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「いつもあなたのことを思ってる!」をポケットに入れられる! 「ポケットハグ」を衝動買い

ASCII.jp / 2024年10月26日 12時0分

米国での「ハグ」は物理的に抱きしめることだけではない? メッセージとしての「ハグ」を伝える「ポケットハグ」

 米国をはじめ、海外の一部の国ではメールやチャット、SNSメッセージの最後に「Sending Hugs」(ハグを送る)というメッセージを書く人がいる。感覚的には女性のメッセージに多い気もするが、ネイティブではないので間違っているかもしれない。

ポケットハグ
キーホルダーのようなアクセサリーで、贈る相手にメッセージを伝えられる「ポケットハグ」。「ブラのような良い友だち」とは一瞬何の意味かと悩んでしまう

 一時、日本国内でも「Free Hugs」が流行って話題になったことがあるが、その手の習慣や歴史の少ない日本では、そもそも「Hugs」がなかなか難解だ。「Sending Hugs」を「ハグを送る」と翻訳するのは、あまりに情緒のない直訳だが、相手を励ましたり、「どうしてる?」と思いやる気持ちをダイレクトに文字で伝えることはなかなか素晴らしい。

 そんな「Hugs」(抱きしめる)を詰め込んだポケットハグを送られた人は、台紙に貼りつけられたトークンを引きはがしポケットやかばんに入れて、友達や家族、恋人から思われていたり愛されていることをときどき思い出してモチベーションを高めることができる。

 そんな日本ではまだポピュラーではない「ポケットハグ」をtemuで20個ほど衝動買いしてしまった。

ポケットハグ
安いのでまとめて購入してしまった

お守りや根付の文化がある日本だが 実はポケットハグに近いものはないようだ

 ポケットハグと似たモノは、日本にもありそうで実は意外とピンとこない。日本では、自分で買うだけではなく人にプレゼントするポピュラーなモノに「お守り」がある。これは神仏の加護や災難除けを願って身に着ける縁起物で、社寺などで販売されている短いひもの付いた小さな袋が一般的だ。

ポケットハグ
日本のお守りにもキャラクターものも存在する

 また同じように短いひもが付いていて、財布などの貴重品に取りつけて、ポケットの無い着物生活などで大事なモノを紛失しないようにする「根付」(ねつけ)もある。根付の中には交通安全祈願や航空安全祈願、長寿だけに目的を絞ったお守りとの兼用ということもある。

ポケットハグ
お守りをもう少し小さくした根付

 日本に限らず海外でも同じかもしれないが、もう1つは効果として「金運」をプラスしたお守りだ。明確に効果を記した小さな取説が同梱されているモノもある。根付風のデザインをのぞけば、多いのは金亀や銭亀と呼ばれる亀型のトークンを財布の中に入れて持ち歩くタイプだ。筆者が気に入って財布に入れているのは小さなガラス細工のだるまだ。どれも信ずる者は救われる系の神社仏閣や観光地でのお土産の定番商品でもある。

ポケットハグ
金運、開運ものも定番だ

 ここまで紹介したように、日本では小さなお守りや根付風のチャームといった財布やポケットに入れて持ち出すモノやかばんなどに取りつけるアイテムはかなり多い。一方、アクセサリーとして身に着けるアイテムでは、着ける左右の腕によって意味の変わるブレスレットや、古代から魔除けとして使われていたアンクレットのように腕や足首に巻きつけるアクセサリーもある。

 オシャレの延長としてブレスレットやアンクレットにチャームと呼ばれる魔除けや幸運を呼ぶモノをつける人も多い。いずれもアクセサリー兼お守り系だ。チャームは超高級なモノから運が良ければガチャでも簡単に入手可能なジョークモノまでその価格やサイズは多様。コロナ禍の頃はマスクにオシャレなチャームをつけあ女性をよく見かけた。

ポケットハグ
魔除けものが付いたアクセサリーもよくある

 ガチャやお土産物店、ライフスタイルショップなどでも入手できる少し大型のチャームの多くは、超個性的でコレクションアイテムであり希少なモノであれば自慢アイテムであると同時にフリマで買ったときの値段以上に売れるラッキーアイテムだ。多くの人はキーホルダーに追加のアイテムとしてつけたり、かばんの持ち手などに取りつけるのが多そうだ。

ポケットハグ
ネタに走ったものも含めて、さまざまなアイテムを集めている
ポケットハグ
キーホルダーと組み合わせると楽しくなる

動物やハートなどのそれぞれに 相手に伝えたいメッセージが書かれている

 今回、筆者が大人衝動買いした「ポケットハグ」はいずれも贈られた人がトークンを持ち歩くことで真価を発揮するアイテムだ。ここではポケットハグのイメージを簡単に理解できるものを数個並べてみた。多くは紙の台紙に伝えたいメッセージが書かれており、その気持ちが封じ込められた動物やハートなどのトークンが台紙上に貼りつけられている。

ポケットハグ
台紙にメッセージが書かれているので、アクセサリーを見るたびにそのメッセージを思い出せるというわけだ

 市販の商品では無く、手作りの台紙やトークンの作り方などもネット上には多く紹介されている。ここではまずこれぞ「ポケットハグの代表」みたいなステンレス製のハート型ポケットハグを見てみたい。台紙のメッセージは2つ。「Here’s a gift from me to you To show you that I care」と「A pocket hug filled up with love For when I can't be there」だ。

ポケットハグ
シンプルに親愛の情を伝えるタイプ

 あえて日本語訳は不要だと思うが、Google翻訳では「これは私からあなたへの贈り物です。私があなたを気にかけていることを示すために」となる。そして金属製のトークンの意味は「そこ(貴方のそば)にいられないときのための愛でいっぱいのポケットハグ」だ。贈られる人は友人でも恋人でも親子でもいいだろう。

 ポケットハグの基本は受け取った人に「愛されていること」を思い出させてくれるハグトークンが目に見える。そして受け取った人が「励まし」を感じ、「モチベーションを高める」ことが目的だ。相手が負担に感ずることのない、小さく安価で心のこもったプレゼントと言える。

 実はポケットハグに極めて似た、「いつも思ってる!」気持ちを大切な人に届ける「ネット鳩時計」の記事をこの連載で以前ご紹介した(https://ascii.jp/elem/000/004/090/4090321/)。

 残念ながらこのアイデアを製品化したスタートアップ企業は一旦サービスを終了した。今回、ダメもとで再確認したらなんと今年の4月8日よりサービスを再開したらしい。これはめでたい。日本にもやっと「思いを送る時代」がやって来たのかもしれない。

ポケットハグ
遠くにいる大切な人に気持ちを伝えられる「ネット鳩時計」

ブラの形の意味は「ハートの一番近くにあるもの」だった

 実は今回ポケットハグをご紹介するきっかけになったのは先ほどご紹介したステンレス製ハート型のポケットハグを見つけたからではなかった。実はいつもミーハーでけしからん系の筆者が一目で興味を惹かれたのはカラフルな「ブラの型」をしたトークンを貼りつけたポケットハグだった。

 最初はブラ型トークンの柔らかくカーブしたシェイプとカラーに惹かれただけだったが台紙の一番上に書かれていた「A GOOD FRIEND IS LIKE A BRA」(良い友達はブラみたい……)というタイトルを見て、「なぜ?」という変な疑問が沸き、一気に引き込まれてしまった。

ポケットハグ
最初は意味がわからなかったブラの形状

 そしてその答えは「HARD TO FIND SUPPORTIVE UPLIFTING AND ALWAYS CLOSE TO YOUR HEART」だと言っている。(良い友達はめったにいない 後押しして励ましてくれて いつもハートの一番近くにいてくれる)なんと素晴らしい言い回しだ。「良い友達=ブラ」に結びつけたオツムは最低の底を突き破って頂点に現れたようなセンスに感じる。

 見つけた瞬間に瞬速で気に入ってしまった筆者は後先を考えることなくこの「ブラトークンの付いたポケットハグ」を脊髄反射で全カラーを10数個衝動買いしてしまった。本来的には男友達に贈るモノかもしれないが間違って数名の女性にも贈った。次に会うときが心配になってきた。

ポケットハグ
伝えたいメッセージはわかりやすいものだが、女性にプレゼントするときは注意が必要かも

 日本にはありそうで意外とないポケットハグだが、日本を含めネットショップには多くのポケットハグが売られている。贈ってくれた人の思いを常に感じたいために財布に入れておくのはいいが、うっかり財布からブラトークンが飛び出したところを見られたりすると説明に時間を要するので注意が必要かもしれない。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:「ポケットハグ」 ・購入:temi ・価格:150円~200円(1個)

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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