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【速報レビュー】新「AirPods 4」ノイキャンの効果や音質を徹底解剖

ASCII.jp / 2024年9月16日 21時0分

アップルの最新ワイヤレスイヤホン「AirPods 4」をレポートします

 アップルが9月20日に発売する、左右独立型のワイヤレスイヤホン「AirPods 4」の速報レポートです。上位モデルのAirPods Proとの違いにも触れながら新製品の魅力を解説します。

開放型なのに高い消音効果

 AirPods 4は、2016年12月にアップルが発売した最初のAirPodsの系譜を継ぐワイヤレスイヤホンです。最大の特徴は開放型のハウジングを採用して、シリコン製のイヤーピースを使わず、耳に乗せるような装着スタイルで楽しむインナーイヤースタイルのイヤホンであることです。AirPods Proは、イヤーピースで耳を塞ぐ密閉型のイヤホンです。

 開放型のイヤホンは、クリアで伸びやかな中高音域と広がりのある音場感が楽しめます。代わりに開放型のイヤホンには周囲の環境音が飛び込みやすく、騒々しい場所では音声が聞こえにくくなる弱点もあります。初代から第2世代・第3世代のAirPodsを使ったことのある方は体験されたことがあると思います。

 密閉型のAirPods Proは、特に2022年にアップルが発売した第2世代のモデル以降、イヤーピースと独自のアクティブノイズキャンセリング機能による遮音性能が一段と高くなったことから、大きな騒音に囲まれる飛行機の機内、地下鉄の車内などでも静かにコンテンツの音声が聞ける環境を作り出してくれます。一般に密閉型イヤホンは開放型イヤホンに比べると音がこもりやすく、特にクリアな高音は出しにくいとされていますが、AirPods Proはフラットでバランスの良いサウンドを持ち味としています。

左がANC搭載のAirPods 4、右は非搭載のAirPods 4。ケースに搭載するスピーカーの有無以外、見た目に違いはわかりません

 新しいAirPods 4には音もれの弱点を克服するアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載するモデルがあります。価格は2万9800円。ANCなしのモデルは2万1800円です。

 ANCの効果は、密閉型のAirPods Proには及ばないものの、人の声や環境ノイズを十分に気にならないレベルにまで下げてくれます。音楽再生を始めると、周囲のノイズをほぼ気にすることなくコンテンツに深く没入できました。イヤーピースで耳を完全に塞いでしまうような、ある種の圧迫感がないため、ノイキャンイヤホンが苦手という方でもAirPods 4なら気持ちよく使えると思います。

開放型のメリットを活かした伸びやかなサウンド

 音質は開放型イヤホンのメリットが存分に活きています。高音域の豊かな透明感。ボーカルや楽器の音域は鮮度が高く、とても伸びやかです。ANCを搭載するAirPods 4は、ノイキャンをオンにすると迫力のある低音再生が楽しめます。全体に音のバランスとつながりが良く、まるで生演奏を目の前にして聴いているようなリアリティが感じられます。

iOS 18パブリックベータを投入したiPhone 15 PlusでAirPods 4を試聴しました

 ANCを搭載しないAirPods 4もまた、前世代の開放型AirPodsと比べてケタ違いに厚みのあるリッチな中低音を楽しませてくれます。「静かな場所でピュアな音を楽しみ尽くしたい」という方にはノイキャン不要、ANCなしのAirPods 4の進化したサウンドをぜひ体験してほしいです。

ケースのボトム側にUSB-Cコネクタと小型スピーカーを内蔵しています

 AirPods 4は充電ケースがとてもコンパクトになりました。歴代AirPodsシリーズの中でも最小サイズです。充電用の端子はUSB-Cなので、iPhoneやMacのUSB-Cケーブルがそのまま使えます。ANC搭載AirPodsのケースはワイヤレス充電に対応していたり、「探す」機能による遠隔探索のためなどにチャイムを再生する小型スピーカーを内蔵しています。

AirPods 4の設定画面。ノイズコントロールの設定項目には「適応型オーディオ」もあります。 ※アップルの最新OSのパブリックベータ版の画面は一般に公開することが禁じられていますが、本稿では特別に取材許可を得たうえで掲載しています

外部音取り込みも秀逸。Proを選んだ方が良さそうな点も

 ANC搭載のAirPodsはノイキャンだけでなく、内蔵するマイクで環境音を取り込みながら音楽をミックスして聞ける「外部音取り込み」を搭載しています。屋外で歩きながら、ジムで身体を動かしながらAirPods 4を使う時に、外部音取り込みをオンにすれば安全・安心です。

 iPhoneやiPadなどアップルのデバイスとの相性抜群。AirPods 4にも空間オーディオに対応するコンテンツをダイナミックヘッドトラッキングと一緒に楽しんだり、通話の受話・拒否などの操作をハンズフリーのまま、頭の上下・左右に動かす「頭のジェスチャ」にも対応しました。今後もソフトウェアアップデートなどにより、他のアップルのデバイスと連携する新しい機能やサービスに対応する「伸びしろ」にも期待ができそうです。

「頭のジェスチャ」はオン・オフの切り変えが可能。操作の練習メニューもあります

 筆者が1週間ほど試して気になったAirPods 4の「もうひと息」なポイントにも触れたいと思います。

 風が強く吹く日にAirPods 4を装着して屋外を歩いたところ、風切りノイズの影響が気になりました。密閉型のAirPods Proの方が風切りノイズには強いので、屋外スポーツの際にAirPodsを活用したい方は、AirPods Proを選んで「外部音取り込みをオン」にする楽しみ方がベターかもしれません。AirPods 4の風切りノイズも、将来ソフトウェアアップデートなどで解消されることを期待しましょう。

スティック部分に感圧センサー式のリモコンを内蔵。楽曲の再生と一時停止、通話応答・終了、ノイズコントロールの切り替え、Siriの呼び出しなどができます

 本体のスティック部分には。感圧センサー式のリモコンを内蔵しています。クリック操作でペアリングしたスマホの楽曲再生やハンズフリー通話がコントロールできます。AirPods Proでは実現している「上下スライド操作による音量のアップダウン」がAirPods 4にありません。Apple Watchも愛用しているユーザーであれば、デジタルクラウンを回す操作でコンテンツの音量を調節できるのですが、ウォッチを持っていない場合はiPhoneなど再生機器を直接操作するほかありません。

左がAirPods 4、右が最上位モデルのイヤホンとなるAirPods Pro 2

iPhoneと最高の相性。開放型AirPodsからの買い換えもおすすめ

 様々な点を総合すると、新しいAirPods 4は特にアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するAirPodsを初めて体験する方にとってベストな選択肢です。iPhoneやiPad、Macとの連携にも優れています。例えばデバイスで同じユーザーのApple AccountにサインインしていればMacで動画を再生中、iPhoneにかかってきた電話に応答して、自動的にAirPodsを切り替えてハンズフリー通話が始められる自動スイッチ機能は、一度使い慣れてしまうと手放せません。

 今まで第2世代・第3世代のAirPodsを使っていた方の中で、もしイヤーピースで耳に栓をするAirPods Proが苦手という方がいれば、次に乗り換えるべきイヤホンはAirPods 4かもしれません。さらにノイズキャンセリングも苦手という方のために、ANCなしのAirPods 4も揃っていることを再度強調しておきます。

AirPods Maxも一新。新色以外の変更点は?

 最後にANCを搭載するワイヤレスヘッドホン「AirPods Max」についても紹介したいと思います。

 第2世代のモデルは主に充電用のデジタル端子がLightningからUSB-Cに変更されました。カラバリもシルバー/スペースグレー/スカイブルー/グリーン/ピンクの5色展開から、新しいミッドナイト/スターライト/パープル/オレンジ/ブルーの5色に入れ替わっています。

AirPods Maxのスターライト。美しいシャンパンゴールドのようなカラーです

 iPhone 15 Proに接続してサウンドを確かめたところ、初代のAirPods Maxよりも新しいAirPods Maxの方が低音域の重心が下がり、どっしりとした濃密なサウンドになっていました。中高音域の初代機の方がわずかに伸びやかな印象もありますが、新しい方のAirPods Maxをもう少し長い期間鳴らし込めば、また表情が変わってくるかもしれません。

 AirPods Maxはアップル純正の別売アクセサリー「Lightning to 3.5mmオーディオケーブル」を使って、3.5mmイヤホンジャックを搭載するスマホやポータブルゲーム機と直接つなぐことができました。取り急ぎ筆者の手もとにあった「USB-C to 3.5mmオーディオケーブル」でMacに接続してみましたが、オーディオリスニングは不可。対応していないようです。

USB-C to 3.5mmオーディオケーブルを接続してみましたが、残念ながら有線リスニングには対応していませんでした

 「USB-C to USB-Cケーブル」による接続も試しましたが、AirPods Maxがオーディオデバイスとして認識されず。将来はMacやiPhoneにUSB-Cケーブルで直結して、AirPods Maxでロスレス再生が楽しめるようになることを引き続き心待ちにしたいと思います。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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