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【活用提案】iPad+外部ディスプレーでさらに効率アップ! マルチディスプレー環境での「ステージマネージャ」が超便利

ASCII.jp / 2024年11月13日 13時0分

 iPadで「ステージマネージャ」を使っていると、「画面が狭くてステージマネージャが使いにくい」と感じる人も少なくないだろう。実際そのとおりで、画面サイズが最も大きいiPadで使っても、複数のウィンドウを同時に開くと手狭に感じるものだ。

 しかし、外部ディスプレーを使うと、話がまったく変わってくる。一部のiPadでは外部ディスプレーをサポートしているので、マルチディスプレー環境でステージマネージャを利用可能だ。これにより、広い画面でiPadを活用できる。

 そこで今回は、ステージマネージャを外部ディスプレーで使うための準備や活用テクニックについて紹介していこう。

マルチディスプレー環境を作るときに必要なものは

 iPadに外部ディスプレーを接続してステージマネージャを利用すると、iPadで4画面、外部ディスプレーで4画面と、最大8つのアプリ(ウィンドウ)を同時に表示できるようになる。外部ディスプレーの画面サイズが大きいほど操作感はパソコンに近くなり、作業効率はかなり向上するだろう。

 マルチディスプレー環境を構築するには、対応するiPadや外部ディスプレー、ケーブルなどが必要だ。ここでは必要なものと注意点について紹介しよう。

 まず、外部ディスプレーでステージマネージャが利用できるiPadは次のとおり。 ・13インチiPad Pro(M4) ・11インチiPad Pro(M4) ・13インチiPad Air(M2) ・11インチiPad Air(M2) ・12.9インチiPad Pro(第5世代以降) ・11インチiPad Pro(第3世代以降) ・11インチiPad Air(第5世代以降)

 ステージマネージャ自体、それなりにスペックを必要とする機能のうえ、外部ディスプレーへの出力はさらに負荷がかかるため、Appleシリコン(M1以降)を搭載したiPadのみの対応となっている。ちなみに、非対応のiPadを外部ディスプレーに接続した場合は、ミラーリングしかできない。

 外部ディスプレーは、USB-CポートまたはHDMIポートを搭載したものが必要だ。画面サイズに制限はなく、接続したディスプレーに合わせて解像度が自動調整される。ただし、後述するが、HDMIポートで接続する場合、ケーブルやハブとの相性問題があるため、USB-Cポートを搭載したディスプレーを用意するのがベストだ。

外部ディスプレーは、USB-CまたはHDMI端子を搭載したものが必要になる。

 なお、モバイルディスプレーならiPadからの給電だけで使えるというメリットがある。ただし、iPadのバッテリーはどんどん減っていくので、長時間使うのであれば、ディスプレーは直接電源につないだほうがいい。

 iPadと外部ディスプレーをUSB-Cケーブルで接続する場合は、映像信号を伝送できる「Alternate Mode」に対応し、かつUSB PDに対応したケーブルが必要となる。USB-Cケーブルにはたくさんの種類があり、パッと見ただけではどれが対応しているかがわからない。そのため、USB-Cケーブルの選択には注意が必要だ。

 外部ディスプレーにUSB-Cケーブルが付属しているなら、それを使うのが最も間違いがない。ケーブルを別途用意する場合は、「Thunderbolt 3」以上のケーブルを選ぶといいだろう。

USB-Cケーブルはディスプレーに付属のものを使うのが最も確実。別途用意する必要がある場合は、「Thunderbolt 3」以上のケーブルを用意するのがおすすめ。写真は、「Thunderbolt 4」ケーブルだ。

 HDMIケーブルを使う場合は、iPadにハブを接続し、それを介して接続する。ただし、ケーブルやハブとの相性で映像出力が不安定になることがある。また、HDMIケーブルは給電に対応していないため、ディスプレーの電源接続も必要だ。このようにHDMIは使い勝手がいまひとつで、動作が不安定になることもあるので、できる限りUSB-Cで接続したほうがいいだろう。

HDMIで接続する場合は、ハブが必要になる。また、ディスプレーの電源接続も必要だ。

 なお、マルチディスプレー環境では「Magic Keyboard」や、Bluetooth接続のキーボードとマウス(トラックパッド)が必要だ。ちなみに、キーボードやマウスを接続しないでiPadを外部ディスプレーに接続すると、ミラーリング表示になってしまう。

写真は、筆者所有のBluetooth接続のトラックパッド付きキーボード。安価な製品でも、iPadに対応しているのであれば問題ない。

外部ディスプレーでステージマネージャを表示する

 キーボードやマウスを接続した状態で外部ディスプレーをつなぐと、自動的に拡張モード(外部ディスプレーでステージマネージャが利用できる状態)になる。そのため、ユーザーの操作は不要で、すぐにマルチディスプレー環境でステージマネージャを利用できる。

キーボードやマウスを接続した状態で外部ディスプレーにつなぐと、自動的に外部ディスプレーでステージマネージャが利用できる状態になる。

 ただし、iPadと外部ディスプレーを先に接続してしまうと、あとからキーボードやマウスを接続しても自動で拡張モードに変更されない。この場合は、設定アプリの「マルチタスクとジェスチャ」で外部ディスプレーをステージマネージャに設定しよう。

手動で有効にするには、設定アプリの「マルチタスクとジェスチャ」を開き、「External Display」をタップ。外部ディスプレーの設定画面になるので、「ステージマネージャ」にチェックを入れる。

 拡張モードにしたら、外部ディスプレーの配置を設定する。例えば、iPadの右側に外部ディスプレーを置く場合は、ディスプレーの配置が右になるように設定する。この設定は、設定アプリの「画面表示と明るさ」で行う。

設定アプリの「画面表示と明るさ」を開き、「配置」をタップする。
ディスプレーの配置を設定する画面が表示されるので、iPadの位置を選択して「設定」をタップする。

 そして、マウスポインターをカスタマイズしておこう。ステージマネージャは、パソコンのようにマウスで操作することになるが、iPadのマウスポインターは色が薄くて、小さい。視認性があまりよくないため、画面内で移動させると見失うことが少なくない。

iPadに表示されるマウスポインターは丸くて小さく、さらに薄いグレーのため、広い画面で使うと見失いがちだ。

 マウスポインターが行方不明になると作業効率が落ちてしまうので、見やすい大きさや濃さに調整しておくといい。おすすめの設定は、コントラストをオンにして、ポインターを濃くしておき、ポインターの大きさを調整する。これでだいぶ見やすくなるはずだ。

設定アプリの「アクセシビリティ」→「ポインタコントロール」を開く。ここで「コントラストを上げる」をオンにし、「ポインタのサイズ」を調整する。

 もし、これでも見づらい場合は、ポインターにボーダーラインを設定しよう。ラインに好みの色を設定し、太さを変更すると、さらに見やすくできる。

設定アプリの「アクセシビリティ」→「ポインタコントロール」で「カラー」をタップ。ボーダーラインの色を選択し、「ボーダーの幅」で太さを調整する。

 また、Magic Keyboardはもちろんのこと、最近は安価なキーボードでもトラックパッドの付いたモデルが増えている。トラックパッドを使うなら、マウスポインターの速度や、クリック操作の設定も使いやすくカスタマイズしておきたい。

 マウスポインターの移動速度は、使っているマウスやトラックパッドによって変わってくる。操作していて速すぎたり遅すぎたりする場合は、速度を調整しておこう。

設定アプリで「一般」→「トラックパッドとマウス」を開く。「軌跡の速さ」でマウスポインターの移動速度を調整する。

 トラックパッドを使っている場合は、クリックの設定も変更しておこう。タップでクリック、2本指タップで右クリックができるようにしておくと、一般的なパソコンのトラックパッドに近い感覚で利用できるようになる。

「タップでクリック」と「2本指で副ボタンのクリック」をオンにする。これで、トラックパッドをタップすればクリック、2本指でタップすれば右クリックの動作になる。

iPadと外部ディスプレー間でウィンドウを移動するテクニック

 ステージマネージャの使い方自体は、iPadでも外部ディスプレーでも基本的に変わらない。iPadと外部ディスプレーのそれぞれに、作業領域と最近使ったアプリが表示されるので、それらを操作して作業すればいい。ただし、ディスプレー間でのウィンドウ移動については、いくつかの方法がある。

●ドラッグ操作で移動する

 iPadのウィンドウを外部ディスプレーで表示させるには、「…」(マルチタスクボタン)をドラッグして移動させればいい。この方法で移動させると、移動先のウィンドウでグループ化される。

移動したいウィンドウを、外部ディスプレー(またはiPad)側に向かってドラッグ&ドロップする。
移動先のディスプレーでウィンドウを開いている場合はグループ化される。

●マルチタスクメニューで移動させる

 ドラッグ操作は小さなトラックパッドだとやりにくく、誤操作が起こりやすい。そういったときは、「マルチタスクメニュー」を使う手もある。マルチディスプレー環境のときは、メニューに「ディスプレイに移動」または「iPadに移動」の項目が追加されるので、これをタップすれば、ディスプレー間を移動させられる。

移動したいウィンドウの「…」をタップし、「ディスプレイに移動」(または「iPadに移動」)を選択する。

 ただし、この方法で移動すると、現在表示されているウィンドウとのグループ化はされずに、新しい作業画面となってしまう。そのため、グループにしたい場合は、改めてグループ化の操作をする必要がある。

ウィンドウがもう片方のディスプレーに移動する。この場合は新しいグループとなる。

●Dockを使って移動する

 グループをもう片方のディスプレーに移動させたい場合は、Dockを使うといい。移動先のディスプレーでDockを開き、移動させたいウィンドウのアプリアイコンをタップ。すると、そのウィンドウを含んだグループをそのまま移動できる。

移動先のディスプレー(ここでは左の画面)でDockを開き、グループに含まれるアプリアイコン(ここでは「Safari」)をタップする。
すると、グループごと移動できる。グループの作業ディスプレーを変更したいときに便利だ。

 今回は、マルチディスプレー環境でステージマネージャを利用するのに必要な環境や注意点、便利なテクニックについて紹介してきた。iPadをマルチディスプレー環境にすると、ステージマネージャはかなりパソコンに近い感覚で利用できるようになる。iPadをヘビーに使いこなしたいなら、ぜひ環境を整えて利用してみてほしい。

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