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シャオミ台数急増 理由は安くても品質に自信大

ASCII.jp / 2024年11月14日 7時0分

シャオミ
上位2社との差は大きいものの、日本国内でも確実に存在感を増しつつある

国内スマホ市場で、アップル、グーグルに続く3位に ソフトバンク/auとキャリアでの取り扱いが拡大

 シャオミが日本で存在感を増している。調査会社カナリスのデータではアップル、グーグルに続いて国内3位の出荷台数となっているのだ。今春にはハイエンドのカメラスマホ「Xiaomi 14 ultra」を投入してブランドイメージを高める一方、直近では「Xiaomi 14Tシリーズ」でコストパフォーマンスに優れたモデルを販売している。

 ここまで急激にシャオミが日本で出荷台数を増やしているのはなぜなのか。

 シャオミジャパンの大沼 彰社長は「日本は90%以上がキャリアによるマーケット。そのなかで、ソフトバンクとKDDIに扱ってもらったことで、台数が伸びた。特に(比較的安価な)Redmiシリーズが大半を占めている。あの価格帯でキャリアに扱ってもらったことで、数字がグンと伸びたのが大きい」という。

 ただ、日本では「Xiaomi」と書いてシャオミと呼んだり、さらに「Redmi」と言ってもあまり聞きなじみのないブランド名だったりと、ユーザーとしては手に取りにくい印象もある。

 これだけキャリアショップで売れたということは、我々が想定している以上に、シャオミのブランドは日本で定着したということなのだろうか。

 大沼社長は「我々もブランドが浸透しているとは、まだ思っていない。Xiaomiって、どうやって読むの? と思う人が大半ではないか。ただ、少しずつではあるが、日本でも認知が進んでいる。ライカとのコラボモデルを出したりしたことで認知が伸びたりもした。さまざまなことを手がけたことで、着実にシャオミを知ってもらえるようになっている」と語る。

 では、キャリアショップで売れたというRedmiのほうがシャオミよりも認知度が高いということなのか。

 「Redmiって、どこのメーカーなの? となったときに、シャオミが後から紐付いてくる状態なのは間違いない。シャオミであれば、ライカとかTシリーズの認知はあるが、Redmiではお客さんはわからない状態。しかし、それも状況が変わりつつある手応えは感じている」(大沼社長)。

 キャリアショップの店員とすれば、Redmiというあまり知られていないブランドのスマホを、よくわかっていない人に売るというのは相当難しそうな気もするが、なぜそこまで販売台数を伸ばせたのか。

 大沼社長は「とにかくお客さんが店員さんに対して『一番安いものをちょうだい』と声をかける。そこで、出てくるのはRedmiだったりシャオミだったりしたのが大きい。ただ、一番安いという理由だけでなく、品質も良く、クレームにならずに『売りやすい』というのが良かったようだ」と分析する。

安価なスマホでも快適に使える→使われる機会が増える →キャリアにとっても収益性が高いスマホ

 さらにキャリアがシャオミを売りたくなる理由としてあるのが「収益性」だ。

 大沼社長によれば「キャリアさんから聞いてるのは、うちのデバイスをユーザーが使い始めるとARPUが上昇するとのこと。いろんなアプリや機能を使ってもらえるようになるので、支払ってくれる通信料金が上がるという効果が認められているようだ」という。

シャオミ
日本のモバイル業界で長年キャリアを積み、2023年にシャオミ日本法人の社長に就任した大沼 彰氏

 安価なスマホでも、大画面でサクサクと動いてくれると、それだけでユーザーはスマホの接触時間が増え、出先で動画を見たり、ゲームをするようになる。結果として、データ通信する量が増えるわけで、これまで小容量しか使わないユーザーが中容量、さらに使い放題プランに切り替えていくというわけだ。まさにキャリアからすればシャオミは「後々で儲かるから売りたくなるスマホ」になっているというわけだ。

 もちろん、もともとケータイを使っていた人が初めてスマホに乗り換えるため、「一番安いスマホ」としてRedmiを購入。ケータイからスマホに買い換えてことでARPUが上がるということも想定される。

 大沼社長は「我々としては、やはりハイエンドを売っていきたい。他社に負けないハイエンドスマートフォンもしっかり用意しているので、エントリーからミドルレンジ、さらにハイレンジに買い換えていってくれるストーリーをつくっていきたい。1年や2年で実現できるものではないが、確実にその世界観を作り上げていきたい」という。

グローバルでの管理がしっかりしていて、品質にも自信あり 生活家電も購入できるショップの展開を日本でも検討中

 ただ、一方でコストパフォーマンスに優れるからといって「安かろう、悪かろう」では結果、ユーザーは離れてしまうことだろう。そのあたり、シャオミの品質面は問題はないのか。

 大沼社長は「品質に関しては、ものすごく自信ある。やはりグローバルメーカーにおける品質管理体制は、相当しっかりしている。技術陣とか開発陣も充実しており、日本にも最先端のメンバーがしっかり対応してくれる。まったく問題がない」と胸を張った。

 シャオミはスマートフォンだけでなく、白物家電や雑貨など、幅広い商品を展開している。スマートフォンだけでは数年に1回しかブランドを意識しないが、白物家電や雑貨があれば、ユーザーは普段からシャオミを意識するようになる。中国などではシャオミの専門店が数多くあり、日本でも渋谷にポップアップストアを展開するものの11月4日で惜しまれつつ閉店してしまった。

 今後、日本でシャオミの旗艦店を出したりはしないのだろうか。 大沼社長は「渋谷のポップアップストアで終わりというわけではなく、グローバルで展開しているショップのようなものを日本で展開したいと思っている。ただ、お店を借りる条件とか、日本の場合はすぐに展開するのは難しい状況」という。

シャオミ
今年5月から11月まで、渋谷PARCOで展開していたシャオミのポップアップストア。スマホだけでなく、ウェアラブルにテレビ、白物家電、リュックと、シャオミの製品が幅広く展示・販売されていた

 単に渋谷や、ライバルのように原宿や表参道、銀座といった繁華街にスペースを確保するというわけではなく、まずは「どこがふさわしいのか」というゼロベースから出店候補地を検討する必要があるようだ。

 「渋谷となると若い層が中心となる。ただ、今のシャオミは生活家電も揃えていることを考えると渋谷が必ずしもベストとは限らなくなってくる。

 たとえば、香港とか中国では、大きなショッピングモールの中に入ってたり、駅に隣接していたりする。

 スマホを買いに来たけど、ショップの中を歩いていたら生活家電やテレビ、雑貨に巡りあう。そうした幅広い商品を揃えたときに、渋谷の客層がマッチしているかと言えば、そうじゃない気もしてくる」(大沼社長)

 今のシャオミとしては「若者だけの街」ではなく「ファミリーが大量に訪れるショッピングモール」の方が狙い目のようだ。

 「シャオミのスマホを指名買い」というユーザーはまだまだ限定的なだけに「他の買い物目的だったけど、ちょっと時間があるから、シャオミのショップに入ってみたら、安くて良さそうなものがあるから買ってみた」というファミリー層を狙うのが成功率が高い感じがある。

 つまり、イオンモールとか、レイクタウンとか、ラゾーナ川崎とか、巨大な駐車場があったり、駅から徒歩圏内のショッピングモールというのがシャオミにとって理想的な場所とも言えそうだ。

 渋谷のポップアップストアが成功して閉店してしまっただけに、いつどこの街で復活するのか。楽しみに待っていたい。

 

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