子どものスマホ料金プラン オススメは【専門家が解説】
ASCII.jp / 2024年12月24日 7時0分
進級、卒業、入学などのタイミングで子供にスマホを持たせたい。しかし、何を選んだらいいか、さっぱり分からない。そんな悩める親御さんは多いのではないか。
新生活に合わせてスマホデビューする子供が多いことから、スマホ業界では「春商戦」と呼ばれ、1年で最も盛況な時期に突入する。すでに各キャリアからは18歳以下をターゲットにしたキャンペーンプランが続々と発表されている。
では、実際にスマホデビューする子供にはどの事業者やプランを選べば良いのか。実際に小学生の息子を持ち、自分事として真剣に悩んで検討した「2025年春商戦、賢いスマホデビューの仕方」を紹介したい。
小学生スマホデビューは「MVNOで小容量から」
小学生にスマホを持たせるといっても、基本的にはLINEによる家族や友達のメッセージ送受信、YouTubeやゲームと言ったところが中心だろう。
小学校にいる昼間、スマホは当然使えない。移動はもっぱら徒歩や自転車が中心だ。
YouTubeやゲームは、自宅にいる際に見たり遊んだりすることを考えると、自宅のWi-Fiにつなぐのがベストだろう。
初めてのスマホということで、実際にどれだけデータ容量を消費するかは未知数ではあるが、基本的には外出時におけるデータ消費はかなり少なめになるはずだ。
そんな小学生のスマホデビューにオススメなのが、MVNOの小容量プランだ。
小容量MVNOのオススメは「日本通信」「IIJmio」
例えば、日本通信の「シンプル290プラン」は1GB290円で契約可能だ。まずは1GBから始めて、足りなくなれば追加データ料として1GBから初めて220円を支払えばいい。
MVNO最大手のIIJmioであれば、最大6ヵ月間のキャンペーンとなるが、5GBのプランに5GBが増量されて10GBで990円というプランも存在する。
まずはMVNOで小容量のプランを契約し、数ヵ月間、実際使ってみて、どれくらいの容量が必要かを判断し、同じMVNOでさらに容量の多いプランに切り替えていくというのがいいだろう。
MVNOは「平日昼時間の通信速度が遅い」という弱点があるが、小中学生であれば、昼間は学校なので、さほど気にならないはずだ。
自分の料金も安くするなら、オススメは「UQモバイル」の家族割
子供がスマホデビューとなると当然のことながら、家計の負担が増すことになる。それであれば、自分やパートナーの料金プランもこのタイミングで見直すことで、なんとか負担増を抑えることはできないものか。
そこでオススメしたいのがUQモバイルの「UQ家族応援割」だ。
「コミコミプラン+」というプランは33GB、1回10分以内の国内通話かけ放題がついて月額3278円というプランだが、5歳以上18歳以下の契約者と家族がセットを組むと、2回線目まで1958円、3回目からは月額1078円で利用可能となるのだ。ただし、適用されるのは1年間のみということで、とりあえず1年間使いつつ、1年後はまた別のプランやキャリアを探せば良いだろう。
この「UQ家族応援割」は光回線やカード支払いなどの条件が不要で、複数の回線契約だけで安くなるというのが魅力だ。気軽に家族でまるごとUQモバイルに乗り換えられるのはかなりありがたい。
親があまりデータを使わないなら、オススメは「イオンモバイル」
一方、「自分もそんなにデータは使わないので、家族で無駄のないプランを契約したい」というのであれば、イオンモバイルがオススメだ。
イオンモバイルは家族でひとつのデータ容量を分け合って使うことができるのだ。例えば、シェア20GBプランを家族4人で使うとすると、合計金額は3608円となり、一人あたり4GB、721.6円で利用可能となるのだ。
家族でシェアなので、親はあまりデータ容量を使わないが、子供はいっぱい使うといったこともできる。
シェアできる回線は8つまで、データ容量は1GBから200GB(1万2628円)まで小刻みに選べるので、本当に必要なデータ量を無駄なく契約することができるのだ。
親がデータをかなり使い、子供も結構使うなら、オススメはNTTドコモ/au/ソフトバンクのデビュー割
自分はデータ使い放題プランを契約しており、子供も中高生でスマホを結構使うのであれば、auユーザーであれば「スマホスタート応援割」、ソフトバンクは「ソフトバンクデビュー割」が選択肢となる。
au「スマホスタート応援割」は親が使い放題プランに入っていれば、子供は30GBで最大6ヵ月間は0円、7ヶ月目以降は2728円となる。
ソフトバンクの「ソフトバンクデビュー割」も30GB以上のプランに入っている必要があるが、子供は2〜7ヵ月目まで20GBを0円で利用可能だ。
ただ、auの場合、0円になるには光回線などを契約すると割引が受けられる「スマートバリュー」、au Payカードによる支払い割引、家族割引などの適用があって、ようやく0円になるという立て付けだ。au経済圏にどっぷりと使い、他社に移行する気はないという家族向けといえるだろう。
NTTドコモでも「ドコモU18割」というのが提供されている。
最大7ヵ月、3GBまでは0円、3GBから無制限使うと4378円になるという設計だが、これも家族で3回線以上を契約し(みんなドコモ割で1100円割引)、dカードお支払い割(187円割引)、ドコモ光セット割(1100円割引)、さらに「ドコモU18割」が適用されての金額となっている。特に親の料金プランに決まりはないが、家族でまるごとドコモを契約しているのであれば、子供は「ドコモU18割」にしておくといいだろう。
シンプルに家族まるごと安くしたいなら、オススメは「楽天モバイル」
一方で「もっとシンプルに家族でまるごと安くしたい」のであれば、楽天モバイルがいいだろう。
楽天最強プランは3GBまでで968円、3GBから20GBまで2068円、20GBから無制限は3168円というワンプランだ。さらに家族であれば「最強家族プログラム」によって、1回線あたり100円が割り引き冴える。また12歳までの子供であれば「最強こどもプログラム」で毎月最大440ポイント還元、22歳までなら「最強青春プログラム」で毎月110ポイント還元される。
「いきなり家族まるごと、楽天モバイルに替えるのはちょっと迷う」というのであれば、まずは子供のスマホを楽天モバイル契約にして、自宅や近所などの行動範囲で楽天モバイルがちゃんとつながるかをチェックしてから、他の家族も楽天モバイルに切り替えていくというのが後悔しない切り替え方かも知れない。
子供のスマホは「親の“お古”」がオススメ
ちなみに「子供に持たせるスマホは何がいいのか」という疑問に対しては「自分が欲しいスマホを購入して、自分が使っていたお古のスマホを子供に渡す」というのをオススメしたい。
自分が使っていたスマホであれば、操作方法もある程度分かっているので、子供に教えられるし、子供が変なことをしていても、阻止することができる。落として傷をつけたり、壊してしまっても、お古のスマホであれば、心理的なショックも少ないだろう。
子供のスマホデビューなので、まずはできるだけコスト負担を抑えることを重視していきたい。
筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)
スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。
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