Gemini対応も万全! 外部音取り込み、ノイキャンもハイレベル! Google Pixel Buds Pro 2【速報レビュー】
ASCII.jp / 2024年9月26日 2時0分
グーグルの新しいAIスマホ「Google Pixel 9」シリーズと同時に発表されたワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro 2」が、いよいよ出荷を迎えます。イヤホンのノイキャン機能とサウンド、Pixelスマホとの連携によるグーグルGeminiがどれぐらい使いやすくなるのかなど、発売直前に全方位からレポートします。
Pixelスマホのユーザーにうってつけのワイヤレスイヤホン
最初に結論を言ってしまうと、Google Pixel 9シリーズを使っている方はこのイヤホンをぜひ手に入れるべきだと思います。機器どうしの連携がとてもスムーズだし、アクティブノイズキャンセリング(以降、ANC)と外部音取り込みの機能もハイレベル。前世代のGoogle Pixel Buds Proよりも音楽をたのしく聴ける活き活きとしたサウンドになっています。
Google Pixel Buds Pro 2は3万6800円となかなか高価なワイヤレスイヤホンですが、現時点でGoogle Geminiのサービスが気持ちよく使えるところはポイントが高く、今後もソフトウェアアップデートで日本語によるGemini Liveとの音声チャット対応など新しい機能の拡充が期待できます。十分に元は取れそうです。
以下、Pixel Buds Pro 2の気になる評価ポイントをひとつずつ見ていきましょう。比較のため前機種のPixel Buds Proも用意しました。
Androidの最新プラットフォームには、Android端末とGoogle Fast Pairに対応するワイヤレスイヤホン、ヘッドホンなどのオーディオデバイスをワンタッチで手軽にペアリングするための機能があります。Pixel Buds Pro 2もこの機能に対応しているので、Pixel 9シリーズのスマホと瞬速でペアリングができます。
ペアリング完了後の接続性能も安定しています。ユーザーがイヤホンを耳に装着した途端にデバイスが認識され、コンテンツのサウンドを再生するとすぐに音が聞こえてきます。
Pixel Buds Pro 2は前機種よりもイヤホンのデザインがブラッシュアップされました。耳に触れる内側部分の形状が洗練されたことで、装着感がとても良くなっています。XS/S/M/Lの4サイズを同梱するイヤーピースを適切に選択すれば、ベストなフィット感と遮音効果が得られます。
イヤホンの設定(Pixel Budsアプリ)から「イヤーチップのフィット感の確認」を活用すると、自分の耳に合うイヤーピースのサイズが見つけられます。確認を済ませたら、新しく設けられた「固定用アーチ」を意識しながらイヤホンを耳に装着します。イヤーピースを耳に挿入後、本体に固定されているシリコン製のハネのようなパーツを外耳の溝にはめ込むように少し回転させるとイヤホンが確実にフィットします。本機が搭載するANC機能の効果を最大化するためにも、必ずこの装着方法をマスターしましょう。
ハイレベルなノイズキャンセリングと外部音取り込み
ANC機能はオン/オフと外部音取り込みの3段階から選択します。消音効果を段階的に調整する機能はありませんが、ユーザーがイヤホンを装着したまま会話を始めたことを自動で検知して、外部音取り込みに素速く切り替える「会話検知機能」があります。
固定用アーチによる装着を済ませておけば、Pixel Buds Pro 2の高い消音効果が実感できると思います。筆者は初めて本機をカフェで試した時に、店内で響いているコーヒーグラインダーの音が聞こえなくなるほど強力な消音効果に絶句しました。大きな騒音に囲まれる場所で、静かにコンテンツの音に集中できました。反対にその効果はすごく強力なので、外を歩きながら使う時には必ず外部音取り込みにスイッチするべきです。
筆者はアップルのAirPods Proを「クリアな外部音取り込み」のリファレンスとしていますが、Pixel Buds Pro 2の外部音取り込みはAirPods Proに迫るほどハイレベルです。イヤホン側面のタッチセンサーリモコンから素速く機能が切り替えられます。
前世代のPixel Buds ProはANCの強さはPixel Buds Pro 2に負けていません。一方で、ノイズキャンセリングをオンにした時に耳にかかるプレッシャーはPixel Buds Pro 2の方が大幅に軽減されていると感じました。また外部音取り込みをオンにした時の環境音の聞きやすさはPixel Buds Pro 2がより洗練されています。グーグルが本機の進化としてうたう「Silent Seal 2.0」は、単なる消音効果の強さだけでなく、全体に使い勝手が良くなっていることを総合的に評価するべきです。
Pixel Buds Pro 2には、グーグルが独自に設計したTensorの名前を冠するオーディオ向けチップセットの「Tensor A1」が搭載されています。イヤホンに内蔵するマイクで取り込んだ環境ノイズを300万回/秒の速度で解析しながらノイズ成分を選り分けて、高度なANCと外部音取り込みを実現することに長けたチップです。高度な処理をこなしつつ、電力消費は低く抑えられることも特徴です。
イヤホン単体での消費電力はANCオン時で最大8時間。参考までにアップルのアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods 4はANCオンで最大4時間の再生に対応します。
Pixelシリーズのイヤホンで最も洗練された音
Pixel Buds Pro 2の音質をチェックしました。筆者がこれまでに聴いてきたPixel Budsシリーズの中で、最も音楽性豊かなサウンドになっています。音像定位が力強く、立体的な演奏空間が浮かび上がります。特に中音域の彫りが深くなり、低音域の弾力感がアップしています。聴き比べると前世代のPixel Buds Proの音はやや線が細く、音場描写も平板に感じられました。
Pixel Buds Pro 2の本体設定の少し奥まった所(「音」→「イコライザイー」→設定アイコンをタップ)には、5つの音域から自由に好みのサウンドを設定できる「カスタムイコライザー」もあります。値を設定して繰り返し使える機能です。
音楽だけでなくNetflixやYouTube、Disney+など動画配信サービスの一部対応コンテンツを楽しむ際には、空間オーディオやヘッドトラッキングの機能も併用できます。
スマホのGeminiをイヤホンから操作する
Pixel Buds Pro 2には、ペアリングしたAndroid端末の側で設定したデジタルアシスタントを音声やタッチセンサーリモコンから呼び出してコントロールできる機能があります。
Pixel 9のデジタルアシスタントをGeminiに設定すると、スマホの電源ボタンなどによる操作を介することなく、Pixel Buds Pro 2から声でGeminiを起動できます。ウェイクワードは「OK Google」。音声操作に対する反応はとてもよいと思います。現状対応する言語が英語のみですが、Gemini Liveによるチャットもテンポ良くやり取りできました。
Pixel Buds Pro 2が内蔵するマイクの感度が高いので、比較的小さい声でも正しく音声コマンドを受け付けてくれます。音声で「ふつうに」Geminiが操作できる感覚が心地よいです。音声操作が気兼ねなくできる場所であれば積極的に使えるでしょう。筆者自身としては正直、今すぐGeminiの音声操作をガンガン使う機会はなさそうですが、今後新しいイヤホンを買うならば「Gemini対応」のものを選ぶと思います。
良い評価が得られそうなフラグシップ
Pixel Buds Pro 2は「デバイスを探す」機能からイヤホン本体だけでなく、ケースも探せるようになりました。ケースに内蔵する小型スピーカーから鳴るビープ音を頼りに探せます。
ハンズフリー通話時には「クリア音声通話」をオンにすると、騒々しい場所の環境ノイズを消しながら、ユーザーの声だけをピックアップして通話の相手に届けることができます。
Pixel Buds Pro 2はシリーズの新しいフラグシップとして良い評価を獲得できると思います。グーグルには今後、スポーツシーンにより適した耳掛けスタイルの開放型モデルや、アクセサリー感覚で身につけられるイヤカフスタイルのモデルなど、ワイヤレスイヤホンのラインナップ拡大にもチャレンジしてほしいです。
筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
この記事に関連するニュース
-
USBドングルで超低遅延! ANCにも対応したTWSイヤフォン「HyperX Cloud MIX Buds 2」を試す
ITmedia PC USER / 2024年11月18日 12時2分
-
水も埃も何も気にしなくてOK! タフネスに特化したJBLの最強新作ワイヤレスイヤホン
&GP / 2024年11月5日 22時0分
-
デザイン・機能、ともに妥協なし。スカルキャンディの新型アクティブイヤホン3種が超使える!
&GP / 2024年11月5日 18時0分
-
「AirPods 4」をProユーザーが使ってみた 遜色ない音質とノイキャン性能、1日中付けっぱなしできる快適さに驚いた
ITmedia PC USER / 2024年10月31日 16時0分
-
最大45dB低減のANCとハイレゾワイヤレス対応の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air 2 NC」発売
PR TIMES / 2024年10月31日 9時0分
ランキング
-
1NHKのネット受信契約(案)が“ダークパターン”過ぎて見過ごせない件(前編) NHKの見解は?
ITmedia NEWS / 2024年11月28日 19時9分
-
2どうする? 大学生用パソコンの選び方 「4年通しよりも2年で買い替え」がオススメな理由
ITmedia NEWS / 2024年11月28日 13時26分
-
3「ミリ波対応スマホ」の値引き規制緩和で感じた疑問 スマホ購入の決め手にはならず?
ITmedia Mobile / 2024年11月28日 18時13分
-
4松屋が“店内持ち込み”で公式見解→解釈めぐり賛否 「何と言うサービス精神」「バレなきゃいいのか……?」
ねとらぼ / 2024年11月28日 20時2分
-
5ローン・クレカ審査可否の背景が分かる 信用スコア開示サービスがきょうスタート
ITmedia NEWS / 2024年11月28日 13時59分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください