最安価格のCoreUltra2搭載Copilot+PCノートが激速でバッテリーは爆長だった=「Vivobook S14」実機レビュー
ASCII.jp / 2024年12月2日 10時0分
「Vivobook S14」(S5406SA)はASUSが11月29日に発売した、インテルの新CPU「Core Ultra シリーズ2」(Lunar Lake)を搭載したCopilot+PCだ。IFA2024でグローバル発表した「CoreUltra2」搭載PC8機種のうちの一つで、日本では「Zenbook S14」に続く2機種目となる。
ディスプレーがOLEDながらお求めやすい価格も大きな魅力だ。ASUSから試用機を借りることができたので、Zenbook S14と比べてみよう。
14型WUXGAのOLEDに「Core Ultra 5 226V」なら 15万円台を実現
Vivobook S14はCPUに「CoreUltraシリーズ2」の「Core Ultra 7 258V」または「Core Ultra 5 226V」を搭載する。メインメモリーは258Vが32GB、226Vが16GB内蔵だ。
ストレージはUltra 7モデルが1TB、5モデルが512GB内蔵で、PCIe4x4のNVMe/M.2。それ以外のスペックは同じで、価格は上位のUltra 7モデルが19万9800円で、下位の5モデルが15万9800円だから、価格差4万円はCPU速度とSSD容量512GBの差である。
ディスプレーは14インチWUXGAのOLEDで、1920×1200ドット、60Hz、最高600ニト、コントラスト比100万:1、100%DCI-P3のノンタッチでグレアタイプ、HDR True Black 600対応だ。
インターフェースはThunderbolt4 Type-C (Power Delivery対応)×2、USB3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI、マイクロSDカードスロット、オーディオ・コンボジャックとフル装備。WEBカメラは207万画素IR内蔵で顔認証対応、無線機能はWi-Fi7とBluetooth5.4に対応する。ボディサイズは310.5×221.9×13.9~15.9mm、重さは1.3kgある。
キーボードは84キーの日本語配列で、カスタマイズ可能なシングルゾーンRGBバックライトでCopilotキーを搭載する。
タッチパッドは左右および上部にはファンクションが割り当てられており、動画の早送り/巻き戻し、音量調整、ディスプレイの明るさ調整、ASUSアプリの呼び出しなどができる。
バッテリーは75Wh内蔵で、駆動時間はJEITA2で25.3時間、JEITA3では動画13時間、アイドル21.5時間と公開されている。
ACアダプターは65W出力で、急速充電は49分で60%まで可能で、フル充電は1.8時間かかる。
マイクロソフトは11月下旬にCopilot+PC機能を無償アップデートで提供する予定だ。ASUS独自のAIアプリとして、マルチメディアライブラリーの「StoryCube」や双方向ノイズキャンセリングを搭載、最新のゲームタイトルをプレイすることができるサブスクリプションサービスの「Xbox Game Pass」の「PC Game Pass (3カ月利用権)」が付属している。
ZenbookとVivobook、Ultra 7と5、どちらを選ぶ? キーボードとタッチパッドも好感触
ASUSがすでに発売中のCoreUltra2搭載ノート「Zenbook S14」は、セラミックとアルミニウムを組み合わせた、ASUS独自の「セラルミナム」という新素材を天板に使ったフラッグシップモデルで、CPUは「Core Ultra 7 258V」と「同256V」、「Ultra 5 226V」の3種類があるが、Vivobook S14と同じスペックのお値段はUltra 7 258VにSSD1TBでは25万9800円、Ultra 5 226Vに512GBのSSDで21万9800円。Vivobook S14との価格差はともに6万円という整合性の高さ(?)である。
Zenbook S14とVivobook S14の大きな違いはディスプレーがともにOLEDながら、Zenbookは2880×1800ドットで、Vivobookは1280×1200ドットと低いこと。逆に、インターフェースはZenbookが薄型化を目指しているので、Vivobookのほうが、Type-A端子が1つ多く、マイクロSDスロットもある。バッテリー容量はZenbookが72Whで、Vivobookは75Whなので、少し多い。
ZenbookもVivobookも、「Core Ultra 7 258V」と「Core Ultra 5 226V」の価格差は4万円だ。ともに8コア(4P+4E)で最大ターボパワーは37W。Ultra 7では最高周波数が4.8GHz、Ultra 5では4.5GHz、キャッシュは12MBと8MBという違いだ。
GPUはUltra 7がIntel Arc 140Vで、Ultra 5が130Vで、140VはX2-Coreが8個で最高1.95GHz、130Vは7コアで1.85GHz、ピークTOPS値は64と53で約20%の差がある。
NPUの最高速度はUltra 7が47TOPSで、Ultra 5は40TOPSという違いがある。全体のピークTOPSは115と97なので、15%の速度差があることになるが、CPU部だけの速度差はほぼないので、日常作業では体感するほどの違いはない。内蔵メモリーが32GBと16GBという違いのほうが効きそうだ。
Vivobookのキーボードは14型なので、余裕の配置だが、「]」キーだけ若干横幅が狭い。Zenbook S14ではキーボード部の幅が274mmあるが、Vivobook S14では272mmと若干狭く、そのぶん右端のキーの幅が狭い。カーソルキーは凸型配置だが、高さがハーフサイズなので、ちょっと使いにくい。
それ以外は、キートップの英語印字も大きく見やすいし、キータッチも良好で、とても打ちやすいキーボードだ。タッチパッドは130×85mmもあり、14型としてはかなり広い。Zenbook S14もいっぱいにとっているが、128×78mmでとひとまわり狭いのだ。左右および上部のファンクション機能は、覚えると便利で、面積が広い分、誤動作もしない。もちろん、機能をOFFにすることもできる。
ファンは2台内蔵しているが、重いベンチマークテストを実行させなければ、「フルスピードモード」にしていても、ほとんどファンの音はしない。
ベンチマークテストではCoreUltra2搭載ノートで最高速を記録 バッテリーは実測24時間駆動で最長クラス
CPUがどれくらい回る仕様なのか、おなじみのベンチマークテストで計測してみた。設定は、MyASUSのファンモードで「フルスピードモード」を選択して実施している。
CPUベンチでは2024のマルチで631、シングルで118で、特にマルチはこれまでPowerReviewで計測してきた4機種のどれよりも速い。R23も10675と1883という最高速度だ。
3DMarkではTimeSpyで4427、FireStrikeで8918、WildLifeで29345、RoyalPortで2049と、こちらもいちばん速い。VivobookとZenbookの設計者が同じか違うのかわからないが、Zenbookを超えることを目指したかのような速さだ。FFベンチのXIVとXVも同様である。
SSDはそうはいかないだろうと思ったが、こちらも、マルチリードが6384MB/s、ライトが5581MB/sで、最速クラスだった。
そのぶんバッテリーの持ちは悪いだろうと、計測を始めたが、これも長い。ディスプレー輝度40%で、MyASUSでスタンダードモードで、WIndows11の省エネ機能OFFで、PCMark のModern Office Battery Benchを動かしたが、24時間と、これもZenbookの20時間を超え、ほぼ最長を記録した。
バッテリー容量が他機種より大きいこともあるが、バッテリーVivobook S14は、やるときはやる子(爆速)ながら、いつもは静か(省エネ)な、お手本のようなモバイルノートだ。
UIもOLEDもコスパも最高だが 持ち歩くには重さが△だ
ディスプレーは高輝度・高彩度のOLEDで、キーボードの配列にタッチもよし、タッチパッドも大きく、ファンクション機能もある。インターフェースはType-CとType-Aが2口ずつあり、HDMIにマイクロSDまで付いている。
あえて、弱点をあげるなら、クラムシェル型(2in1ではなく)の中では、1300gはもっとも重いレベルだ。最軽量がMousePro G4の946gだから、354g重い。Zenbook S14比では100g重いうえ、厚みは12.9mmと15.9mmでVivobook S14のほうが3mm厚い。毎日ノートPCを持ち歩くなら、ちょっと考えたいポイントである。
最高速度は、CoreUltra2搭載ノートで最高クラスで、SSDも速く、バッテリーの持ちもいい。そのうえ、CoreUltra 7に1TBSSDでも19万円台とコスパも最高。1.3kgがオッケーなら、超オススメのCoreUltra2搭載ノートである。
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