最新のiPhone 16が1年間はたった月3円!? まだある、安くiPhoneを使う方法
ASCII.jp / 2024年10月14日 12時0分
2023年の年末にスマホ値引きのルールが変わり、2年間タダみたいな金額で高性能スマートフォンを使うという販売方法が各社やりにくくなってしまった。
ところが、今でもショップの店頭に行くと「iPhone 16が月3円」という表示を見る。これは一体どういう仕組みなのだろうか。
iPhone 16が月3円は条件がいろいろあって実はそこまで安くない
2023年末のルール変更前は、月1円の支払いを24ヵ月、その後は残額を24回分割で支払うという分割払いの販売方法が多く見られた。24ヵ月時にスマートフォンを返却すると残債は免除されるので、2年間は実質タダでスマートフォンが使えるというわけだ。
この方法では、2年使ったスマートフォンを中古品の買取相場よりも高額で買い取ることになり、その分は「実態は値引きである」ということで総務省による規制が加わった。そのため免除する残債の額は中古買取相場に合わせることが必要となり、2年間ほぼタダで使うという販売方法はできなくなった。
そこでキャリア側も一捻り。免除する残債とスマートフォンの買取相場に金額差がないなら問題もないはずということで、値引き上限も税抜4万円と多くなった部分も加えて、今度は中古買取相場があまり落ちない1年で返却することで、冒頭の月3円という販売方法が考案されたわけだ。
この方法を採用しているのが、ソフトバンクの「新トクするサポート」。iPhone 16 128GBの場合で、12ヵ月間とやや短めだが、その期間は月3円の支払いで最新iPhoneを使える。
では、1年後に返却すれば、36円の支払いだけで済むのかと言えば、別の負担もあるので注意が必要。
13ヵ月目に端末を返却して、それ以降の割賦を免除してもらうには「早トクオプション利用料」として、iPhone 16の場合は1万9800円が必要となる(25ヵ月目以降の返却時は「早トクオプション利用料」は不要)。
さらに13ヵ月目で返却するには、保証サービスの「あんしん保証パックサービス」の加入が必須となっており、それが13ヵ月分必要なので、これがiPhone 16だと月1450円×13回が加わる計算だ。
つまり、3円×12回+1万9800円+1450円×13回が実際の負担額で、結局3万8686円と4万円近い額がかかってしまう。もちろん、これとは別に回線の契約事務手数料や月々の通信料金の支払いもある。
「あんしん保証パックサービス」は、故障や紛失、盗難時に代金を補償してくれるなどのメリットがあるサービスで、普通に加入するという人も多いだろう。なので、この部分を含めないと1万9836円。そこで、販売店などでは支払総額として少し小さくこの金額が書いてある。
なお、2年使って端末を返却する場合は「早トクオプション利用料」と「あんしん保証パックサービス」は必要ない。最初の1年は月3円×12回で、それ以降は完済の48回目までは月4039円なので、2年の場合は3円×12回+4039円×12回で4万8468円。保証サービスが必要ないならば、実は2年使った方が割安感がある。
ドコモやauは月3円ではないが、1年での返却も可能だ
ドコモやauは、店頭では2年間利用した場合の支払額の表示がメインだが、ドコモの場合は1年で返却して残債を免除してもらうことも可能だ。
ドコモの「いつでもカエドキプログラム」は基本的には2年後の返却で残債が免除となるが、追加で1万2100円を払う「いつでもカエドキプログラム+」を利用すれば、1年後での返却でも13ヵ月目以降の残債を支払わずに済む。ただし、こちらも保証サービスである「smartあんしん補償」に継続して加入していることが必要となる。
このように仕組み的にはドコモとソフトバンクは基本同じだが、ドコモでは1年目だけ極端に安い支払いになるような販売は見られない。
ドコモでは、月2000円程度の分割払いと店頭POPでも掲示されており、1年間使って返却した場合はドコモのほうが高くなる。ただし、2年の場合はドコモとソフトバンクの総支払額がほぼ同等になるような設定になっている。
au「スマホトクするプログラム」は1年後の返却で、13~24ヵ月目の残債を免除することはできない(13~24ヵ月目に返却した場合は25ヵ月目以降の残債のみが免除なので支払額に違いが生じない)。ただし、保証サービス「故障紛失サポート」(iPhone 16は月1580円)を継続して入る必要はなくなる。なお、auの最初の24ヵ月の支払額は月2000円を少し超える程度だ。
その結果、iPhone 16 128GBを2年使って返却した場合の負担額は、保証サービス別で3キャリアともに5万円前後。金額は大体同じだが、細かな金額や条件は販売店によって異なるので実際にお店で確認してほしい。
スマホ返却で実質負担額を下げるサービスは 内容をよく理解した上で利用を
冒頭で紹介したように、ソフトバンクがうたう「iPhone 16が月3円」は、実際には1年間36円で使えるわけではないが、こうした販売プログラム自体はうまく使えばオトクになる。
もちろんApple Storeなどで単体購入して、2年間しっかり使って、買取専門店に売却したほうがお得な場合もあるだろう。しかし、それとは比較しても2年返却プログラムが有利な場合もある。
というのもそうした専門店は、返却時の査定が厳しい。肉眼では見えにくい傷まで確認するので、メイン機としてしっかり使った場合には満額査定にはなりにくい。ところが、キャリアへの返却ならば、明らかな破損や故障はともかく、カバーやフィルムで保護している分には、機能不良でもなければまず減額されない。
そのかわり、事前に返却方法や条件をしっかり確認しておき、返却予定日をスケジュールアプリで設定しておくことなど、最初から準備をしておいたほうがいいだろう。また、販売プログラムの名称や条件は後から変わるので、自分が契約したときの条件や注意事項はいつでも確認できるようにしておきたい。
特に購入時の回線を解約した場合、返却に必要な各キャリアのアカウントにログインしにくくなる場合がある。MNPで電話番号自体を維持していれば大丈夫なことが多いが、解約時にアカウントのIDを変更され、最初のメモが役立たなくなることもある。
とにかく、総支払額などをよく確認を
これらのプログラムは一般のユーザーにはかなり複雑だ。販売店でも、条件を完璧に覚えていない店員が中にはいる。また、販売店のPOPは、有利なことしか大きく書いていないので、自分の使い方に当てはめて、どのようなときにどうなるかをしっかり確認しておく必要があるだろう。
細かな条件は店によって異なる場合もある。iPhone 16が月3円なのはソフトバンクが自社オンラインショップで実施しているので、店頭も同条件なことが多いが、ドコモやauではショップによって違うこともある。
いずれの場合でも、総支払額や注意事項などをしっかりと確認し、オトクにiPhone 16、また同様な売り方をされているPixel 9を入手してほしい。
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