グーグル、詐欺電話をAIが検知する「Scam Detection」などAndroidのセキュリティー機能を強化

Scam Detectionの利用イメージ

　グーグルは11月13日、Androidデバイス向けに2つの新しいリアルタイム保護機能を発表した。詐欺対策とマルウェア対策の機能で、まずは「Pixel」シリーズから提供を始める。

通話中にAIが詐欺行為を検出「Scam Detection」

　「Scam Detection」は、通話中の音声パターンからAIがリアルタイムで詐欺の可能性を検出し、音声と触覚によるアラートや視覚的な警告でユーザーに知らせてくれる機能。

　標準の電話アプリ（Phone by Google）に搭載され、デフォルトではオフになっている。機能をオンにした後は基本的にすべての通話が検出対象となるが、設定から完全オフの状態に戻したり、通話中、一時的にオフにしたりすることも可能だ。

　AI検出モデルと処理はすべてデバイス上で実行。会話の音声や文字起こしなどのデータは端末内に保存されず、外部のサーバー等へ共有されることもない。

　対応機種は「Pixel 6」以降のPixelスマートフォン。11月13日時点では、米国で英語話者のユーザー向けにベータ版が提供されている。

「ライブ脅威検出」でGoogle Playプロテクトを強化

ライブ脅威検出の利用イメージ

　アプリ周りのセキュリティーを担う「Google Playプロテクト」には、新たに「ライブ脅威検出」が追加される。

　こちらは悪意のあるアプリをリアルタイムで検出、通知するというもの。機密性の高い権限の使用や、ほかのアプリとのやり取りといった動作シグナルを分析することで、動作を隠したり、疑わしい動きをする前に休止状態になったりするアプリも検出できるという。

　リリース時点ではユーザーの同意なしに個人情報や機密データを収集する「ストーカーウェア」の検出に特化した機能となるが、将来的に検出範囲を拡大することも検討されている

　11月13日現在の対応機種は「Pixel 6」以降のPixelスマートフォン。グーグルによると今後数ヵ月以内に、同社以外のAndroidデバイスにも提供を開始する予定だ。