2022年12月に買ったauで「月1円×24回」のPixelスマホを返却した タイミングを逃すと高額支払い
ASCII.jp / 2024年12月22日 12時0分
3大キャリアによる、「最初の2年だけ少額の支払い」でスマートフォンが使える販売プログラムが普及して、数年が経過した。筆者にとっても、2022年12月にその仕組みで購入したスマートフォンの返却時期が到来した。実際に返却したので、どうだったかを紹介する。
返却するつもりで入手した場合は 正しい返却期限を忘れると高額支払いが発生
前述した購入方法とは、たとえばauであれば「スマホトクするプログラム」と名付けられたもので、4年間の最初の2年間の支払い額を極端に低く抑え、最初の2年間が終了するタイミングでスマホを返却することで、残債を免除するというものだ。
当時であれば、最初の2年間が月1円と設定されているケースもあったので、その間は24円の支払いで使うことができる。現在はルールがやや厳しくなって、2年前ほどのオトクさはなくなっているが、似たような購入方法は健在だ。
手になじんだスマホを返却する必要こそあるが、普通に購入して2年後に下取りに出すつもりなら結局は同じこと。それでも差額は数万円にはなるところをタダみたいな金額で使えるのだからオトクでしかなかった。
しかし、2年経過後もそのまま返さずにいると支払いが待っている。今までほとんど支払いをしてこなかった分、残債がほぼそのまま残っていると考えていいだろう。そのため、月々の支払いが数千円に跳ね上がることもある。2年前に買った人は、オトクさを完結させるためにも、確実な手続きが必要だ。
ここで問題となるのが返却方法。筆者は何度か同種のプログラムで購入しているが、契約時に端末を返却することで残債が免除されること自体は知らされても、具体的な返却方法についての詳細を説明された記憶がない。ネットで手続きする場合にどこから入ってどうすればいいのかなど、具体的なことは正直わからない。
また契約時には、分割払い購入と回線契約は別なので、回線自体は乗り換えても解約してもいい(返却して残債を免除できる)と説明されるが、回線を解約してしまった場合の返却方法についての注意点も聞いたことがない。
契約書類や返却方法はしっかりと確認して、残しておく
特に厄介なのは、2年経つとプログラムの内容が変更されているケースがあることだ。ネットでさまざまなハウツーを調べてみても、新しい購入プログラムと混同していたり、より古い購入プログラムの内容だったりする。
また、検索したら、最初にドコモ/au/ソフトバンクの公式情報が見つかってほしいところだが、実際には手続きの方法を解説したアフィリエイトサイトが上位に出てくることが多い。
これらがすべて確実に正確な情報を提供していればいいが、そうでないこともよくある。最近筆者が見た例では、記事の掲載日や更新日は最近なのに、数年前の情報のままというケースがあった。こんな情報を参考にすると混乱のもとだ。
つまり、返却方法は自分で管理する必要がある。筆者の場合、クラウドのカレンダーサービスで返却月の初日に予定を登録し、そこに簡単な返却方法のメモを記載している。手続きの際は、購入時に紐づけた回線の電話番号とネットワーク暗証番号、各キャリアのIDとパスワードなどが必要になるので、これもどこかに控えておきたい。
回線を維持しているなら簡単だが、乗り換えや解約だと少し面倒
実際に返却する方法だが、契約時の回線を維持しているのなら、「My au」などユーザー向けページにアクセスしてすぐに申し込みできる。
ところが回線契約をほかの事業者に乗り換えていたり、電話番号を解約していたりすると面倒になる。各キャリアのIDとパスワードを残していても、今はセキュリティの関係でログイン時にSMS認証が必要なことも多い。電話番号を他キャリアで使っているならともかく、完全に解約しているとどうにもならないことがある。
また、回線の解約時にIDが携帯番号から別の文字列に変更させられてしまう場合もあるため、契約関係の情報はその都度でしっかりと記録しておきたい。
auで2年前に購入したPixel 7を返却した
さて実際の手続き。今回返すのは2022年12月にauから購入したPixel 7。auの新規契約で開通し、しばらくしてUQ mobile、さらにpovo2.0と渡り歩いた。返却のこともあるのでなんとなくKDDI内に留めておいたはずなのだが、2年の間にそのことも忘れて、さらに他のMVNOに移行してしまった。
一方、回線に紐づいている「au ID」は、KDDI関連の契約をひとまとめにしたものだったので、元の回線情報の残骸は統合したau IDの中に残っていた。
まず、My auにログインする。今は2段階認証やパスコードなどセキュリティが厳重で、au IDとパスワードだけわかっていてもログインができない。ここで全然ログインできないようなら、早々に諦めて電話やキャリアショップでオーダーする方法に作戦変更したほうが早いだろう。
ログインできたら、トップのページの下のほう「分割支払契約の確認・一括生産」から入ると、統合した過去の電話番号が出てくる。au→UQと移行していれば同じ番号でもauとUQは別に出てくるはずだ。
電話番号を選ぶと「選択中のサービスは一時休止中、または解約済みです」と表示が出た。こう出ると手続きができないように思ってしまうが、ひるまずにそのまま「選択」をすると、端末の分割払い契約の詳細が出てくる。
その詳細のなかに購入プログラムの「スマホトクするプログラム」の「端末返却のみで特典を利用したい場合はこちら」をクリックすると、返却キットを郵送する画面になり、送り先を確認して「申し込む」をクリックすれば完了だ。
数日すると返却キットが郵便局に着いたという通知が郵便で届いた。本人確認書類を持って郵便局で受け取るか、指定日時に配達してもらうかを選ぶ。いずれにしても返却キットは本人しか受け取れないようになっている。
返却キットには、通常はスマートフォン本体のみを入れて返送する。箱や付属品は必要ない。フリマアプリで少し前のスマートフォンの箱だけの出品をよく見かけるのは、こうした返却で余ってしまったものだと推測している。
返送時には工場出荷状態にリセットをして、SIMなどが残ってないかを確認して、返却キットの封筒、今回の場合でいえばレターパックに入れる。そして、ポストに投函する。
数日後、回収が完了したというメールも来て、最初に返却を申し込んだ「スマホ得するプログラム」のページに回収完了日が入る。回収した端末の故障有無/故障時利用量が「故障なし/0円」になっていれば、残りの支払いがゼロになったということだ。これですべての手続きは完了だ。
3社ともに手順はだいたい同じだが、期限には注意
今回はauで返却してみたが、ドコモ/au/ソフトバンクともに手順はだいたい同じだ。返却キットを請求して、キットは本人確認が必要な方法で届く。本体のみを返送すると査定がされ、問題なければ完了する。
ただ、最初の申し込み手続きが事業者によって異なり、個々の契約状況によっても異なる。また、キャリアのIDやパスワードを忘れてしまった場合は、さらに別の手続きも必要になる。
よくわからない場合は、早めにコールセンターなどに問い合わせして、場合によっては店舗に出向いて手続きしたほうがいいだろう。店舗の場合は来店予約もあるので早めに動く必要がある。
問題となる期限だが、2022年12月に購入したのなら、12月中に返却の“申し込み”が必須。それさえしておけば返却期限はもう少し猶予が発生し、今回のauでの手続きでは2025年1月31日となっていた。これなら、年末年始に新しいスマートフォンを購入して、データ移行をしても十分間にあうだろう。
分割払いプログラムは当面続くはず
最初の2年間だけ「月1円」といった極端に安いタイプの分割払い購入は、2023年12月の新ガイドラインで厳しくなり、勢いが弱まった。そして今年も12月のさらなる新ガイドラインでさらに規制が厳しくなり、最初の2年の支払いを低くする、つまり残債を高めに設定することが難しくなる。
とはいえ、支払い額は変わっても2年で返却すれば残金の支払いが免除される販売プログラムは続くはずで、一般の買取店とは査定基準が異なるため、2年間しっかり使う予定人にとっては3大キャリアの販売プログラムがオトクなことは変わりないだろう。
これからそのようなプログラムで買う人、今までに買った人は、返却方法まで含めてよく確認し、オトクな購入をしっかり完結できるようにしてほしい。
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