レノボの「CoreUltra2」搭載15型AIノートPC「Yoga Slim 7i」実機レビュー=26時間バッテリーで動きました!!
ASCII.jp / 2024年10月15日 9時0分
Lenovoはインテルの新AI CPU「CoreUltraシリーズ2」LunarLakeを採用した「Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9」を、日本でも発売した。
9月6日、世界向けに「CoreUltra2」搭載PCとして、「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」とともに発表した機種で、日本では「Yoga Slim 7i」のみ発売となった。
15.3インチ2.8K液晶に 「CoreUltra 7 258V」搭載 BTOではストレージだけ選択可能
「Yoga Slim 7i」のCPUは「CoreUltra 7 258V」で、8コア8スレッド、最高4.8GHz、ベースパワー17Wでターボパワーは37Wである。メインメモリーはCPU内蔵で32 GB LPDDR5X-8533MHz、ストレージは512GBまたは1TBを選べる(9900円の差)。直販価格は1TBで25万2560円だ。
ディスプレーは 15.3インチの2.8K IPS液晶で、2880×1800ドット、120Hz、500nit、100%sRGB、100%P3、TÜV Low Blue Light、Eyesafe認証で、タッチ対応だ。
インターフェースはThunderbolt4 (Powerdelivery対応、DisplayPort出力機能付き)×2に、USB3.2Gen1のType-A、HDMI出力、オーディオコンボジャックを搭載。無線はWi-Fi7とBluetooth5.4。
キーボードは84キーでCopilotキー搭載、JIS配列、バックライト付き、マルチタッチパッド、パワーボタンだ。
オーディオはインテル ハイデフィニション・オーディオ (ドルビーアトモス)で、ステレオスピーカー(2W×2ツイーター、2W×2ウーファー)搭載。WEBカメラはFHD1080p、IRカメラ、電子式プライバシーシャッター付きを搭載する。
バッテリーは70Wh内蔵で、JEITA2では22.4時間、JEITA3では22.3時間(アイドル)、13.7時間(動画再生)。ACアダプターは65W出力で充電時間は2時間だ。サイズは343.8×235.4×13.9mm(最薄部)で、重さは1530gとなる。
Aura Editionには、ユーザーの操作に合わせてパフォーマンスやAI機能を最適化する「スマートモード」、AIによりデバイス間でのシームレスな画像共有を可能にする「スマートシェア」、オンラインサポートの「スマートケア」などが搭載されている。
「スマートモード」では、プライバシー警告をしてくれる「シールド」、一定時間作業に集中するための「アテンション」、健康を気遣ってくれる「ウェルネス」などが、ボタン一つで選べるのが便利だ。「Lenovo Vantage」で設定して、F9キーで切り替えることもできる。
ディスプレーは液晶だが鮮明で明るい キートップの感触も高級感アリ
ディスプレーは最高輝度500ニトだけあって、非常に明るく鮮やかだ。2.8K解像度なので、通常は200%表示でちょうどいい。WEBカメラが上に飛び出したデザインだが、とくに気にはならないし、ディスプレーの上枠が狭額縁になっていてきもちいい。ディスプレーを開けるときにも指の掛かりになる。15.3インチ画面は横329mmで縦206mmあるので、14インチの画面の120%の面積があり、映画を見るのもよさそうだ。
WEBカメラのシャッターは電磁式で、ボディー右にスイッチがある。スイッチは赤い印があるので、シャッターの状態はわかりやすい。
キーボードは日本語配列だが、英語配列をモディファイしたデザインで右側のBSやEnter、Shift、手前のスペースバーの左右の変換、無変換は隣接と接近している。15型サイズなので、できれば日本語専用デザインでキー配置してほしいところだ。
キーストロークは1.5mmで、キートップは耐水耐油コーティングでサラサラしている。とにかく、15インチ超えで、テンキーレスのキーボードはGOOD。キーボードの両サイドにスピーカーが組み込まれていて、サウンドがきちんと前に出てくる。タッチパッドも135×80mmと広大でクリック音はするが、上品で使いやすい。
インターフェースは、Type-Aが右奥だけで、Type-Cは左右にある。できれば、左にもType-Aがあると便利だ。電源ボタンが右側にあるのは、最近では珍しい。持ち上げるときに間違って押す可能性があるので、これは、今どきの流れとして、キーボード面に設置して、指紋センサーを内蔵して欲しいところだ。
ベンチマークテストでは、「Lenovo Vantage」で「パフォーマンス」にして速度を計ったが、重い3D系ベンチでは、ファンは回るが、かなり静かなマシンである。通常の作業では、ファンの回る音はまったくしない。
Lenovoによると、スマートエンジニアリングと高度な内部エアフロー熱設計、マグネシウム合金フレーム、極薄3mm回路基板で、スリムな筐体ながら、より高速なパフォーマンスを実現しているという。
最先端CPU「CoreUltra 7 258V」の速度チェック CPUはコア数なりだがGPUは爆速 バッテリーはなんと「26時間駆動」だ
おなじみのベンチマークテストを実施した。速度設定は「Lenovo Vantage」で「パフォーマンス」で測っている。どれくらいまでCPUが回っているか計測したところ、CINEBENCHでコアクロック4.8GHz、最高消費電力は39Wまで達した。必要ならMAXまで回るマシンである。
CPUの速度をみるCINEBENCHでは、2024でシングルコアが120、マルチコアが624、R23では1782と10538となった。MeteorLakeの「CoreUltra 7 155H」を搭載したモバイルノートAcer Swift Goと比べて、シングルではほぼ同等だが、マルチでは70%前後の速度だ。
「CoreUltra 7 155H」は16コア22スレッド、Yoga Slimの「CoreUltra 7 258V」は8コア8スレッドなので、半分の速度でもおかしくないのだが、7割まで出ているのは非常に善戦している。
GPUは、3DMarkでは「CoreUltra 7 258V」は「CoreUltra 7 155H」と同じか120%の速度を記録。また、FF系では118~135%の値を出した。MeteorLakeの内蔵GPUである「Intel Arc Graphics」より、LunarLakeの「Intel Arc Graphics 140V」は2割以上高速化していることになる。
NPUの威力はUL Procyonの「AI Computer Vision Benchmark」で測ってみた。Windows ML(Float16)では、CPUで33、GPUで399で、「CoreUltra 7 258V」は「CoreUltra 7 155H」に対して、CPUは92%だが、GPUは149%という高速ぶりを示した。
さらに、Intel OpenVINO(Float16)では、CPUは「CoreUltra 7 155H」の87%だったが、GPUでは176%、NPUでは364%と圧倒的な強さだ。
ストレージ速度では、「Yoga Slim 7i」はSSDにPCIe4x4のサムスン製品を搭載している。DiskMarkの結果はシーケンシャルマルチリードで6182MB/s、ライトで4718MB/sという高さで、きちんと速度が出ている。
バッテリーベンチマークは、「PC Mark10」の「ModernOffice」で計測した。「Lenovo Vantage」で「適応パワー・モード」で、ディスプレー輝度100%では6時間24分持った。「Yoga Slim 7i」のディスプレーはかなり明るいので、一番シビアな条件だ。
そこで、「バッテリー節約」モードで輝度40%で実施したところ、1日を超えて26時間駆動した。同じく「CoreUltra 7 258V」を搭載する「ASUSZenbook S14」でも20時間動作したので、特にバッテリー搭載量が少ないマシンでなければ、CoreUltra2は1日バッテリーが持つマシンだ。
「Yoga Slim 7i」は15インチ超えで仕事捗る 将来も安心のCopilot+PCなのだ
「Yoga Slim 7i」は、インテルの最新AI CPUを搭載し、ディスプレーは15.3インチの2.8K IPS液晶で2880×1800ドット。モバイルするには1530gは重いが、いまどき、16型モバイルも各社から出始めている。
なにしろ、画面が大きいほうが、マルチウィンドウで仕事はしやすいし、写真や動画はもちろん編集しやすい。Adobe Creative Cloudスイートの全機能を使用できる2カ月間の無料メンバーシップも付いてくる。
バッテリーは70Wh搭載で、最高輝度で6時間、40%で22時間もつのは、LunarLakeのありがたさである。今後、エッジAIを利用するアプリは確実に増えていくので、今、不安なく買っていいノートPCだ。
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