約3万円でFeliCa対応のOPPOの新エントリー機「OPPO A3 5G」はメイン機として使え、回線マニアも納得の格安機種
ASCII.jp / 2025年1月19日 12時0分
OPPOから格安なスマートフォン「OPPO A3 5G」が登場した。約3万円でFeliCaやNFCなどに対応する機種で、メインで使うための機能がひととおり揃っていて、かつ最も安価な価格帯の製品となる。メーカーから試用機を借用したので、実際に格安SIMと組み合わせて、メインの機種として使い物になるか試した。
スペック的には厳しい感じもするが 実際に使ってみると意外に使いでがありそうな1台
OPPO A3 5Gといえば、発表会時に画面でクギが打てる頑丈な機種とアピールされていたので、そうした記事が記憶にあるという読者もいるかもしれない。一方でスペックは控えめで、CPUにMediaTek Dimensity 6300、4GBメモリー、6.7型液晶(120Hz対応)の画面解像度は1604×720ドットといった具合で、製品への期待度はさほど高くないという声も見られた。
実際にDimensity 6300も性能はと言うと、ベンチマークの数値で見ると、同価格帯のライバルと言えるシャオミ「Redmi 12 5G」に搭載するSnapdragon 4 Gen 2の方が若干数値が高いくらいだ。
実は筆者も期待度がやや低めだった1人なのだが、実際に手にしてみると、頑丈という印象よりも、189gとあまり重くないボディーに、スペックを言われないとさほど気にならない画面解像度、そして解像度の関係もあってか想像よりもサクサク動くことから、「意外に使える機種」というのが第一印象だった。
もちろん「サクサク動く」の定義は人によってさまざまではある。筆者の基準の1つとしては、アプリを複数開いたあと、ホームボタンを押してホームに戻るまでの間があるかどうか。
エントリークラスの製品だとここに大きな間が存在することが多い。ホームアプリや各種アプリのインストール数、使用状況によって変化はするが、メイン機として使うためにひととおりのアプリを入れた状態で、ホームボタンを押してから2~3秒かかってしまうようでは、やはり実際の操作感に響く。
ところがOPPO A3 5Gはそうした嫌な間がなく、ホームボタンを押せばサッとホームに戻る。初期状態でサクサク動くのは当たり前なので、筆者がよく使うアプリを導入するなど、環境を作った後でもその状態はほとんど変わらなかった。
前述のRedmi 12 5Gでは、8GBメモリーのモデルでも複数アプリを開いた後にホームに戻る際、一瞬もたつくことがある。実際には、使いこんで何ヵ月も経つと状況が変わってくる可能性もあるが、OPPO A3 5Gはなかなか使える機種という判断になった。
5G対応で物理SIMが2枚使えるのが格安SIMマニアはうれしい
そして格安SIM好きにとって、OPPO A3 5Gの大きなメリットが物理SIMが2枚使えること。最近のデュアルSIM機はnanoSIM+eSIMで物理SIMは1枚だけというものが主流だが、OPPO A3 5GはnanoSIM×2とnanoSIM+eSIMのどちらも可能なのだ。
たとえば、3年ほど前に大きな回線トラブルが続いたことがあって、予備回線の活用が話題になった。最近は大きな障害がないが、大きな障害が油断したころにやってくる。非常時には物理SIMの差し換えができるとやはり便利だ。
そもそも、非常時にeSIMの発行とアクティベーションのシステムが正常に動いているとは考えにくい。eSIMの登録にもネット回線が必要なため、非常時にeSIMを交換するのは無理だと想定するのが自然だろう。
また、eSIMを事前に入れていたとしても、自分の1枚目のSIMとeSIMの通信事業者が同時にトラブルを起こす可能性がないとも言い切れない。そうした場合に、物理的なSIMの差し換えだけで回線を変えることができて、しかも2枚入る本機は価値があると言える。
今のメイン機に必要なFeliCaやマイナンバーカード対応
今の時代にメイン機として活用する際に不可欠なのがFeliCaやNFCへの対応。おサイフケータイ機能で買い物や電車に乗るだけでなく、ほかのICカードの残高を読み取ることもできるなど便利に使える。
また、重要度が増しているのがマイナンバーカード対応だ。
OPPO A3 5Gは2024年12月に発売した機種であるが、すでにマイナポータルの「マイナンバーカードに対応したNFCスマートフォン一覧」「スマホ用電子証明書に対応」のどちらにも載っている。最新機種でも電子証明書への対応が遅れている機種もあるなかで、なかなか優秀だ。
今後、スマートフォンで健康保険証として利用する計画もある。マイナンバーカードを巡るサービスの是非には議論もあるものの、対応しておいて損はない。その点でも、OPPO A3 5Gはメイン機になりえるスマートフォンと言える。
高度なゲームもしない、カメラにこだわらないなら問題なし
OPPO A3 5Gを1週間ほどたくさんのアプリをインストールして使ってみたが、特に困ることはなかった。筆者は高い処理性能を要求するスマホゲームはしないこともあるが、多少のもたつきは感じても普通に使えてしまった。
操作性についても、今のOPPO機は音量と電源ボタンが右側に集中するほかのAndroid機と同じスタイルになった(以前は左右に分かれていた)。システムナビゲーションを画面表示のボタンにすると、「戻る」ボタンが右側とややクセがあるが、一般的な左側への変更も可能だ。
なお、スピーカーがモノラルなのは少々残念だが、イヤホン端子はしっかりあるので、有線イヤホンを使うこともできる。
また少し前のエントリー機だと、カメラにこだわらないにしても性能が不十分なものも多かったが、OPPO A3 5Gは必要十分という印象。望遠も超広角もない実質シングルカメラだが(2つめのカメラは深度用)、特に困ることはなかった。写真にこだわらない人なら、不満なく使えると思われる。
最新の普通に使える安価なエントリースマホ
市場にはOPPO A3 5Gよりも価格では下の製品もあるが、実際に1台目のスマートフォンとして使うのなら、普通に動く性能とFeliCaやNFCへの対応が必要になるため、OPPO A3 5Gが事実上最も安価な1台とも言える。
現在、本機を大手家電量販店で単体購入する3万2800円(+10%ポイント還元)前後の値段が付いているが、格安SIMを含め回線購入と同時ならばもう少し安く買うこともできる。
前述のRedmi 12 5Gやモトローラ「moto g64 5G」という強力なライバル機も存在するが、OPPO A3 5Gはこのなかで最も新しいだけでなく、画面でクギが打てる(もちろんそうした行為を推奨しているわけでない)というほどの頑丈性能に気に入ったなら、選んで損はないモデルと言えそうだ。
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