ライカカメラ搭載の 「AQUOS R9 Pro」に約20万円の価格以上の価値を感じた
ASCII.jp / 2024年12月29日 12時0分
12月5日に発売されたシャープ製のフラッグシップ「AQUOS R9 pro」を使ってみました。まずドコモから発売され、12月13日にはSIMフリーモデルも発売。
両モデルのハードウェアは共通で、ドコモ版は21万1970円(「いつでもカエドキプログラム」適用時の実質負担額は11万6930円)、SIMフリーモデルは19万4700円(シャープ公式ストア)となっています。筆者はシャープから借りたドコモ版を1週間ほど試用しました。
スマホでもあり、カメラでもある
AQUOS R9 proの最大の特徴はカメラ。ライカが監修したトリプルカメラを搭載し、その存在感を示すように背面パネルに大きくレイアウトされています。スマホとしては背面ですが、カメラとしては正面といった趣です。
カラバリはブラックのみ。背面パネルはフラットでマットな質感。シャープは今年からスマートフォンAQUOSのデザイン監修に、プロダクトデザイナー・三宅一成氏が率いるmiyake designを起用しています。AQUOS R9 proのデザインは、これまでに発売されたAQUOS R9、wish4、sense9とは異なるテイストですが、背面パネルの全面をマットにするのではなく、一部にサイドフレームとつながる部分を残すなど、さりげなくセンスを感じられるデザインになっています。
再生アルミニウムを用いたサイドフレームはツルサラの手触り。右側面には大きなシャッターボタンを新設。デジカメのような感覚でシャッターが切れるようになっています。
ディスプレーは約6.7型のPro IGZO OLED(有機EL)。解像度は3120×1440ドットで、1~240Hzの可変リフレッシュレートに対応。ちなみに、240Hzは毎秒120回の画面更新の間に黒い画面を挿入することで240回の更新を実現するという仕組み。それによって、動画などでもなめらかな表示になります。
ディスプレー内には指紋センサーを搭載。「Qualcomm 3D Sonic Max」という方式を採用し、登録も認証もスピーディーにできることがアドバンテージ。2本の指を当てる高セキュリティーの認証を設定することもできます。
上部にはマイク。下部にはSIMスロット、USB Type-Cポート、マイク、スピーカーを搭載。SIMスロットにはnanoSIMを1枚だけ装着でき、microSDには非対応。eSIMを追加して、nanoSIM+eSIMの2回線を併用することもできます。
高性能なカメラを搭載していることもあり、本体は約229gとかなりヘビー級。横幅も約78mmあるので、片手での操作には向きません。スマホとしては大きめですが、この端末をカメラと思えば、妥当なサイズ感とも言えるでしょう。
シャッターボタンを押すだけでエモい写真が撮れる!
ライカが監修した「VARIO-SUMMICRONカメラシステム」は3つのカメラと14chスペクトルセンサー(被写体の特徴を捉えるためのセンサー)で構成されます。3眼カメラは標準(約5030万画素/F値1.8/23mm相当)+広角(約5030万画素/F値2.2/13mm相当)+望遠(約5030万画素/F値2.6/65mm相当)という構成。つまり撮影できる画角としては標準が「広角」、広角が「超広角」で、望遠は「光学3倍」で撮影できます。
標準カメラには1型超(1/0.98型)の大型センサーを搭載。広角カメラも1/2.5型、望遠カメラも1/1.56型と、大きめのセンサーが採用されています。いずれもAF対応ですが、標準と望遠は全画素PDAFに対応し、光学式手ブレ補正機能も備えています。
実際に撮ってみると、シャッターを押すだけで自分が期待する以上にきれいな写真が撮れるので驚きました。ただ、明るくナチュラルに写るのではなく、色バランスが絶妙だったり、被写体の質感や空気感が伝わったり、夕景の微妙なグラデーションまで描写してくれたり……。「撮影が上手くなった」と思うような写真が撮れることうけ合いです。
デジタル一眼のような細かい設定ができる「マニュアル写真」モードもありますが、通常はフルオートの「写真」モードで多少露出を調整する程度で済みそうです。
シャッター音が実際のカメラのシャッターを模した音で、周囲に気づかれないほどに小さいのも魅力。なお、SIMフリーモデルはシャッター音をオフにすることもできるようです。
あのライバル機種と撮り比べてみた
ライカといえば、シャオミもコラボレーションしており、今年はライカと共同開発したカメラを搭載したスマホが3機種発売されました。筆者はその中で最上位の「Xiaomi 14 Ultra」を使っています。現時点では、AQUOS R9 proのライバルとも言える存在です。そこで、AQUOS R9 proとXiaomi 14 Ultraで同じ被写体を撮り比べてみました。
Xiaomi 14 Ultraは「Leicaオーセンティック」と「Leicaバイブランド」という2つのフォトスタイルから選べますが、今回はナチュラルな色調で写る「Leicaオーセンティック」に設定しました。
AQUOS R9 proのほうが自然に近い色で、Xiaomi 14 Ultraはやや色が濃く写る傾向を感じましたが、どちらを好むかは人によって分かれるでしょう。個人的には、シャッターを押すだけでキレイに撮れることを重視するならAQUOS、フィルターを変えたりして表現にこだわりたいのであればXiaomiが適しているように思いました。
また、カメラ以外に、AQUOS R9はおサイフケータイとeSIMに対応しているという優位性もあります。
パフォーマンスと電池持ちにも死角なし
CPUはSnapdragon 8s Gen 3(最大3.0GHz)。メモリーは12GBで、ストレージは512GBという構成。スレー時の空き容量が十分であれば、最大12GBの仮想メモリーを追加することもできます。
ハイエンドスマホとして申し分のない仕様で、サクサクと軽快に操作できました。これまでAQUOSのスマホを使った時に、「カメラ」アプリでの操作の反応が遅かったり、撮影を続けていると熱くなったりすることもあったのですが、AQUOS R9 proはそうした挙動はなく、ストレスを感じることなく使っています。
バッテリー容量は5000mAh。5Gのハイエンドスマホとして十分な容量で、実際に使っても電池持ちは良いと感じています。カメラを多用したとしても1日で電池がなくなることは少ないでしょう。
新機能「電話アシスタント」や新型スピーカーも魅力
AQUOSシリーズは独自の便利機能が充実しています。指定した決済アプリなどを素早く起動できる「Payトリガー」、画面の右上隅または左上隅を長押しするだけでスクショが撮れる「Clip Now」、長い画面が自動でスクロールされる「オートスクロール」など。ホーム画面にプリセットされた「AQUOSトリック」で確認でき、使いたい機能だけを有効にできます。
新しい機能として、AIを用いた「電話アシスタント」が搭載されています。電話に出られないときに録音されたメッセージが要約されて表示されるという機能。試してみると、非常に精度が高く、実用的と思えました。
内蔵スピーカーは、2つのスピーカーをそれぞれBOX構造にし、レシーバー側はフルメタルにすることで音質向上が図られたとのこと。一般的にスマホのスピーカーは左右の音量に差があることが多いのですが、AQUOS R9 Proは左右ほぼ均等。どちらのスピーカーもどこから音が出ているのか一瞬わからないほど音が広がって聞こえました。
約20万円なので、購入には多少の思い切りが必要ですが、今季最高峰のスペックに最高グレードのカメラが搭載されていることは間違いなし。値段の価値は十分すぎるほどあるでしょう。
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