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【活用提案】プレゼン資料の作成に必須の「Keynote」アプリをもっと便利に使うワザ

ASCII.jp / 2025年1月28日 13時0分

 プレゼンテーションアプリの「Keynote」で資料を作っていると、不満を感じる場面が出てくる。例えば、iPadに搭載されているフォントだけだと、理想的なデザインの資料が作れないことがある。また、「PowerPoint」では常に表示されている発表者ノートなども、初期状態では隠されている。

 このような機能面で困ったことがあっても、「無料のアプリだし、そもそもiPadだから仕方がない」とあきらめてはいないだろうか。実はこういった不満点は、使い方さえ知っていればたいていは解消できるのだ。

 そこで今回は、「Keynote」を使う前に知っておきたい、操作の不満を解消する便利ワザを中心に解説していこう。

「Keynote」にフォントをインストールする

 「Keynote」は優れたアプリだが、初期状態で利用できるフォントは非常に貧弱だ。プレゼンテーションは見た目も重要なポイントなので、できる限りフォントにはこだわりたい。そこで、使用するフォントをiPadにインストールしておくのがおすすめだ。

 「Keynote」で使えるカスタムフォントを提供しているアプリには次のようなものがある。 ・Adobe Creative Cloud ・FontInstall.app ・Fontcase

 「Adobe Creative Cloud」を契約している場合、同名のアプリを使えば、6万以上のフォントをインストールして自由に使える。ただし、執筆時点では同アプリは「App Store」から削除されており、同アプリおよび代替となるアプリは提供されていないようだ。なお、すでにインストールされていれば、フォントの追加は可能。もしアプリが利用できる状態なら、こちらからインストールしておこう。

「Adobe Creative Cloud」を契約している場合、同名のアプリで6万以上のフォントをインストールできる。

 無料で豊富な日本語フォントを利用できるのが「FontInstall.app」だ。このアプリを使えば、有名なフリーフォント「M+」などをインストールできる。あまりお金をかけたくない人におすすめな方法だ。

【アプリ情報】 ●FontInstall.app 日本語フォントインストール 作者:DRIP PRODUCTS LIMITED LIABILITY CO. 価格:無料 URL:https://apps.apple.com/jp/app/id1467540146

「FontInstall.app」は、フリーフォントをインストールできる。アプリを開いてインストールするフォントを選ぶだけなので、簡単にフォントを追加できる。

 すでにフォントファイルを所有しているなら、「Fontcase」がおすすめ。このアプリを使うと、TTF (TrueType Font)形式のフォントファイルをiPadにインストールできる。

【アプリ情報】 ●Fontcase - Manage Your Type 作者:Manolo Sanudo 価格:無料 URL:https://apps.apple.com/jp/app/id1205074470

TTF形式のフォントファイルを所有しているなら、「Fontcase」を使うとiPadにインストールできる。

 これらのアプリを利用してフォントをインストールしておくと、より見やすく効果的なプレゼン資料が作れるようになる。

常に編集モードで始められるように設定する

 「Keynote」では、プレゼンテーションを最初に開いたときは表示モードのため、すぐには編集作業に取り掛かれない。これは誤操作によるトラブルを防ぐためだが、作業を始めるときにひと手間かかるのは面倒だ。もし、すぐに編集を始めたい場合は、プレゼンテーションを開いたら編集モードで表示されるように設定を変更しておこう。

画面右上にある「…」→「設定」の順にタップする。
設定画面が表示されるので、「編集ビューで開く」をオンにする。これで、最初から編集モードで始められる。

プレゼンの際に「発表者ノート」を活用する

 プレゼンを行う際、そのスライドについて説明する内容をすべて覚えておくことは難しい。仮に覚えていたとしても、緊張のせいで思い出せないこともあるだろう。そこで活用したいのが、「発表者ノート」という機能だ。

 スライドごとにノートを作成できるので、そのスライドのポイントをまとめておけば、プレゼン中に確認しながら進められる。発表者ノートを開くとスライドの編集領域が狭くなるため、必要なときにだけ表示するようにするとプレゼン作成がスムーズになる。

画面左上のアイコンをタップし、「発表者ノートを表示」を選択する。
スライドの下に発表者ノートが表示される。必要に応じて、表示のオンとオフを切り替えよう。

使用する画像の不要な背景を削除する

 スライドに画像を配置する際、背景があると相手に見てもらいたいものが不明確になってしまうことがある。このようなときは背景を削除したいが、そのために画像編集アプリで画像を加工するのでは手間がかかる。

 「Keynote」には、背景を自動で認識して削除する機能が搭載されているので、これを使えばワンタップで背景の削除が可能。精度もかなり高く、被写体と背景の境界がはっきりしている画像なら、一発で削除してくれる。

配置した画像をタップし、メニューの「背景を削除」をタップする。
背景が認識されて薄くなる。問題なければ「リセット」をタップする。
これで画像から背景が削除された。

画像を任意の形に切り抜く

 画像を切り抜いて、一部分だけを表示させたいこともあるだろう。ただ、トリミングをしても、不要な部分が残ったり、逆に必要な部分が消えてしまったりすることも多い。このような場合は、図形を使ってマスクすれば比較的きれいに切り抜ける。

 やり方は難しくなく、表示させたい部分に任意の図形を配置し、画像と図形を選択して「図形でマスク」を選択すればいい。なお、1枚の画像に対してマスクとして使えるのは、ひとつの画像だけだ。複数の図形を利用できない点は注意してほしい。

図形アイコンをタップし、切り抜く形の図形を選択する。
切り抜いて残す部分に図形を配置したら、図形をタップ。表示されたメニューの「オブジェクトを選択」をタップする。
表示されたメッセージの「すべてを選択」をタップ。オブジェクトがすべて選択されたら「終了」をタップする。
表示されたメニューの「図形でマスク」をタップする。
スライダーで画像の大きさを調整する。マスク部分にぴったりと合う大きさにできたら「終了」をタップ。
これで画像の一部分を切り抜けた。

Web上の動画をスライドに貼り付ける

 最近は、プレゼン資料に動画を貼り付けて説明する場面も増えてきた。この際、「YouTube」などにアップされている動画なら、URLを指定すればプレゼンテーションの中に直接貼り付けられる。

 貼り付けた動画は、プレゼンテーション中に再生もできるので、動きのあるプレゼン資料を作成できる。ただし、この方法で貼り付けた動画は、ネットへ接続されていないと再生できないので、プレゼン時にネット接続できる環境であることを必ずチェックしておこう。

YouTube動画を貼り付ける場合は、「YouTube」アプリで該当動画を再生し、「共有」→「コピー」をタップする。
「Keynote」で動画を配置するスライドを表示し、写真アイコン→「Webビデオ」をタップする。
ビデオの追加画面が表示されるので、動画のURLを貼り付けて「挿入」をタップする。
これで動画が貼り付けられた。再生ボタンをタップすれば、スライド上で動画を再生できる。

Apple Pencilでスライドに直接書き込む

 iPadの「Keynote」では、Apple Pencilなどのペンデバイスで直接書き込むことが可能。工夫すれば、手書きで温かみのあるプレゼンテーションが作れる。ほかのプレゼンとは一線を画したものにできるので、自信のある人は試してみてほしい。

 ペンデバイスで書き込むと、その部分全体がオブジェクトとして扱われる。そのため、ほかのオブジェクトと同様に、拡大・縮小やアニメーションなどの効果を適用できる。

ペンデバイスが画面に触れると、画面下部にペンツールが表示され、すぐに書き込める状態になる。手書きを終了するときは「完了」をタップする。
書いた部分はオブジェクトとして扱われるので、サイズを変更したり、移動したりできる。

オブジェクトをアニメーションさせる

 「Keynote」では、作成したオブジェクトをアニメーションさせることが可能だ。さまざまなアニメーションが用意されており、メリハリのあるスライドを作成できる。ただし、アニメーションを使い過ぎると、見てほしい場所が曖昧になってしまうおそれがある。そのため、アニメーションは、ここぞという場面で使うようにしたい。

 iPadならではのユニークな使い方は、手書きしたイラストを描いていくように見せられる効果だ。自分が描いたとおりに再現してアニメにするので、見ていて非常に楽しい。このようなアニメを目玉となる部分で挿入しておくと、雰囲気のあるものに仕上げられるだろう。

手書きしたオブジェクトをタップ。表示されたメニューの「アニメーション」をタップする。
表示されたメニューの「ビルドインを追加」をタップ。
アニメーションのメニューから「線描画」をタップ。手書きアニメーションのプレビューを確認し、「完了」をタップする。

3Dモデルを挿入する

 3Dモデルとは、3次元のデータとして作られた立体的なモデルデータのこと。3Dで描かれているので、前後、左右、上下など、全方向からその形が見られる。

 「Keynote」は、汎用的な3Dモデルのファイル形式である「USDZ」フォーマットに対応しており、読み込んで配置できる。例えば、製品写真などの3Dモデルを撮影して配置しておけば、さまざまな向きで見せられるので、相手にとってもわかりやすい。

3Dモデルを配置するスライドを表示し、写真アイコン→「挿入元」をタップする。
ファイルの選択画面が表示されるので、3Dモデルのファイルを選択し、「開く」をタップする。
これで3Dモデルが挿入された。中央に表示されているアイコンをドラッグすると、3Dモデルを回転できる。

 ちなみに3Dモデルの作成には、アップルが提供するiPhone/iPad向けのアプリ「Reality Composer」を使うのが手軽だ。このアプリは、LiDARスキャナーを搭載するiPhoneまたはiPadを使って、被写体をグルッと回りながら撮影することで3Dモデルを作成できる。プレゼンの幅を広げられるので、ぜひ使ってみてほしい。

【アプリ情報】 Reality Composer 作者:Apple 価格:無料 https://apps.apple.com/jp/app/reality-composer/id1462358802

「Reality Composer」は、LiDARスキャナーを搭載するiPhoneまたはiPadで3Dモデルを作成できるアプリ。手軽に3Dモデルの作成が可能だ。

iPhoneをリモコンにしてプレゼンをする

 プレゼンするときは、iPadの画面を操作しながら行うことになる。外部モニターに映し出せるなら問題ないが、iPadの画面でプレゼンする場合、操作も見せることになるため、双方にとって煩わしいだろう。

 そこで使いたいのがリモート機能。「Keynote」はアップルの連係機能に対応しており、iPhoneをリモコン代わりにできるのだ。外部モニターに映し出している場合でも、自由に動いて話せるので、豊かな表現が可能になる。

 iPhoneをリモコンにするには、iPadとiPhoneが同じWi-Fiに接続されていることを確認する。次に、iPad側の「Keynote」でリモートコントロールを有効に設定しよう。最後に、iPhone側でペアリングすれば設定は完了だ。

画面右上にある「…」→「Keynote Remote」の順にタップする。
表示されたメニューの「リモートコントロールを有効にする」をオンにする。メニューはこのまま表示しておく。
iPhoneで「Keynote」を開き、リモートアイコンをタップ。次の画面が表示されたら「続ける」をタップする。
iPadのメニューに「iPhone」が表示されるので「リンク」をタップする。
iPadとiPhoneに同じ番号が表示されていることを確認し、iPad側で「確認」をタップ。iPhoneがリモコンとして動作するようになる。

 これで、iPhoneを使ってプレゼンの操作が可能だ。iPhoneの「Keynote」アプリに表示されている「再生」をタップすると、プレゼンを開始できる。あとは、iPadと同様に操作すればいい。

iPhone側に表示されている「再生」をタップすると、プレゼンテーションモードが始まる。あとはiPhoneで操作すればいい。

 なお、iPhone側で発表者ノートを確認したい場合は、画面右上からレイアウトオプションを選び、ノートが表示されるレイアウトを選択すればいい。

レイアウトアイコン→「現在とノート」をタップすると、スライドの下に発表者ノートが表示される。

 今回は、「Keynote」をもっと活用するためのさまざまな方法について紹介してきた。これらを知っていると、効果的なプレゼン資料が作れるようになるだろう。

 ここで紹介した以外にも「Keynote」には便利な機能が多く搭載されている。これらは実際に使いながら発見してもらいたい。

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