フルHD以上を狙えて30万円以下、Ryzen 7とRTX 4070 SUPERのゲーミングPCで来たるAAAタイトルに備えよう!
ASCII.jp / 2024年10月23日 11時0分
先日、ゲーマーにとっての一大イベントとなる「東京ゲームショウ2024」が9月26日から29日までの4日間にわたり開催された。例年、東京ゲームショウではゲーミングパソコンにも熱い視線が集まり、注目が高まる時期ともいえる。
今年は同時期にカプコンの人気タイトル最新作「モンスターハンターワイルズ」のSTEAM版動作環境が公開され、またそれがそこそこの高スペックを要求するものだったことから、とくにミドルレンジ以上の高スペックゲーミングパソコンへ強い関心が集まっているように感じられた。
パソコンでのゲームプレイはスペックに応じてさまざまな楽しみ方がある懐の深さが魅力だが、AAAタイトルを高画質設定でプレイしたり、将来に発売されるタイトルに備えて万全の体制を整えるのであれば、やはりアッパーミドル以上のゲーミングパソコンがほしくなるところ。
そんな要望にピッタリなスペックのゲーミングパソコンが、サードウェーブが販売する「GALLERIA XA7R-R47S 9700X搭載」(以下、XA7R-R47S)だ。XA7R-R47SはCPUに「Ryzen 7 9700X」、GPUに「GeForce RTX 4070 SUPER」を搭載したアッパーミドル構成のゲーミングパソコン。主なターゲットはWQHDゲーミングで、多くのゲームタイトルにおいて高画質快適プレイを期待できるはずだ。
システムメモリーやストレージに関しても、DDR5 32GBに1TB M.2 NVMe SSDと、必要十分な容量を標準搭載しているのがうれしい。これで基本構成価格29万4980円と30万円を切っているのも注目ポイントだろう。
今回、このXA7R-R47Sをお借りする機会が得られたので、2回のレポートで様々な確認を進めていきたいと思う。この前編では外観や構成パーツのチェック、軽いベンチマークによるパフォーマンスの片鱗を見ていくことにしよう。
お馴染みのPCケースはコンソールパネルの使い勝手が◎
まず特徴的なXA7R-R47Sの外観をチェックしよう。GALLERIAのゲーミングデスクトップパソコン、オリジナルデザインのPCケースを使用しており、XA7R-R47Sはミドルタワー型の「ガレリア専用 SKケース (ATX) スタンダード Ver.2」が用いられる。
GALLERIAのゲーミングパソコンの“顔”として広く知られているPCケースといえるだろう。昨年末にVer.2へと改修され、吸気口の拡大や高速ファン搭載で冷却性能がアップしている。 筐体サイズはおよそ幅220×奥行440×高さ480mm。奥行が小さめなので机の上にも置きやすい。
フロントパネルは、マットブラック仕上げのフラットデザインで、フロントパネルを逆Uの字にぐるっと囲んだRGB LEDライトバーが特徴的だ。RGB LEDライトバーは、UEFI BIOS上か専用の制御アプリ「ASRock Polychrome RGB」で色や光り方を制御できる。
またフロントには5.25インチ外部ベイが1基備わっておりBDドライブなどを内蔵可能。最近は外部ベイがオミットされているパソコンばかりなので、必要な人にはうれしい装備だ。
フロント上部に斜めに配置された「ななめ45度コンソールパネル」も本PCケースの特徴。床置きでも机置きでも、どちらでもアクセスしやすく使い勝手がとてもいいコンソールパネルだ。コンソールパネルには電源ボタン、リセットボタン、ストレージアクセスLED、USB 3.2 Gen1 Type-A×4、オーディオアウト、オーディオインが並ぶ。
背面インターフェースは一般的な構成で、I/Oパネル部にはUSB 3.2 Gen1 Type-A×5、USB 2.0 Type-A×4、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、1000BASE-T LANポート×1、HD Audioコネクタが備わる。USBポート数が少し多めなのがうれしいポイントだ。
ビデオカード側の映像出力もHDMI×1、DisplayPort×3のオーソドックスな構成となっている。
シンプルな構成でケース内空間には大きな余裕
次に、PC内部の構成について見ていこう。PCケース内部へは透明アクリル窓のあるサイドパネルを外してアクセスする。内部は筐体下部に電源シュラウドを備える一般的なPCケース構造だ。
XA7R-R47Sの内部で目立つパーツはCPUクーラーとビデオカード。CPUクーラーはサイドフロー型空冷CPUクーラーなので水冷のようなチューブやラジエーターはなく、ビデオカードも2スロット占有タイプで比較的コンパクトなため、ケース内空間には大きな余裕がある。各種ケーブルも裏配線で極力隠蔽されているのでケース内エアフローはとてもよさそうに見えた。
ケースファンは、フロント吸気に140mm×1、リア・トップ排気に140mm×2を備える。大型ケースファンで大きなエアフローを生み出している格好だ。
内部ストレージベイにも触れておこう。PCケース内には電源シュラウド上面に2.5インチ/3.5インチ兼用マウンター×2基、マザーボード裏面側に2.5インチマウンター×2基を備える。またXA7R-R47Sの場合、マザーボード上のM.2スロットにも空きが2基残っているので、ストレージ増設に関して不満を感じることはほぼないだろう。
最新世代CPUと組み合わせたアッパーミドル構成に注目
XA7R-R47Sが搭載するRyzen 7 9700Xは、2024年8月に登場したAMD CPUの最新世代「Ryzen 9000シリーズ」の1つで、コア構成8コア/16スレッド、最大ブーストクロック5.5GHzで動作する、アッパーミドルからハイエンド向けのCPUだ。Zen5アーキテクチャ採用で消費電力や発熱を抑えつつ性能向上を図っているのが特徴で、TDP 65W・PPT 88Wと昨今のCPUとしてはパワーリミットが低く設定されている。
この低消費電力・低発熱のおかげで、XA7R-R47Sのような空冷CPUクーラー運用でも冷却能力に問題はなく、ひいてはパソコンの価格を抑えることにも一役買っていることが伺える。
なお、Ryzen 9000シリーズの対応ソケットはSocket AM5でメモリーはDDR5専用。XA7R-R47SではAMD B650チップセットマザーボードを用いており、システムメモリーは32GB(DDR5-4800 16GB×2)を標準搭載する。ゲーミング用途としては十分なメモリー容量で、増設を考慮することは当面ないはずだ。
次に、ゲーミングパソコンの心臓部とも呼べるGPUのRTX 4070 SUPERについても解説しておこう。RTX 4070 SUPERは「GeForce RTX 4070」の強化モデルとして2024年1月に登場。RTX 40シリーズのアッパーミドル向けに位置するGPUだ。ビデオメモリー容量はRTX 4070の12GBから変更されていないが、CUDAコア数が5888基→7168基に強化され、約15~20%ほどの性能アップを果たしている。
RTX 4070 SUPERのメインターゲットはRTX 4070と同じくWQHDゲーミングで、WQHDでの高画質または高フレームレートゲーミングを楽しみたいユーザーに適したGPUだ。
またフルHD環境の場合でも、これから登場するであろう高負荷ゲームタイトルに対して余裕ある動作が期待できるRTX 4070 SUPERは、将来に向けたマージン多めの選択肢として魅力的なGPUと言えるだろう。
なお、ゲーミングパソコンではCPUとGPUのバランスも大事だが、その面でもこの組み合わせは申し分ないと考える。AMD最新CPUであるRyzen 7 9700Xのゲーミング性能は、AMD「X3Dシリーズ」のようなゲーミング特化モデルには一歩譲るものの、現時点でのハイエンド帯に位置することは間違いない。このCPUであればアッパーミドル向けのRTX 4070 SUPERのパフォーマンスを十分に活かしきれるはずだ。
軽量級用途であれば4Kも十分射程に捉えるパフォーマンスを確認
ここでは基礎的なベンチマークや軽量級ゲームタイトルを用いて、XA7R-R47Sのパフォーマンスを見ていくことにしよう。まずは基礎ベンチマークとして「3DMark」(Ver.2.29.8294)を実施。結果は次のとおりだ。
まず、メインターゲットとなるWQHD(2560×1440ドット)ベンチの「Time Spy」は、高スコアーを記しており、ベンチマーク中の平均フレームレートも約120fps以上を記録していた。ただ一方で同じWQHDベンチでもレイトレーシングなど最新グラフィックスをふんだんに使った「Speed Way」はスコアー6000(平均60fps)に一歩及ばず。
最新の重量級タイトルの場合はWQHDでも設定を落としたりDLSSを駆使する必要もあることが伺える。ただそのような重量級タイトルはアップスケーラーの使用が前提という傾向もあるので、大きな問題ではないだろう。
そのほかで驚いたのが、フルHD(1920×1080ドット)ベンチの「Fire Strike」が42860とかなり高スコアーを叩き出している点だ。手持ちのデータと比較すると、「Core i7-14700F」と「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」の組み合わせでスコアー約43000強というものがあり、比較すると上位GPUに肉薄したスコアーということがわかる。
低解像度のベンチマークはCPU性能が大きく影響する傾向にはあるので、Ryzen 7 9700Xのパフォーマンスが垣間見れた部分ではないだろうか。
また、Time Spyで行なわれるCPUテスト中のCPU温度を見てみたところ、最大でも約74.8度に収まっており、空冷CPUクーラーでも十分冷却できていることを確認できた(室温約27度)。
次は、主に軽量級のゲームタイトルを用いてXA7R-R47Sの軽負荷ゲーミングパフォーマンスを計測する。今回使用するのは「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」と「Apex Legends」。いずれも軽~中量級に位置する定番ゲームベンチマークと定番FPSタイトルだ。
それぞれグラフィックスオプションはゲーム内の最高設定を選択するようにして、解像度は1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440ドット(WQHD)、3840×2160ドット(4K)の3パターンを計測している。
まずはファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークの結果から。画質設定はプリセットに「最高品質」を選択し、FSRやDLSSのアップスケール機能はすべて無効としている。
フルHD、WQHDともに最高評価である“非常に快適”の評価が取れるスコアー15000を大きくクリアーした。平均フレームレートも高く、WQHDで144Hzのゲーミングディスプレーとの組み合わせがピッタリのパフォーマンスだ。4Kになるとスコアーは大きく下がってしまうものの“快適”の評価の範囲には留まっている。
平均フレームレートも60fps以上を記録しているので、4Kでプレイできるパフォーマンスは十分にありそうだ。DLSSを駆使することでさらに快適な動作も期待できる。
2本目はApex Legends。グラフィックス設定でアンチエイリアスを「TSAA」とし、すべてのオプションを最高の状態とした「最高設定」を用意した。射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」の「スモークランチャー」を射出して煙がなくなるまで待機。という一連の動きに対してのフレームレートを計測している。
なおフレームレートの計測には「CapFrameX」というアプリを使用。平均フレームレートに加えて、データ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」とし、これを最小フレームレートの代わりに記載している。
フルHDとWQHDでは200fpsを超える平均フレームレートを記録。min(1%)も高い値をキープできているので、リフレッシュレート240Hz以上のWQHDゲーミングディスプレーとの組み合わせがよさそうだ。
また4Kでも平均150fps以上、min(1%)も120fps以上を記録しているので、4Kゲーミングディスプレーとの組み合わせにも十分耐えられるパフォーマンスが確認できた。
最新世代CPUとの組み合わせは魅力的。後編はよりヘビーな計測を予定
今回はXA7R-R47Sの外観や構成パーツの紹介を中心に、軽いベンチマークでパフォーマンスの片鱗を確認することができた。低発熱の最新世代CPUとアッパーミドル向けGPUの組み合わせにより、バランスに優れたゲーミングパソコンに仕上がっていると感じた次第である。
後編では重量級ゲームタイトルを用いた計測や、クリエイティブ用途、AI用途といったヘビー用途を想定したベンチマークを実施し、本格的なパフォーマンスを確認していきたいと思う。
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