中国で中古スマホ市場が真っ当化 中華スマホが安く買えるようになった
ASCII.jp / 2024年11月24日 9時0分
人民元に対しても円安が進み、中華スマホもすっかり高額化 そんな中、スマホの中古市場がかなり真っ当になってきた
日本では「中華スマホ」とも言われる中国メーカー製スマートフォン。当初は日本のユーザーも圧倒的なコスパに驚いたものだが、今は高価になってしまった感もある。
それは円安という状況もあるが、本国での価格自体が高くなってきたという事情もある。以前は1000元スマホという意味の「千元機」という言葉があり、その名の通り1000元前後で買えた。
当時の1元は15円行かなかったので(今は約21円)、1万円程度の趣味のガジェット感覚で気軽に買えたわけだ。ところが今や千元機がタイトルに入ったニュースを見ても、四捨五入で2000元となる範囲の1000元台の機種ばかりだ。約1万円で買えたものが、日本円では4万円近いとなると、さすがに食指が動きにくいというものだろう。
そんな中国では近年、ちゃんとした中古デジタルショップを見るようになった。筆者が拠点とする中国内陸の都市ですら、いくつかのモールで見たくらいで、実際かなり展開している。
具体的なブランド名でいうと、日本にも進出した「愛回収」や、そのライバルの「転転」、アリババが運営する中国版メルカリとも言われる「閑魚」のリアルショップ版。これら中国全国展開のブランドに加え、各地域のガジェットショップチェーンが挙げられる。
こうしたブランドは企業サイトやニュースを見る分には、しっかり製品を点検し、リフレッシュ作業をしているというのでありがたい。行こうと決めたら、中国の地図サービス「百度地図」か「高徳地図」で、「愛回収」や「転転」と入力して、場所を確認するといいだろう。
中古スマホ店と言っても怪しくなく、キレイで明るい 売られているのも最近の機種が中心
実際に店舗に行った様子が、記事冒頭の写真だ。写真を見てもらえればわかるが、そんなに広くない店舗に、新品のスマホと中古のスマホが売られている。スマホはiPhoneの最近のモデルが多く、Androidは、シャオミ、OPPO、vivo、ファーウェイ、Oneplus、Honor、Realmeなどの比較的新しい製品が売られていた。そしてハイエンドからローエンドまで新品より買いやすい価格となっていた。
たとえば2年前のモデルではあるが「OPPO A1 Pro」(Snapdragon 695、8GB/256GB、1億800万画素カメラ)が1000元を切る739元、つまり1万5000円程度。中華スマホを買ってみたい人にも気軽に手が届く。売られている商品はスマートフォンが中心であり、タブレットやノートパソコンなどそのほかの製品はあまりないようだ。
店に入って商品を見ていると、店員が寄ってきて「なにが欲しいんですか?」と聞いてくる。無言で商品を見続けるのもいいが、ちょっと見ているという意味で、「看一下(カンイーシャ)」と答えるといいだろう。
また欲しいものがあれば、これが欲しいという意味で「我要這箇(ウォーヤオチェーガ)」、ショーケース内など触れられない商品に触れてみたければ2つの合わせ技で、これをちょっと見たいという意味の「我要看一下這箇(ウォーヤオカンイーシャチェーガ)」と言ってみよう。ただし、発音については声調が正しくないと通じないので、グーグル翻訳の音声出力などを参考に音で確認して言えるようになるとベターだ。
オンラインでの購入はアプリや登録が必要でなかなか難しい
ただし、ゆっくりと見たいから「看一下」というと、店員は「ここだけでなく当店のオンラインサービスに一杯あるよ」と言われる。オンラインショップもあるのだ。ただし中国のオンラインショップは、アプリ全振りが基本で、PCからでは不便なサービスも多く、愛回収や転転もまた例外ではない。
中国の閉じたネット環境ではアプリを入れるのも面倒。まず中国のアプリストアを入れてから、目的のアプリを検索してインストールしなければいけない。インストールできても注文までが面倒なので、ラインアップと値段を見るためにインストールし、現地で出会ったものについて気に入れば買うくらいがいいだろう。
中古商品と価格だけ見るならば、日本の電話番号の登録でも見られるタオバオでもいい(中国はなにをするにも実名登録が必要になるので、そこは諦めるしかない)。ただ買うとなるとサービスに登録しているショップから買うことになるし、型番が微妙に異なるニセモノも多数あり、品質的に問題ない本物が届くとは限らない。
トホホな経験もネタに転換し、「(失敗したけれど)中国でのオンラインショッピングの経験値を高めた!」と前向きになる人以外は初めてでの購入はリスキーでお勧めできない。また中国のモバイルショップや中古市場に行っても見られるが、そもそも値札すらついていないし、ガラスショーケースの中に入っているので言葉が話せなければ購入は困難を極める。それに仮に適正価格で買えたとしても、問題なく動作する保証はない。かくいう筆者もノートPC購入でバッテリーがヘタったの製品を買ったことがある。
資源の再利用を目指し、中古市場の活性化を政府が後押し 補助金も出して促進している
こう考えると「愛回収」はフォックスコンでリフレッシュし、ライバルの「転転」もまた相応のリフレッシュ作業をして、店頭では明朗会計で販売しているのだから、今までになく安心して購入できる店舗がようやっとできたというのがわかるだろう。愛回収らの台頭により「中古は数世代前でも十分な速度でコスパがよくていい」という若い消費者が増え、それまで詐欺と背中合わせだった中古販売が中国でもじわじわと広がりつつある。
中国政府が使用済みの資源の積極的再利用を目指す「循環経済」を訴え、愛回収や転転らがそれに応える形で、中古市場活性化が進んでいる。11月には毎年恒例となる商戦期ダブルイレブンセールがあり、中古市場でも買い取りに補助金を出して新型モデルへの買い替え促進をした。
つまり11月はまだまだ中古商品が潤沢にあるだろうし、政府主導である限りはしばらくは積極的な買い取りをするはずで、行けばそれなりに中古商品の在庫があって買い物が楽しいはず、なのである。中国は日本人の短期ビザ免除を再開したこともあって、中国に行くことがあれば、その都市の中古店舗を見るのも一興だろう。
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