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世界遺産をたっぷり見るならズバリ、"円高"の国! 滞在費を安くおさえる、この冬オススメの海外旅行先4選

ASCII.jp / 2024年11月13日 7時30分

 海外旅行のネックとなっているのは相変わらずの「円安」。例えば5年前と比較すると、アメリカ・ドルでは約109円から約154円と、約70%に下落しています。

 現状、円は世界的に全面安なので、どの国に行っても大なり小なり同じ傾向なのですが、なかには円高の国もあります。つまり5年前と比較して円高になっている国に行けば、円安になっている国よりも滞在費を安くできるわけです。

 そこで今回は、5年前と比較して円高の国をこの冬のオススメ渡航先候補としてピックアップしてみました。

●オススメ1_古都で象使いになれるラオス

ルアンパバーンでは象使いの講習を受けられます!

 東南アジアは全般的に円安傾向ですが、そのなかでも東南アジア唯一の内陸国ラオスは、円高傾向の国。現地通貨のキープは、5年前が1キープ/0.012円だったのに対し、現在は1キープ/0.0071円なので、円高率は169%です。

5年前と比較すると、ラオス・キープは約41%の円高に(Google Financeより)

 ラオスに行くならオススメのエリアは最後の秘境とも言われる「ルアンパバーン」。ルアンパバーンは、ラオ族による初の統一王朝「ランサーン王国」が成立した古都で、街全体が世界遺産に登録されています。

 街中に点在する寺院を見て回ったり、僧侶の托鉢を見物したりと見所は沢山。ゆったりとした時間が流れるのんびりとしたところ。10年も前になりますが、連載記事「【SIMフリースマホと海外ぶらり旅】ラオスの古都で、サトルは象使いになった」で、街の様子を伝えています。象使いの免許取得のレポートもしていますので、そちらも是非ご覧ください。

こちらはラオス寺院のなかでも、最高の美しさと言われているワットシェントーン
趣のある建物が多いルアンパバーン。おしゃれなカフェテラスなども結構あります
ルアンパバーンはナイトマーケットも人気
こちらは早朝に行われる、僧侶たちが街を練り歩き人々からお布施をいただいてまわる「托鉢(たくはつ)」の様子です

 ラオスへのアクセスは、現状日本からの直行便がないため、中国やベトナム・タイなど東南アジアからの乗り継ぎとなります。ですが、ラオスへのフライトが意外と高いため、節約するなら東南アジア各地から陸路もありです。

ビエンチャンまではLCCのベトジェットの乗り継ぎで4万5000円台からなので、これに預け荷物などが加算されることを考えると価格は高め
タイのバンコクまで中国系のフルサービスキャリアで最安は3万円弱のため、バンコクまで飛行機で行き、そこから鉄道やバスなど陸路が安く移動はできます
ビエンチャンからルアンパバーンへは、中国資本の高速鉄道で移動可能です

 以前、連載で記事にした「10万円で10日間、東南アジアを何ヵ国まわれるか挑戦してみた(6ヵ国目:タイ)」では、バンコクからラオス国境付近まで寝台車で移動し、そこから国際列車で国境を越えラオスの首都ビエンチャンへ移動するルートを紹介しました。

 現在はこの国境を越える国際列車は廃止されています。というのも、バンコクからラオスの首都ビエンチャンまで直通寝台列車が運行開始したため。以前は乗り継ぎで駅での待ち時間などがあり不便でしたが、出入国審査はあるものの、乗り換えせずに移動できるのでかなり便利になったようです。

 ちなみにこちらはかなりの人気路線で、寝台車両は売り切れも多く、チケット争奪は激戦状態。どうやら日本のブルートレインで使用していた車両がつかわれているといった情報もネットで見かけたので、次回行くなら絶対乗りたいなと思っています。

国境を越えるだけのこの列車は廃止とのこと
以前乗った寝台車とは違う車両が運行しているようです
タイ国鉄のサイトから空席をみてみると、寝台は売り切れの日が多いので予約は早めに

●オススメ2_遺跡と紅茶好きなら絶対はまるスリランカ

スリランカ観光の代名詞とも言えるシギリヤロック。約1400年に渡って密林に埋もれていたミステリアスな遺跡です

 インドの南東に位置するスリランカ。現地通貨のスリランカ・ルピーは、5年前が1ルピー/0.5948円だったのに対し、現在は1ルピー/0.5262円なので、円高率は113%です。2022年に経済危機があり、そのときは1ルピー/0.35円くらいまで円高が進んでいましたが、だいぶ戻してきています。

5年前と比べて、スリランカ・ルピーは約11.5%の円高

 スリランカのオススメは、シギリヤロックやダンブッラ石窟寺院などの世界遺産が多く集まるシギリヤ・ダンブッラ。朝日を見るために登るシギリヤロック登頂は人気のアクティビティーのひとつ。またそのシギリヤロックを眺めながら泊まれるホテルも人気です。

 日本からのアクセスは首都のコロンボまでスリランカ航空が直行便を運航しています。また中国や東南アジア各国からの乗り継ぎ便も多く、価格にあわせて旅程を考えられるのもポイントです。スリランカ航空は提供されるカレーと紅茶が美味しいので、個人的にも気に入っています。

スリランカ航空のカレー機内食はめちゃ美味い
スリランカ航空の直行便は10万円台から
中国系の乗り継ぎ便は6万円台からが相場

 もちろん現地でも美味しいカレーを堪能したり、セイロンティーの本場「ワラエリア」で紅茶工場などを見学できるツアーもあるので、カレー好きや紅茶好きなら是非一度行きたい国です。

スリランカでの紅茶畑で茶摘み風景を見学したい!

●オススメ3_割安な航空券も多いトルコ

イスタンブールのモスク「アヤソフィア」。ビザンチン帝国時代の360年に建設されたのちイスラムモスクとして姿を変えた建造物で、東ローマ帝国の代表的な遺構です

 西洋と東洋をつなぐ国トルコ。現地通貨のトルコ・リラは、5年前が1リラ/18.9594円だったのに対し、現在は1リラ/4.4925円なので、円高率は422%です。ただし円高ではあるもののインフレも酷く、消費者物価指数では2019年と比較して約5.7倍になっているため、最終的に円で計算すると、もともとの物価が安かったコロナ禍以前と比べると、ちょっと高くなったかなという感じ。

5年前と比べて、トルコ・リラは約76%の円高(Google Financeより)

 トルコも歴史の古い国なので、世界遺産も多く観光が楽しい国です。首都のイスタンブールには「ブルーモスク」などの美しい宗教施設が数多くあり、旧市街の市場でのオリエンタルな衣服や雑貨などの買い物もオススメです。

イスタンブール名物のサバサンド。レモン汁をぶっかけて食べます
市場でのショッピングも楽しい

 個人的には、幻想的な岩石や洞窟から成る美しい遺跡群「カッパドキア」がイチオシ。長年の風雨によって火山灰や溶岩が浸食されてできた岩石や洞窟といった遺跡群は、ほかの国ではなかなか見られない景色。さらにその洞窟を使ったホテルや、気球に乗って遺跡群を見学したりと変わった体験もできます。

カッパドキアの洞窟ホテル
気球に乗ってのカッパドキア空の旅はめちゃくちゃ感動します

 トルコへは首都のイスタンブールへターキッシュ エアラインズが日本から直行便を運航しているほか、日系のANAも2月12日から直行便を運航開始。ただし直行便は割高なので、価格を抑えるなら乗り継ぎ便が狙い目です。中国系が8万円前後からで、さらにモンゴルのMIATが12月でも4万円台とかなりの割安価格で販売中なので、全体の旅費を抑えられるのも見逃せないポイントです。

東京発モンゴル経由のイスタンブール往復で4万円台のチケットがある
ターキッシュ エアラインズの直行便は12万円台後半から

●オススメ4_一生に一度は訪れてみたいエジプト

ギザの3大ピラミッドは是非この目で見てみたい!

 自分は未訪問の国ですが、エジプトは是非一度行ってみたい国のひとつ。現地通貨のエジプト・ポンドは、5年前が1ポンド/6.75522円だったのに対し、現在は1ポンド/3.1251円なので、円高率は216%です。

5年前と比べて、エジプト・ポンドは約54%の円高(Google Financeより)

 エジプトといえば、なんといってもピラミッドなどの遺跡群でしょう。一生に一度は見ておきたいですが、世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験がある筆者でも、なかなかチャンスがありません。なんとか円高のうちに行きたいところ。

 遺跡を巡りながらのナイル川クルーズも、体験してみたいことのひとつ。何度も映像化されている、アガサ・クリスティの推理小説「ナイルに死す」が好きなので、その気分を是非味わってみたいです。

ナイル川クルーズも一度体験したい!

 エジプトへは首都のカイロへエジプト航空が直行便を運航していますが、成田からのみ週1便と数が少なく、18万円台と価格も高めなのがネック。そのためカタール航空やエミレーツ航空といった中東系を使うのが一般的で、14万円台から。また低価格を狙うなら、中国系が7万円台半ばからといった感じです。

エジプト航空は成田の週1便しかなく、価格も高め
安く行くなら、やはり中国乗り継ぎが狙い目

 以上、海外旅行を楽しめる円高の国の紹介でした。格安の航空券とあわせれば、かなりオトクに旅できるので参考にしてみてください!

*為替および航空券の価格は、原稿執筆時(2024年11月7日)のものです

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

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