初心者が自作キーボードイベントに行ってみた話、実は沼への入り口は結構広かった?
ASCII.jp / 2024年11月5日 16時0分
私がかねてから興味を持っていたが、踏み出せなかったジャンルがあります。「自作キーボード」です。理由はただ1つ。“難しそうだから”。そんな中、気になるイベントを見つけました。それは、「天下一キーボードわいわい会 Vol.7」です。自作キーボードのことについて、難しいから自分で始めるのはハードルが高いけど、見に行くだけならまだハードルが下がるかなと思って、取材に行ってきました。
天下一キーボードわいわい会 Vol.7が何かというと、主に自作キーボードが好きな人たちが、自身が制作した自作キーボード関連の作品を展示して交流するイベントです。そのため、自作キーボードに精通した人たちのみイベントかというと、実はちょっと違いました。
そう感じたのは、セッション内容です。セッションを実施するスペースで最初に実施されたのが、「キーボードの世界へようこそ!~無限に広がる楽しい世界への誘い~」でした。キーボードにめちゃくちゃ詳しい人達だけの集いであれば、このようなセッションは釈迦に説法になるでしょう。しかし、私のように初めて自作キーボードの世界に足を踏み入れていこうという人向けのセッションがあるということは、初心者もウェルカムなのかなと感じました。
実は入り口はとても広い、しかし奥も恐ろしく深い
自作キーボードというのは、実は入り口は結構広いということに、今回のイベントで気付かされました。というのも、“お気に入りのキースイッチに替える”というのも、自作キーボードの一部だからです。
私はゲーマーなので、一時期は青軸のようあクリック音がカチカチなるキーボードが好きでしたが、時代が流れていくにつれて、ボイスチャットにクリック音が入らないように、茶軸や銀軸を選択するようになりました。そういったキースイッチを替えるというのも、立派な自作キーボードといえるそうなんです。
ただし、ここから深いのが自作キーボードの世界。軸だけにとどまらず、本体のフレームや形状を始め、基盤、モジュール、キー配列の位置まで自分好みにしていくというのが、自作キーボードの本質となります。
初心者向けのセッションで登壇していたぴろりどんさんによると、打鍵音はキースイッチだけでなく、スイッチプレートやキーキャップの素材、さらにはマウント方式やケースの素材・形状など、細かい部分でも変わってくるそうなんです。ぴろりどんさんは「全然違います!」と力説していましたが、果たして素人にわかるものやら……と思いながら聞いてみましたが、突き詰めていくときっとそうなんでしょう。
なお、イベントのセッションについてはDaihuku KeyboardさんのYouTubeチャンネルでも閲覧できるので、気になる人はチェックしてみてください。自作キーボードって何? って思っている人はぜひ。
使い勝手を極めたい、じゃあ自分でつくっちゃえ!
先述のとおり、自作キーボードのこだわりは多岐にわたります。しかし、すべてこだわるというわけではなく、一部に特化した方もたくさんいらっしゃいました。
まずは形状。今回多く展示してあったのが、セパレートされたタイプのキーボードです。これは、本イベント主催の小池 俊樹(Xアカウント名:ゆかり)氏が代表を務めるmoimateのブースで伺ったのですが、セパレートタイプのキーボードは、人間工学(エルゴノミック)に基づいて、肩への負担を軽減できるとのことです。
通常のキーボードだとどうしても腕が肩より内側に入ってしまいますが、セパレートタイプだと肩から腕がまっすぐ伸ばせることで、人間工学に基づいた姿勢でタイピングができるというのが強みのようです。さらに、ボディーに傾斜が付いており、これも人間工学に基づいて、自然な体勢でタイピングできるように工夫されているとのことです。
ちなみに、キーボードにトラックボールを搭載しているモデルや、キー配列を変えているキーボードも多数ありました。打鍵感も含め、形状や配列も使い勝手に特化したキーボードを手に入れるために、自分でキーボードを作っちゃおうと考える人が結構いるそうです。
キーキャップのデザインも、自作キーボードの1つ!
これまでは使い勝手を向上したいという想いで自作キーボードの道に入った人たちの話でしたが、デザインを凝りたいという人ももちろんいます。キーのデザインがその1つです。初心者でも、キーキャップの色を変えて楽しむというのはあると思います。しかし、イベントに展示されていたキーキャップは、そんな次元ではなかったです。
キャラクターがプリントされているものを始め、立体的なものも少なくないほか、キーボードの本体とデザインを統一しているものもありました。こういったキーキャップ1つ1つを、オリジナリティーのあるデザインにするというのも、自作キーボードの1つです。
基盤から選んでボディーを制作して作るというのが自作キーボードだと思っていましたが、それだけではないということを、今回のイベントで知ることができました。いや、奥が深い。
そのほかにも、エンタメ要素強めな自作キーボードも多数ありましたし、ガジェット好きであれば十分楽しめる展示だったと感じます。ここにたどり着けるかどうかというのは、また別の話ですが。
キーボードメーカーも多数出展 王道から珍しいモデルまで
まだ基盤から選んで作るのは……という人にとってうれしかったのは、キーボードメーカーのブースが多数あったということです。moimateを始め、ダイヤテック、東プレ、FCLコンポーネント、Glorious、Keychron、LEOPOLD、遊舎工房、Lofree、NuPhy、Keyreative、CannonKeys、Basekeys、TaiHao Keycapsのブースがズラリと並んでいました。
東プレのREALFORCEはゲーマーにも人気のブランドなのでしっていましたし、富士通コンポーネントLibertouchは聞いたことはありました。しかし、勉強不足ですがしらないメーカーも複数ありました。そういったさまざまなキーボードメーカーをしることができた貴重な機会になりました。
こんな形状のキーボードがあるんだ! こんなカラーやイラストのキーキャップがあるんだ、キースイッチの数は多いとは知っていたが、改めてじっくり触ってみると、ちょっとの違いに気付くこともあるなと、とてもキーボードの勉強が楽しくできたなと感じました。
自分が行きたいから始めたイベント キーを替えるだけでも自作キーボード
さて、今回主催の小池氏にも少しお話を伺うことができました。
──今回のイベントで7回目の開催とのことですが、最初始めようと思ったきっかけを教えてください。
小池氏:最初は小さな自作キーボードのコミュニティーが東京にあって、羨ましいなと思ったのが発端です。もっと全国の自作キーボードが好きな人が集まれる場所があれば、僕も行きたいなと思っていたんですけど、自分で作ればいいやと思って、このイベントを開催するに至りました。
──7回目とのことですが、かなりの人数が来られていますよね。
小池氏:ありがたいことに第1回から250人の枠が埋まり切りました。今回は300人でしたが、1週間せずに埋まってしまいました。
──私は自作キーボードについてはまったくの初心者なんですけど、このイベントはどう周れば楽しめるでしょうか?
小池氏:それこそ自作キーボードを始めたい方向けのセッションを用意していますので、そちらを見ていただければ、自作キーボードって何? くらいはわかるかなと思っています。また、最初はKeychronというメーカーがありまして、打鍵感にこだわっていい品質のものが安く手に入るので、Keychronをキッカケにキーボードにハマりましたという方は多いですね。その後に、参加者のみなさんが出展されているものも見学していただきたいです。
──どういったところをポイントに見ればいいでしょうか?
小池氏:参加されている方々の中には、見た目にこだわっている方、配列にこだわっている方、うち心地にこだわっている方とそれぞれ特徴が異なります。見た目とかうち心地はこんなに違うんだということを感じながら、周ってほしいです。とりあえず色んなキースイッチに触れていただければ、一般的なメンブレンのキーボードとは全然違うというのがわかってもらえると思います。なので、色んなキーボードに触れて、自分の好みの打ち心地をしっていただきたいです。
──しった後はどうすればいいですか?
小池氏:出展されている方には、どのキースイッチとキーキャップで作ったかというレシピを書いてもらっています。なので、そのとおりに自身のキーボードに取り付ければ、まったく同じ打鍵感のキーボードになるはずです。
──なるほど、それはいいですね。
小池氏:あとは、市販ではないような10万円以上かけたであろうキーボードがゴロゴロありますので、こだわり抜いたキーボードがどんなものかというのを見て楽しんでいただきたいです。
──今後、どのようなイベントにしていきたいですか?
小池氏:これまで自作キーボードを映えるオシャレな場所に展示して、写真をとってほしいという想いがあって、DMMさんにこの会場をお借りしてきました。そのため、300人くらいで予約制がいいかなと思っているのですが、いずれは当日フラっとこれるようなイベントもやってみたいです。とはいえ、会場を大きくしてもオシャレな会場というのにはこだわりたいので、そこをどうするか迷っています。
──ありがとうございました。
今回、天下一キーボードわいわい会 Vol.7に行って、初心者ながら興味がとても湧きました。しかし、自分で基盤やフレームを発注するという方の展示がとても多かったですが、自作キットを購入して作るという方法もあるみたいなので、もし始めるとしたらそこから初めるのがいいかなと感じました。
また、既製品のキースイッチやキャップを交換するというのも、立派な自作キーボードだとしれたのもよかったです。そこから、自作キーボードに興味を持つというのもありではないでしょうか。
初心者でも存分に楽しめた天下一キーボードわいわい会。本イベントはだいたい半年に1回開催してきたとのことなので、ゲーマーでキーボードにもっとこだわりたい人や、仕事で使う唯一無二のキーボードがほしいんだよなという人は、もし今後もイベントが開催されるのであれば、足を運んでみてはいかがでしょうか。
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