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6万円台で買える高画質&最新AIトラッキングのVlogカメラドローン「DJI Flip」実機レビュー

ASCII.jp / 2025年1月15日 0時1分

 DJIは「オールインワンVlogカメラドローン」と銘打つ一般ユーザー向けドローン「DJI Flip」を発表した。価格は6万6660円~だ。

 本製品は折り畳み式全面保護プロペラガードを装備。携帯性が高く、指などが入りづらく、衝突時にプロペラが破損する可能性が低い。初心者でも安心して飛ばせるドローンだ。

 日本のドローン飛行ルールは複雑なため、一般ユーザーがドローンに手を出しづらい状況にある。しかし、100g以上の機体であってもドローン飛行資格・飛行許可申請は必須ではない。

 ドローンを飛ばすにあたって必要なのは「ドローン登録」。この登録は「DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム2.0)」(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/)にてオンラインで行なえる。

 また最近では私有地、ドローン飛行場・練習場だけでなく、サバイバルゲームのフィールドなどでも飛ばせる施設が増えている。ドローンを楽しめる場所は意外と多い。

 DJIよりDJI Flipの実機を借用したので、スペック、使い勝手などを、実際に撮影した動画、写真を交えてレビューしていこう。

撮影協力:H.E.A.D.S 川越

「DJI Flip」6万6660円~
ドローンの登録は「DIPS 2.0」にてオンラインで行なえる

1/1.3型センサーと 全面保護プロペラガードを採用  

 DJI Flipは折り畳み式の全面保護プロペラガードを採用した新型ドローンだ。本体サイズは折り畳み時で136×62×165mm、展開時で233×280×79mm、重量は249gである。

 昨年発売されたDJI製最小ドローン「DJI Neo」のサイズは130×157×48.5mm、重量は約135g。つまり、折り畳み状態ならDJI Flipの携帯性はほぼ同等だ。DJI Neoに対して184%相当の重量も、風などに対する飛行安定性という点ではメリットが大きい。

まるで扇風機のような全面保護プロペラガードを採用。指が入りづらく、衝突時にプロペラが破損する心配も少ない
折り畳み時のサイズは136×62×165mm
展開時のサイズは233×280×79mm
本体とバッテリーを合わせた実測重量は248.2g
底面には「下方ビジュアルポジショニング」センサーを配置

 カメラには1/1.3型の大型イメージセンサーで、レンズのFOVは82.1度、焦点距離は24mm(35mm判換算)、開放絞りはf/1.7、AFは1m〜∞を採用する。

 DJI Neoの1/2型イメージセンサー(117.6度、13mm)と比較すると、標準的な画角にしつつ、画質にこだわったスペックである。スペック的には、静止画は最大48MP(8064×6048ドット)、動画は最大4K/60fps HDRで撮影可能だ。

 カメラの安定化機構は3軸メカニカルジンバル(チルト、ロール、パン)を採用。電子式手ブレ補正機能と異なり、画角を狭めることなく自然に映像を安定化してくれる。

カメラは3軸メカニカルジンバル仕様。チルトは-130度~63度、ロールは-47度~47度、 パンは-30~30度。チルトの操作可能範囲は-90度~35度。カメラ上部には3D赤外線検知システムを内蔵している
左側面(上)にはモードボタン、microSDメモリーカードスロット、USB Type-C端子、右側面にはバッテリーインジケーター、モードボタンを配置

 本製品には、3種類のセットがある。

「DJI Flip」 6万6660円 機体本体、送信機(DJI RC-N3)、バッテリー(1個)、スペアプロペラ(1組)、ドライバー、ジンバルプロテクター、Type-C–Type-Cケーブル

「DJI Flip(DJI RC 2)」 9万3390円 機体本体、ディスプレー搭載送信機(DJI RC 2)、バッテリー(1個)、スペアプロペラ(1組)、ドライバー、ジンバルプロテクター、Type-C–Type-Cケーブル

「DJI Flip Fly More Combo(DJI RC 2)」 11万2750円 機体本体、ディスプレー搭載送信機(DJI RC 2)、バッテリー(3個)、スペアプロペラ(3組)、ドライバー、ジンバルプロテクター、Type-C–Type-Cケーブル、ショルダーバッグ、チャージングハブ

 セットは個別にアクセサリーを購入するよりお得となるので、慎重に選びたい。

今回試用したのは「DJI Flip Fly More Combo(DJI RC 2)」
「DJI Flip(DJI RC 2)」、「DJI Flip Fly More Combo(DJI RC 2)」に同梱される送信機「DJI RC 2」。底面にあるのはスティック収納用スペース。基本的な操作はレバーやボタンで行なえる
スティックは取り外し可能

 「DJI Flipインテリジェントバッテリー」の容量は3110mAh/22.3Wh、重量は約83.5g。ひとつのバッテリーで最大31分の飛行が可能だ。

「DJI Flipインテリジェントバッテリー」の容量は3110mAh/22.3Wh
「バッテリー充電ハブ」。最大4つのバッテリーを充電できるほか、バッテリーを接続した状態で送信機やスマホなどを充電できるモバイルバッテリーとしても利用できる

 最大上昇速度は2m/s(シネモード)・5m/s(ノーマルモード)・5m/s(スポーツモード)、最大下降速度は1.5m/s(シネモード)・5m/s(ノーマルモード)・5m/s(スポーツモード)だ。

 最大水平速度は,無風状態で12m/s(スポーツモード)・12m/s(トラッキングモード)、追い風(4m/s)状態では16m/s(スポーツモード)・12m/s(トラッキングモード)となっている。運用限界高度は3000m、最大航続距離は14km、最大風圧抵抗は10.7m/sだ。

 Wi-Fi経由でスマホと接続した際の制御範囲は最大50m、「DJI RC 2」と組み合わせた際の映像伝送距離は最大13km。ただし日本国内では8kmまでとなっている。

前面「3D赤外線検知システム」搭載 4000万画素の静止画に感動  

 DJI Flipのプロペラは非常に展開、折り畳みしやすい。プロペラは全面が自転車のスポークのような細い棒でカバーされており、多少ラフに握ってもプロペラ自体を触る心配はない。

 開くときは前から、閉じるときはうしろからと順番はあるが、慣れれば5秒以内で変形できる。これまでのDJI製ドローンのなかで、一番扱いやすい製品だと思う。

プロペラは、開くときは前から、閉じるときはうしろから動かす

 前述のとおり、DJI Neoに対して184%相当の重量となっているが、そのぶん風などに対する飛行安定性は高そうだ。またホバリング中に指で強く突いても、素早く元の位置に復帰する。このあたりの制御は「下方ビジュアルポジショニング」センサーで行なっていると思われるが、トイドローンなどとは一線を画す安定性を実現している。

撮影日はまあまあ風が吹くこともあったが、多少揺れたあとも、元の場所に自動的に復帰した

ホバリング中に強く指で突いても、姿勢はほとんど乱れない  

プロペラは自転車のスポークのような細い棒でカバー。小指を直角に突き立てないかぎりは触れることはないはずだ  

 DJI Flipには前面に「3D赤外線検知システム」が内蔵されており、人物、樹木、壁などを立体的に検知できる。測定範囲は0.3~8m、FOVは水平/垂直60度となっており、ユーザーを追尾する「アクティブトラッキング」や、自動撮影機能の「クイックショット」に活用されている。

 ただし、上位モデルのように横や後ろにはセンサーが付いていないので、周囲の障害物よりも高度を上げたり、移動範囲を狭めるなどの配慮が必要だ。障害物にぶつかっても、全面保護プロペラガードを装備した本製品が壊れる可能性は低いだろうが、これらの自動飛行機能を利用する際にはくれぐれも安全第一で楽しんでほしい。

ある程度大回りして移動すれば、アクティブトラッキング飛行時に衝突することはまずない  

「ドローニー」、「ロケット」、「サークル」、「ヘリックス」、「ブーメラン」、「アステロイド」などのクイックショット機能を試してみた。実行前には高さや移動範囲の確認が必須だ  

 肝心の画質だが、1/1.3インチの大型イメージセンサーを搭載しているだけに、クオリティーの高い静止画、動画を撮影できる。フルオートで撮影しても、露出やホワイトバランスは自然。4K/60fpsの動画は滑らかだし、あえて逆光の撮影も試してみたが、太陽をバックにした被写体もしっかりと写っていた。

 静止画については12MPと48MPのふたつの解像度で撮影できるが、ファイルサイズは大きくなるが48MPのほうが精細に記録できる。機体には2GBのストレージが内蔵されているが、microSDメモリーカードを装着して、48MPで撮影することを強くオススメする。

4K/60fpsで撮影。方向転換しても滑らかに映像が流れる  

太陽をバックにしても被写体がしっかりと写る  

12MPモードで撮影
48MPモードで撮影
左が12MPモード(ファイルサイズ:7.4MB)、右が48MPモード(ファイルサイズ:27.5MB)で撮影した写真を拡大したもの。48MPモードではファイルサイズが372%相当となるが、そのぶんトリミングの自由度が高まる

 運動性能については、十分飛行を楽しめるレベルだ。下の動画はノーマルモードで撮影しているが、このときの水平速度は12m/sだ。どのみちスポーツモードの16m/sは追い風時でなければ届かない。スポーツモードでは障害物回避機能を利用できないので、よほどの理由がないかぎりはノーマルモードで利用したほうがよい。

ノーマルモードで前後、左右、回転、上下運動してみた。ドローンレースに出ないかぎりは、十分爽快な飛行感を楽しめる  

安全性を最重視した設計 高画質でVlog動画を撮影できる魅力的なモデル  

 DJI Flipは全面保護プロペラガードのおかげで非常に安心して飛ばせることができた。

 また折り畳み式機構は展開、折り畳みしやすく、折り畳み状態であれば非常にコンパクトに携帯できる。

 1/1.3インチの大型イメージセンサー、3軸メカニカルジンバルの映像は高画質、かつ滑らかだ。もちろんDJI Neoと同様、単独での撮影機能も搭載されている。

 安全性を重視し、より高画質でVlog用動画を撮影したいドローン入門者に、DJI Flipは非常に魅力的な1台である。

電源を入れ、カメラを顔に向けた状態でモードボタンを2秒長押しすると、3秒間のカウントダウンのあとに飛行を開始し、その場でホバリングする。機体の下に手のひらをかざすと、自動的に着陸。手軽に自撮りできるわけだ  

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