約25年ぶり! ANA羽田=ミラノ直行便スタートで現地はお祭り騒ぎでした
ASCII.jp / 2024年12月11日 12時0分
ANAは2024年度に3つのヨーロッパ路線を就航予定ですが、そのうちのひとつ羽田=ミラノ便が12月3日に運航をスタートしました(ほか2つは羽田=ストックホルム、羽田=イスタンブールで2月に就航予定)。実はこの羽田=ミラノ便、ANAとしては念願の路線ということで、初便のミラノ到着の様子を取材してきました。
ANA念願の新規路線なんです!
ANAがイタリアへの直行便を運航するのは1999年以来で、なんと約25年ぶり。意外なことにミラノへの就航も1998年以来で、当時は関空=ミラノ便でした。そのため、今回の羽田=ミラノ便は、ANA初の路線となります。
しかも今回の羽田=ミラノ便は当初2020年に開設予定だったものの、コロナ禍で延期になってしまったという経緯があります。それだけに、念願の新規路線就航というわけです。
現地では盛大なイベントを開催
ミラノにはいくつか空港がありますが、ミラノ線で使用する空港はマルペンサ国際空港。12月3日にミラノを出発するNH208の初便では、搭乗ゲートエリアで記念イベントを開催。ANAからは井上慎一社長やマルペンサ国際空港公団のルイジ・バットゥエッロ氏が登壇。現地メディアも多数取材に参加しており、今回の就航の重要さがうかがえます。
初便搭乗客にはケーキだけでなく、イタリアのヴェネト州でつくられる人気のスパークリングワイン「プロセッコ」が振る舞われ、井上社長から記念品が手渡されるなど、ANAの意気込みが伝わるイベントとなりました。
なんで、そんなにめでたいの!?
これほどまでに注目された就航となったのは、ANAとイタリアの結びつきが強いため。実は、ANAの前身は「日本ヘリコプター輸送」という会社名で(それ故に便名に使われる2レターもNHなのです)、1982年まで使用していたヘリコプターのロゴは、イタリアの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが書いたスケッチを元に描かれたものなのです。
井上社長は「(このロゴは)大空へ羽ばたきたいというダビンチの夢に共感して採用した。ANAとイタリアの縁の大切な証拠」と、初便就航翌日にミラノ市内で開催された就航記念パーティーで語っています。
さらに、今年8月のヨーロッパからの訪日客数は、イタリアが3万4700人でトップだったと説明。もともと直行便が多いイギリスや、ドイツ、フランスを抜いてトップというのは、いかにイタリア人にとって日本が魅力的な渡航先かという証明になっているとのこと。
また、今回のANA便が発着するマルペンサ国際空港は、世界から見て「ヨーロッパ圏内で4番目に重要な空港」とバットゥエッロ氏。イタリアの首都はローマですし、世界遺産にもなっている遺跡群も多く、観光客にはローマのほうが旅客にとっては人気なのでは? と考えてしまいますが、ミラノは日系企業の進出も多く、それゆえに貨物需要もあるため、ビジネス面でも外せない路線なんです。井上社長は「ミラノは日本にとってビジネス・観光両面で重要な目的地」と話しており、実際、初便の貨物は満載だったとのこと。
井上社長は「ビジネス需要にはデイリー運航が必須。海外の航空会社が供給量を増やしており、期待に応える意味でもチャレンジしたい」と話しており、利用率の推移と紛争による運航ルートや乗務員の問題もふまえつつ、増便を目指すことをアピールしていました。
夜遅く乗って、朝、ミラノに着きます
今回就航した羽田=ミラノ便は、羽田空港を深夜1時5分に出発してミラノに同日現地時刻の朝8時30分に着くスケジュール。そのため、東京近郊なら仕事が終わってから羽田空港に向かって出発し、飛行機の中でぐっすり寝られるスケジュール。到着も8時台と早めなので、そのままミラノを回ってもいいし、ミラノからほかの都市へ移動もしやすい時間帯です。
復路はミラノを午前10時30分に出発して、翌日の朝7時30分に羽田に到着するスケジュール。身体が元気なら、東京圏にそのまま出勤できる時間帯です。ちなみに筆者は現地取材後、12月5日発の就航2便目に搭乗して帰国しましたが、羽田空港からそのまま朝10時半受付の都内発表会場へと向かうことができました。
現状は火・木・日曜日の週3便運航のため、スケジュールのアレンジはしにくいものの、ミラノやイタリアだけでなく、欧州旅に使う路線としてもなかなか使い勝手がいい立地やフライトスケジュールだなと感じました。
【大事なこと】ミラノはごはんがめちゃくちゃ美味しい!
日本人にとっても、イタリアは人気の旅行先のひとつ。現状はロシア上空が飛べないため、往路で14時間、復路で12時間半と飛行時間は長くなってしまいますが、直行便で飛べるのはラクです。イタリア旅行や欧州周遊を考えている人は、ANAの羽田=ミラノ便も検討してみてはいかがでしょうか!
訂正とお詫び:初出時、一部表記に誤りがございましたので、訂正いたしました。(2024年12月13日18:00)
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
- 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
- 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)
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