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今の楽天モバイルってどうなってる? メイン回線で使える? 速度低下はどう?

ASCII.jp / 2024年11月24日 12時0分

 各社から格安な新料金プランが登場するたびに、比較対象とされる楽天モバイル。2020年4月の正式サービス開始以降、月3278円でデータ無制限という部分は事実上据え置きなのだから、その強さは確かだ。

 一方で、当初はエリアの問題が頻繁に言われてきており、また最近では800万回線を超えた影響もあるのか、混雑による速度低下の声もSNSでは見られるようになってきた。そこで今の状況をまとめてみたい。

楽天モバイル
月3278円でデータ無制限という強味は今も変わらない楽天モバイル

都市圏にいる限りエリアの穴はほぼ感じなくなったが 特定場所で苦しいことも

 まず、楽天モバイルと言えばエリアの問題。ネットワークをゼロから整備をしたため、開始直後は穴だらけ。東名阪の中心部以外についてはauへのローミングでしのいでいたが、ローミングのエリアでは月5GBまでという上限が設定されていた。

 その後は、一時期のローミング縮小、そして2023年5月に方針転換して一転継続となり、都市部の一部繁華街やインドアでもローミング提供を開始。その際に「Rakuten最強プラン」を導入して、auローミングエリアでの通信量制限がなくなって、どっちのエリアかを気にせずに使えるようになった。

 筆者自身も楽天モバイルを使っているが、サービス開始からしばらくして、劇的にエリアが広がった時期があり、それ以降はあまり不便を感じなくなり、その後はじわじわと細かな穴を埋めていったという印象だ。

 たとえば、スーパーやコンビニのレジでバーコード決済をする際に圏外だと大きな問題だが、地下のお店などでも困ることがほぼなくなっている。

 ただし、筆者の行動範囲は主に首都圏の都市と近郊まで。自分ではあまり困っていないが、山間部で使うという人は通信状態が悪いこともある(auのローミングがあると言っても、auのエリアがそのまま楽天モバイルのエリアとなるわけではない)。以前、地方で山越えの国道を走行しているとき、楽天モバイルだけが圏外になった経験がある。地方に行けばエリアが不十分なことがある点は注意だ。

楽天モバイル
左が楽天モバイル、右がauのサービスエリア。山間部や極端に人口が少ない場所では、必ずしもauローミングの提供を受けていないのか差がある

通信速度は大体満足だが ラッシュ時の電車などで激遅になることも

 都心部ではエリアの穴はかなりなくなっているが、最近筆者が直面しているのが速度低下。特に混雑エリアでの速度低下が著しいと感じる。また、11月13日の決算説明会では、東京メトロにおける速度改善の発表があったが、それだけ地下鉄での通信環境に対する声が、ユーザーから上がっているということなのだろう。

楽天モバイル
楽天グループの決算説明会の資料から。地下鉄ホームでの改善をアピールしている

 地下鉄のホームは一般的な建物内と同じく、エリア整備が難しい場所と言える。実際にテストしても速度低下が著しい。ソフトバンク回線のLINEMOはここでは整備が充実しているのか超高速だが、ほかの会社もかなり落ちている。

 しかし、都心部でより問題を感じるのは、電車が走行している駅と駅の間だ。電車内の乗客の通信が同じ基地局に集中するわけでラッシュ時だと絶望的になる。

 そうした状況は短時間なので、比較できるような数字は計測できていないが、他社ネットワークでは速度が低下しながらもなんとか通信ができている印象だが、ラッシュ時の楽天モバイルはそれを通り越して通信不能になることがある。これでは実用にならないという人もいるだろう。

 この問題については、同社に割り当てられる周波数帯が増加することで他社並に改善する可能性はあるが、当面は最大の弱点となりそうだ。また、駅間と同様に駅のホームでの速度も決して十分ではない。電車を待ちながら経路検索したり、会社に連絡をする場合に不利になる。

 一方で東京駅前では十分な基地局整備ができているのか、似たような時間帯に爆速を記録している。やはり基地局の整備状況次第ということになりそうだ。

 このほかにも、平日午前や昼食時間帯の速度は住宅地で速度を計っているが、人口集中場所ではないところではほとんど低下を感じない。

 つまりリモートワーク中心の人は速度低下の影響は少ないと言える。逆に地下鉄やラッシュ時の鉄道を頻繁に使う人は、楽天モバイルの利用には注意したほうがいいだろう。

国内かけ放題は引き続き◎だが 問題はRakuten Linkが肥大化して、操作が面倒になっていること

 楽天モバイルのもう1つのメリットと言えば、「Rakuten Link」アプリで国内通話がかけ放題という点。電話をかける機会が多い人にとっては大変ありがたく、他社ではかけ放題の定額通話オプションにお金がかかることを考えると料金で大きな差となる。

 しかし、Rakuten Linkでの通話は、大手キャリア間のVoLTEのような高音質にはならないため、この点が気になる人もいるかもしない。さらに最近特に感じるのは、Rakuten Linkアプリの位置付けの変化だ。

楽天モバイル
現在のRakuten Linkアプリ。広告バナーがほとんどを占領した状態だ

 かけ放題と引き換えになる部分があるのは仕方ないにせよ、Rakuten Linkアプリには楽天グループのサービスへの誘導があまりに多く、実際に通話発信するまでの手順が、ほかの通話アプリと比べて複雑。そして先日発表されたように、生成AI機能まで搭載するというのだから、アプリの肥大化が止まらない。

 特に気になるのは着信時の通知だ。Rakuten Linkが発するお知らせが広告だった場合、ついつい通知をオフにしたくなる。しかし、Rakuten Linkの通知をオフにすると、かかってきた電話を知る術がなくなる。

 そして、Rakuten Linkの通話定額を使っているにも関わらず、アプリ上では月1100円の追加オプションである「15分通話かけ放題」を執拗にプッシュしてくる。

楽天モバイル
My Rakutenのアプリは起動時に通話定額の申し込み画面が出る

 iPhoneで折り返しで電話をする場合は、アプリを使わずとも定額、そして高音質通話になる「15分通話かけ放題」を契約すると便利。しかし、すでにRakuten Linkで通話をしている人にとっては今更だろう。疑問が残る。Rakuten Linkでの通話定額に期待をしすぎないほうがいいのかもしれない。

楽天モバイル
Rakuten Linkアプリに生成AI機能を搭載。通知設定について聞いて見たが、適当に答えられた感じだ

eSIMの乗っ取り問題は、SMS認証ありの対策で解決か?

 一時期、eSIMで回線を乗っ取られる問題が話題となった。楽天モバイルでは、eSIM再発行が非常にしやすく、利便性は他社と比べて頭ひとつ抜けていたが、第三者に乗っ取られる可能性があったためか、SMSでの認証が必要になった。その結果、eSIMが入っているスマートフォンが故障中だったり、データ専用など、SMSを受信できない場合は、再発行に一手間かかるようになった。

 なお、Webサイトの案内では「メールアドレスかSMS」となっているが、筆者の場合はSMSに送られる設定から変更できない。

楽天モバイル
eSIM再発行を申請すると、SMSでワンタイムパスワードが届く

最近の楽天モバイルなら メイン回線として契約しても、大体OKなのではないか?

 料金面で他社がさまざまな新プランを提供している中、楽天モバイルの優位点が薄れてきている。また、Rakuten Linkの肥大化問題もあって、以前ほどには楽天モバイルをオススメしにくくなっている。

 それでも、月30GBを超えるような使い方では、楽天モバイルは料金面で有利。前述のRakuten Linkによる通話も操作の面倒さが気にならず、フル活用できるならメリットは大きい。そのほか、楽天経済圏でのポイントアップもじわじわと効いてくる。

 ただ、こういった楽天モバイルのメリット・デメリットを把握せず、なんとなく楽天モバイルが良さそうだ、安そうだというイメージだけで選んでしまった人からは、「安いところはダメ」という印象が語られている部分があるのかもしれない。

 それでも筆者としては、楽天モバイルは選択肢の1つとして「全然有り」で、メイン回線として問題なく使える人も多いと考えている。さらにサブ回線としてpovo2.0に代表される維持費が安価なサービスを契約しておけば、問題はほぼ解消する。

 楽天モバイルはあらためてサービス内容をよく理解したうえで選んでほしい。

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