iPhone 16発売直後の深セン、中国でも中古買い取りショップと転売が盛況
ASCII.jp / 2024年10月23日 12時0分
iPhone 16も発売から1ヵ月以上が過ぎ、Apple Storeの混乱も見られなくなってきました。発売日からしばらくは各国のストアでも多くの購入者が殺到していましたが、中国でもその様子は同様でした。
各都市の店舗は平日の昼間でも足の踏み場もないほど混雑しており、iPhone 16を受け取りに来た人、購入せずとも新製品を見に来た人たちでごった返していました。筆者も発売翌日に深センのApple Storeを訪問しましたが、人の数に圧倒されてしまったほどです。
Apple Storeはたいていショッピングモールに入っていますが、ストアを後にしてモール内を歩いていたところ、別のお店に多くの人が集まっている姿が見られました。スマートフォンの買い取りショップ「愛回収」の店舗です。
中国のスマートフォン買い取りは個人商店でもよく行なわれていますが、「愛回収」は中古ビジネスに特化した企業として、10年以上前から事業をスタート。今ではショッピングモールに出店し、自動買い取りマシンを設置するなど、積極的に中古端末の回収をしています。
なお、回収された端末は整備され中古品として再販されます。買い取り査定は人間ではなく機械がするため明瞭であり、iPhone 16をApple Storeで購入後、愛回収の店に来てiPhone 15や14など、今まで使っていた端末を下取りに出しているわけです。
愛回収はスマートフォン以外にPCなども含めたIT製品全般の買い取り・販売をしていますが、1年の中で一番盛り上がるのはやはり新型iPhoneの発売直後ですね。毎年9月後半から10月にかけて、愛回収の店舗はいつも混み合っています。
中国のスマートフォン市場規模は世界一ですから、きちんとした中古品の流通システムができ上がるのも当然の成り行きだったのでしょう。
さて、愛回収のような新たなビジネスが表の顔だとすると、裏の顔も中国には存在します。Apple Storeのあるショッピングモールの店から少し離れた場所には、床にそのまま白い箱を並べている人が数名座っていました。白い箱の正体はiPhone 16。Apple Storeで購入したものを、その場で買い取る業者が店のすぐそばにいるのです。
中国のApple Storeも販売は予約制なので、当日店におしかけて行列に割り込むといった混乱はみられません。一方でiPhoneを転売目的で注文し、購入してすぐその場で販売する人もいるのが現実です。中古店まで足を運ばなくとも、その場で買い取ってもらえるとは便利と言えば便利なのでしょう。
これは最近の話ではなく、10年以上前から同様の光景が続いており、アップルとしてもその存在をなくしたいところでしょう。しかし、人気の商品だけに絶滅させることは難しそうです。
筆者紹介───山根康宏
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。
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