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シャオミのフラッグシップキラー「POCO F6 Pro」はハイパワー、急速充電、カメラのエモさが魅力

ASCII.jp / 2024年9月16日 12時0分

 ハイエンドクラスのSoCや120Hz駆動のディスプレーを搭載しているのに価格は抑えめと評判の「POCO F6 Pro」を使ってみました。「POCO」は、シャオミが「Xiaomi」「Redmi」とは別に展開するサブブランド。原則としてオンラインストアだけで販売し、徹底的にコスパを追求していることが特徴です。

POCO

 説明会では「フラッグシップキラー」というコピーも使われていました。日本では、2022年8月に「POCO F4 GT」が発売され、今回のPOCO F6 Proが久しぶりに投入された2台目となります。

 価格は、メモリー12GB+ストレージ256GBモデルが6万9980円、12GB+512GBモデルが7万9980円です。

月面をモチーフにした斬新なデザインを採用

 ディスプレーは6.67型の有機EL。画面アスペクト比は20:9で、解像度は3200×1440ドット(526ppi)。やや縦長のスクリーンで、左右のベゼルも細いため、大画面のわりにはスリムな印象。といっても、横幅は74.95mmあるので、片手持ちでの操作には制約が生じます。

POCO
ピーク輝度は4000ニト、リフレッシュレートは最大120Hzとトップクラスの性能を備えている。画面内に指紋センサーも搭載

 右側面に音量ボタンと電源ボタンを搭載。左側面には何もなく、上部にマイク、下部にSIMスロット、USB Type-Cポート、スピーカー、マイクを配置。なお、スピーカーはディスプレーの上にも搭載され、ステレオ音声を出力できます。音量はわりと大きめで、左右のバランスもいいように感じられました。

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右側面に音量ボタンと電源ボタン
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上部にマイクを搭載
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底部にデュアルSIMスロット、マイク、USB Type-C接続口、スピーカーが並ぶ

 デザイン上の大きな特徴は背面パネルにあります。カラバリはブラックとホワイトの2色で、それぞれに月をイメージさせるデザインが施されています。筆者が借りたブラックは月の暗い状態、ホワイトは月の照らされた状態がモチーフになっているとのこと。これまでに見たことがないデザインなので、好みが分かれそうです。

 ですが、ベルベットのようなサラッとした手触りは心地よく、この端末が気になる人は、ぜひ実機に触れてみることをオススメします。ですが、残念ながらPOCOはオンライン限定。渋谷PARCOに9月30日まで出店している「Xiaomi POP-UP Store」に展示されているそうなので、渋谷に行く機会がある人は触りに行ってみましょう。

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カラバリはブラックとホワイトの2色
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背面パネルはマットで独特の表面加工が施されている
POCO
ケースが同梱されているので、背面のデザインを好まない場合はケースで隠せる

 カメラ部のパネルの質感が異なり、ブラックはレンズにゴールドのリングをあしらっていることも特徴。サイドフレームはメタルで硬質で、高級感のある仕上がり。いずれも “お値段以上”といった風情なので、実機を見ずに買ったことしても後悔することはなさそうです。

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カメラ部のパネルは光沢仕上げ。レンズの周囲は金色でデザインされている

昨年のハイエンドSoCなので パフォーマンスは申し分なし

 プロセッサーはSnapdragon 8 Gen 2(最大3.19GHz)。Xiaomi 14 Ultraなど、今年発売されたフラッグシップモデルの多くが採用するSnapdragon 8 Gen 3の1世代前ですが、今なおトップクラスの性能を有するチップです。メモリー容量もハイエンドの標準といえる12GBなので、パフォーマンスにも不安はなし。実際、サクサクと軽快に操作できました。

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「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定して結果。ハイエンドスマホとして申し分のないスコアを記録した
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最大8GBの仮想メモリーを拡張できる機能も搭載

USB Type-Aで120W充電を実現! 驚くほどスピーディーに充電できる

 バッテリー容量は5000mAh。筆者が試用した1週間に、電池残量がピンチになることや、使用中に本体が熱くなることはありませんでした。スマホの使い方は個人差が激しいので一概には言えませんが、ゲームはやらずSNSやメール、ウェブ閲覧のみという標準的な使い方であれば1日は余裕で持つ印象。筆者が写真や動画を撮りまくった日でも、40%以上残りました。

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電池持ちは良好。パフォーマンスを優先するモードや省電力モードに切り替えることも可能

 120Wの急速充電に対応していることも大きな魅力。シャオミによると、同梱の充電器を使って、ディスプレーをオフにして「充電速度のブースト」をオンにすると、約19分でフル充電できるとのこと。

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充電速度を最大限に上げるには「設定」→「追加機能」→「充電速度のブースト」をオンにする必要がある

 筆者は電池を使い切った状態からの充電は試していませんが、驚くほどスピーディーに充電できることは体験できました。「充電速度のブースト」をオフにしていても充電速度はかなり速く、5分充電すれば当面必要な電池量をチャージでき、10分充電すれば、1日使い続けられる。そんな印象を受けました。充電器を持ち歩いていれば、電源がある場所でわずかな時間で充電できるわけです。

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充電中は電池残量の数値が見る見る上がり、驚くほどスピーディーに充電されることを実感できる

カメラは“映え”や“エモさ”を求める人は満足なデキ

 リアカメラは、メイン(5000万画素/F値1.6)+超広角(800万画素/F値2.2)+マクロ(200万画素/F値2.4)の3眼。かなり鮮やかな色合いで写るので、いわゆる“映える”“エモい”写真を好む人に適しているでしょう。

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明るく鮮やかな色で写る
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夕景もエモい色合いで写った
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料理も美味しそうに写る
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ペットも撮りやすかった

 メインカメラは1/1.55型の「Light Fusion 800」という大型センサーを搭載し、デフォルトでは4つの画素を1つの大きな画素として使って、感度を上げて撮影できる仕組み。2倍は光学ズーム相当の画質で撮影でき、デジタルズームは最大10倍。光学式手ブレ補正にも対応しています。

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超広角で撮影
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1倍で撮影
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2倍で撮影。鮮明な画質で写る
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最大の10倍ズームで撮影。画質はかなり粗くなる

 動画撮影は8K/24fpsに対応。4Kと1080pは最大60fpsで撮影できます。筆者はデフォルトの1080p/30fpsでしか撮っていませんが、画質は標準的という印象。フィルターを設定して撮影したり、映画のような雰囲気があるビデオが撮れる機能があったりと、SNS向けの動画を撮るには適している印象を受けました。

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動画の撮影機能も充実している

 フロントカメラは1600万画素。背景をぼかして撮影することができ、美肌、輪郭、小顔、メイク、鼻、唇、顎など、細かく設定できるビューティー機能も搭載されています。作例を載せるのは控えさせていただきますが、筆者が試したところ、10歳くらい若く見える写真になったので、盛りたい人には役立つと思われます。

生成AIを用いた機能は、今後のアップデートにも期待

 スマホの新たな競争軸となってきた生成AIを用いた機能も搭載されています。

 写真管理アプリ「ギャラリー」の編集機能には、「AI拡大」という機能があり、足りない背景を生成することが可能。たとえば「Instagram」に正方形の写真を投稿したいが、上下または左右が足りないというときに、背景を拡張して正方形の写真を作れるわけです。

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「AI拡大」は、縦横比を選んで、背景の足りない部分を拡張できる

 意図せずに写り込んだ不要なものを消す「消しゴム」機能も搭載。消した部分は、あたかも最初からそれがなかったように自然な背景が生成されます。

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「消しゴム」の性能はまずまずといった印象。背景の複雑さによって仕上がりに差が出るようだ

 実際に使ってみると、かなり精度が高く、積極的に使える印象でした。さらに、人物の顔写真が分析されて、AIが理想的なポートレートを生成する機能も搭載。筆者がレビュー用の端末を借りた時点では試すことができませんでしたが、アップデートで対応するとのことです。

【まとめ】コスパは圧倒的だが おサイフケータイ非対応などの弱点も

 POCO F6 Proは、最新のフラッグシップに近い性能を備えたハイエンドモデル。競合機種を挙げるとしたら、Xperia 5 V、AQUOS R8、Zenfone 10、Google Pixel 8あたりではないかと思います。いずれも発売時には10万円を超えていたモデルです。POCO F6 Proの新品で6万9980円~という価格は破格と言って差し支えないでしょう。

 強いて弱点を挙げるとしたら、おサイフケータイが使えないこと、eSIMに対応していないこと、防水・防塵の等級がIP54相当と低めのことくらいでしょう。

 しかし、FeliCaは使えないものの、NFCは搭載しているので、クレジットカードを登録してタッチ決済を利用することは可能。eSIMは使えませんが、nanoSIMは2枚装着できるので、デュアルSIMで使うことも可能。防水・防塵はIP68ではないものの、濡れた手でも操作できる仕様を実現しています。

 これらを妥協できるのであれば、買って損なし! と言うより、買わないと損かも!?

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