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「騒音と戦ってきたからこそ自信がある」ーーダイソンが放つ、世界最高クラスのノイキャン「Dyson OnTrac」

ASCII.jp / 2024年9月19日 21時30分

 ダイソンと聞いて、皆さんはどんな印象を持つだろうか? 掃除機、ドライヤー、空気清浄機? 実は共通点がある。モーターを使用して、空気を動かすのだ。

 では次。掃除機やドライヤーを使っているシーンを想像してほしい。「なんかうるさそう」と感じるかもしれない。

 そんなダイソンがヘッドホンを開発したらどうなるか? その回答が「Dyson OnTracヘッドホン」だ。発売は本日9月19日。ダイソンのヘッドホンとしては「Dyson Zone」に続く第2弾となる。

ベースは4種類

今度はオーディオ特化型です!

 まずはDyson Zoneのおさらいから。これは空気清浄機能付きヘッドホン、モーターとフィルターを搭載した異色の製品だった。装着した見た目はサイボーグのようだ。これはこれで印象に残るが、街中での使用には少し勇気がいるかもしれない。

Dyson Zone

 対するDyson Ontracはオーディオに特化したスタンダードなヘッドホンだ。しかし、そこはダイソン、普通のメーカーとは少し違ったアプローチを取り入れてきた。

 都内で開催した製品発表会には、チーフエンジニアで創業者の長男でもあるジェイク・ダイソン氏が登壇。製品コンセプトを紹介した。

ノイズキャンセル強力です!

 ポイントのひとつ目はズバリ騒音への深い知見だ。

 ヘッドホンを選ぶ際、なぜDysonなのか。オーディオ機器が作れるのか。そう思う読者もいるかもしれない。答えの一つは高いノイズキャンセル性能である。上にも書いたダイソンが手掛ける製品群を思い出してほしい。ノイズを発生する機器ばかりである。言い換えるなら、ダイソンの製品開発はノイズとの戦いだったに違いない。

 そして、ジェイク・ダイソン氏が強調したのも、まさにこの騒音低減技術だった。

 実は、ダイソンの開発リソースのうち20%は騒音低減に割かれている。どのように音を扱うか、騒音を低減するかのノウハウを持っていたことから生まれたのが、2023年のDyson Zoneだ。

 新製品のDyson Ontracは、空気清浄機能も、その実現に必要なモーターやフィルターも装備していない純然たるオーディオ製品だ。つまり、ハウジング付近で発生するノイズもない。このモーターの動作音を消せるほど強力なノイズキャンセル機能を、環境音の低減のために全振りしたらどうなるか? ここがDyson Ontracの特徴になるはずだ。この製品は“業界最高クラスのノイズキャンセリング”をアピールしている。

内部構造の解説

薄くなったのでカッコよくしました!

 モーターを取り除いた利点はもうひとつある。それは非常にスリムな本体にできたことだ。分解したパーツを見て驚いたが、ハウジング部分は開放型の軽量ヘッドホンかと思うように薄い。これがデザインをカスタマイズする自由度を与えた。

 Dyson Ontracを使う大きなポイントは、そのデザイン性の高さ、アウターキャップとイヤークッションを取り替えることで、豊富なデザインのバリエーションを選べる点だ。基本的なデザインは4種類で、さらにアウターキャップとイヤークッションは別売のオプション品も含めてそれぞれ7種類ある。

 アウターキャップは金属を削り出したもので、アルミ仕上げのほか、セラミック仕上げも用意している。イヤークッションは厚手で柔らかく、耳にフィットしやすい。長時間つけても負担にならない快適性も備えている。カスタマイズ性の高さは、自分らしさの表現のためにも重要だ。ストリートカルチャーを意識したDyson Ontracは、ファッション性、個性の主張を意識した製品としても注目すべきだと思う。

 ちなみに、ジェイク・ダイソン氏は大学を卒業した後にLED照明を手掛ける会社を設立。デザイン性の高いライトを開発したのち、2015年にダイソンの傘下に入った。デザインについてのこだわりは、インテリアなどを手がけた経験なども関係しているのかもしれない。

音もコーディネートもとても気になる製品ですね

 Dyson Ontracは、ドライバーやチップをZoneと共通化しているが、ハウジングデザインが変化するほか、上述したモーターレスという側面もあり、音質調整やノイズキャンセルなどの部分は見直されているようだ。もちろんその開発にはZoneの経験値も生かされているのだろう。

ピカピカと質感のいいアウターキャップ。
特徴あるイヤーパッド。黄色のカラーリングは、1980年代のウォークマンも少し思い出させる。
マイクは8基搭載しているという。

 Dyson Ontracでは、騒音を発する機器を開発してきたからできる技術的な裏付け、そして機能を省くことによって逆に得られたカスタム性やファッション性などがあるのが面白い。

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