUやNPUも高性能で画像処理やAI処理が高速なため、クリエイティブ作業が快適に行なえることに期待できる。そこで、ベンチマークソフトでこれらの性能をチェックしてみることにした。
まず、CPUの性能を見るため「Cinebench R23」を実行してみたところ、シングルコアが1789pts、マルチコアが15532ptsとなった。また「Cinebench 2024」も試してみたところ、シングルコアが104ts、マルチコアが840ptsとなった。
前世代のモバイル向けプロセッサー、Core i7-1360Pと比べるとマルチコアは50%程度もスコアがアップしており、デスクトップ向けのCore i7-13700Hに迫るパフォーマンス。普段使いやビジネス用途はもちろんだが、クリエイティブ用途も快適に行なえる性能があることがうかがえる。
そこで、パソコンの総合的なパフォーマンスを見る「PCMark 10」を試してみたところ、総合スコアが「6236」という結果になった。快適さの目安となるスコアは、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっている。
本機はそれぞれ10445、7552、8344というスコアで、いずれも大きく上回っている。Web閲覧や動画鑑賞、ビジネス文書の作成などの一般的な用途はもちろん、RAW現像や動画のエンコードといった処理もしっかり行なえることがわかる。
次に、グラフィックス性能をチェックするため「3DMark」を実行してみたところ、次の結果になった。
結果を見ると、エントリー向けのゲーミングパソコンに搭載されるビデオカード並みのパフォーマンスを実現していることがわかる。テストによってはGeForce GTX 1650に迫るスコアも出ており、これまでのCPU内蔵GPUとは段違いの性能。
動画編集はもちろん、軽いゲームであればプレイできるレベルで、実際人気のバトルロイヤルゲームApex LegendsならフルHDで115fps以上のフレームレートでプレイできるという判定結果になった。
続いて、UL ProcyonのAI Image Generation Benchmarkのうち負荷が軽めのStable Diffusion1.5(FP16)を実行して、AI画像生成のパフォーマンスをチェックしてみた。なお、推論エンジンはインテルのOpenVINOを選択している。
このテストではNPUは使用されず、おもにGPUの性能がスコアに反映されるようだ。そのため、最近の高性能なグラボを搭載したマシンに比べるとスコアは控えめ。本格的に画像生成に取り組むには向かないが、512×512解像度の画像1枚あたり79秒ほどで生成できており、「ちょっと試してみたい」人には十分なGPU性能ではある。
続いて、NPUの存在がAI処理にどれだけ貢献するのかをチェックするため、UL ProcyonのAI Computer Vision Benchmarkも試してみた。推論エンジンはインテルのOpenVINOを選択し、CPUとNPUについて測定して結果を比較してみた。
結果を見ると、CPU利用時に比べてNPU利用時のパフォーマンスが3倍以上も高いことが分かる。ちなみにNPU利用時にタスクマネージャーを確認すると、NPUの利用率が70~80%なのに対して、CPUやGPUの利用率は1桁でほとんど負荷はかかっていない。
そのためAI処理をしながらほかの作業を行なうこともストレスなくできそうだ。今後、NPUに対応したアプリが増えてくれば、AI処理が高速なCore Ultraプロセッサーを搭載した本機の優位性がより際立ってくることが期待できる。
最後に、ストレージの性能についても紹介しておこう。本製品には1TBのM.2 SSD(PCIe Gen4×4)が搭載されていたが、CrystalDiskMarkを実行してみたところ、シーケンシャルリードが約7000MB/s、ライトが4880MB/sと非常に高速だった。動画などの大容量データの読み込みや書き込みの時間短縮には、おおいに役立ってくれそうだ。
基本的な処理能力は十分
インテル Arc グラフィックスやインテル AI Boostを内蔵し、画像処理やAI処理も高速なCore Ultraプロセッサーを採用したGALLERIA DL7C-IG-C4。今回は、その基本的な処理能力を中心に紹介したが、次回はPhotoshopやPremiere Proを利用したベンチマーク結果をもとに、クリエイティブ用途でどのくらいのパフォーマンスが出せるのかをチェックしていく。
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