今のVRは何ができるのか「VIVE Focus Vision」で現在地を見る
ASCII.jp / 2024年9月25日 15時0分
どうも! ドリブルまつながです。
僕はアニメやゲームが好きで、特に“ゲーム内での死が現実世界での死に繋がる”「ソードアート・オンライン」という作品が大好きです。デスゲームに巻き込まれるのは困りますが、いつかSAOみたいなVR(仮想現実)ゲームが誕生したらと夢を見続けている27歳の少年(笑)です。
ふと思いました。今のVRってどこまで進化したのか。SAOが好きで、過去に作品のイベント内でVRゲームの展示を見たことはありましたが、さまざまなヘッドマウントディスプレー(以下、HMD)が続々と登場するのを目にすると、これらは一体何を提供してくれるのだろうと気になりました。
今回はXR(クロスリアリティー)HMD「VIVE Focus Vision」の製品発表会にやってきました。会場ではさまざまな利用シーンと共に製品の特徴を聞けたほか、実機に触れる機会もあったので、その体験の内容も紹介します!
人とテクノロジーを繋ぐ HTC VIVEのHMD
発表会では、HTCグローバルプロダクトマネージャー 政田雄也氏が登壇しました。これまで、PCと接続して出力を最大限に活かすPCVR型の製品と、ほかの機器に接続せず使えるスタンドアローン型の製品に分かれていたHTC製のHMDですが、VIVE Focus Visionはその2つを共存したハイブリットな製品だと、その特徴を語りました。
製品本体のUSB Type-C端子を経由してDisplayPortに接続してPCVRを楽しめるのは、このHMDの大きな特徴のようで、オプションのストリーミングケーブルを使用してビデオカードに直接接続することで従来より遅延の少ない高品質な映像を表示できるとのこと。年内にはリフレッシュレート120Hzの表示に対応する予定とのこと。
HMD内部には赤外線照射器、電動レンズ、アイトラッキングカメラが組み込まれています。これらによって実現した自動IPD(瞳孔間距離)調整機能は使用者のIPDを自動的に調整し、家族や同僚との共有が容易にできます。LBEやトレーニングなどユーザーの入れ替わりが多い環境にも適しています。
プロセッサーはクアルコムの「Snapdragon XR2」を採用し、ディスプレーは片目あたり2448×2448ピクセル、両目で5K解像度、最大120度の視野を提供します。メモリーは12GBのLPDDR5、ストレージは128GBを搭載。インタフェースとして、DisplayPort対応を含めたUSB 3.2 Gen 1 Type-Cポート×2を備え、無線通信はBluetooth 5.2、Wi-Fi 6/6Eに対応します。
HTC VIVEシリーズのHMDは「人とテクノロジーを繋ぐ」を理念に展開し、これまで医療や教育などの業界で活用されてきました。さまざまな分野で研修や訓練に採用されており、その利便性や用途の幅広さが高く評価されているとのことです。
副社長 HTCグローバルセールス&マーケティング統括のCharles Huang氏は、NASAのISS(国際宇宙ステーション)で実施される科学研究で同社のHMDが使用されている事例を紹介しました。今後は、さまざまな技術がシームレスに繋がる「VIVE REALITY」という世界観の構築を目指しているといいます。
今のHMDにできること VIVE Focus Visionを体験
VRやAR(拡張現実)などの包括としてXRといわれるように、VIVE Focus Visionは、それらの最先端技術を日常のいたる場面で活用が見込めます。会場ではVRのシューティングゲームやMRで遠隔にいるVTuberとの会話を体験しました。
VRのシューティングゲーム『Arizona Sunshine 2』を体験。PCVR用DisplayPortで接続して、PC本体のビデオカードから高品質の映像を出力します。DisplayPortモードでは今後、リフレッシュレート120Hzに対応予定とのことですが、現状の90Hzでも十分な没入感を味わえました。
視覚を完全にジャックしたVRゲームは没入感が違いますね! 首を振ってゲーム内の世界を自由に見られることもそうですが、PCから直接伝わる映像の美しさが圧巻です。ゾンビに噛まれて血が噴き出る演出もリアルに感じられました。
遠隔にいる相手とも、まるでその場にいるかのように会話ができます。MRの技術で相手の声と動きをリアルタイムで共有するので、相手の全身が見られますし、身振りも伝わります。VTuberと手を合わせて会話できるなんてすごい時代になったもんだ。
HMDを被るとVTuberの2人がいて、目の前でコミュニケーションが取れました。外から見物していた人には僕がニヤニヤしながら独り言を呟いているように見えたようで、HMDを取ったら温かい目で見られていました(恥ずかしい)。
ほかにも仮想デスクトップを出現する「Mixed Reality(複合現実)体験」や、仮想空間のVR CHATで自分の3Dアバターを動かす「ソーシャルXR体験」、没入型のエンターテインメント「Location-Based-Experience(LBE)体験」を実施していました。
VIVE Focus Visionはゲームだけでなく、生活や仕事でも活用できるHMDで、今のVRの現在地を見ただけでなく、ウェアラブルデバイスが日常のさまざまなシーンで活躍していく未来の可能性まで見えた気がします。
VIVE Focus Visionの価格は?
本製品は10月18日に発売です。販売価格は、Consumer Edition(一般消費者向け)が16万9000円。VIVE BUSINESS保証&サービス込みのBusiness Edition(商用向け)が21万4000円。PCの接続に対応する有線ストリーミングケーブルキットは2万9000円となります。
発売前日の10月17日まで予約受付中で、予約で購入した場合、Consumer Editionは専用ストリーミングキットと、3つのVRゲーム(XR Workout、Caosule Critter、theBlu)が無料で入手できます。さらに、4本もしくは5本のVRゲームが入った3つのゲームパックから1つを選んでゲットできるとのこと。Business Editionにはバイスマネジメント(DMS)機能やLBE(ロケーションベース体験)機能をパッケージした「VIVE Business+」が1年間無償になる特典が付属します。
購入をお考えの人はぜひチェックしてみてください! それではまた次回の記事で。エルゴラッソ!
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