独自DACや交換式アンプに心がおどる、iBasso AudioのフラッグシップDAP「DX340」発売
ASCII.jp / 2025年1月24日 11時0分
MUSINは1月24日、国内向けにiBasso Audioのフラッグシップオーディオプレーヤー「DX340」を発表した。価格はオープンプライス。店頭での販売価格は28万7100円程度になる見込み。発売は1月31日を予定している。
DACはディスクリートで組んだ独自回路
DX340は秋のヘッドフォン祭 2024でも参考展示されていた製品。ディスクリートで組んだ独自開発の1bit DAC(PMW-DAC)やデュアルバッテリーシステムの搭載、ステンレス合金製のボディなどが特徴だ。
音源のデジタル信号の音源をアナログ信号にD/A変換する際、一般的なプレーヤーでは汎用的なDACチップを使うが、DX340では独自に設計した回路(ディスクリートDAC)を使う。ここが大きなポイントだ。
ディスクリートDACの前段で活躍するのが、最新版のFPGA-Master 3.0。SoCからオーディオ・データを直接要求するオーディオ・マスターとして機能する。ここで音源のデジタルデータを変換して1bit信号(PMW信号)を生成する。その信号がPWM-DACに送られ、アナログ信号として出力される仕組みだ。PWM-DACの数は合計で128(カスケード接続した8E PWM-DACを16セット)。これをLchの±とRchの±の出力に32ずつ割り振ることでバランス出力を実現している。その結果として非常に低い歪み率(THD+N:-119dB)と高いS/N比(123dB)が得られる。
FPGA Master 3.0では、前世代に比べて回路規模が7.5倍となり、高調波調整のための新しいアルゴリズム(ハーモニックフィルター機能)を追加している。一般的な「Original」「Natural」に加えて、偶数倍音を増加する「Even+」と奇数倍音を増加する「Odd+」、偶数・奇数倍音を増加する「All」の設定が選べるようになった。
メーカーの説明によると、DX340はハーモニックフィルターを用いることで「高解像度でハイコントラストなサウンドから、倍音付加による個性的なサウンドへ変幻自在」であり、「ユーザーによる『セルフ・チューニング』が実現」できるという。
このうちEven+は偶数倍音を加えたエモーショナルなサウンド、Odd+は奇数倍音を加え、音像が明るく一体感のあるサウンド、ALLは偶数・奇数倍音の双方を加えたサウンドとなのことだ。
FPGA Master 3.0は、FPGAによる単一システムクロックの完全同期設計により、ジッターを最小限に抑え、清澄なデジタル・オーディオ・システムが構築されている。一音一音が正確でクリア、そしてピュアで繊細だという。そのために、ノイズが-158dBc/Hz@1kHzと低いAccusilicon製のフェムトクロック水晶発振器を2個搭載。単一の完全同期クロック・ソースを構成することで、ピコ秒精度の制御が可能とのことだ。
交換できる専用設計のアンプカードが付属
また、アンプなどアナログ基板を交換できる「AMPカード」の仕組みを踏襲。DX340ではDC12V電源入力に対応した、新開発の専用AMPカード「AMP15」が採用されている。DC12Vの外部電源に接続することで、Super Gain Modeがオンになり、ノイズの影響が少なくなるほか、最大2150mW+2150mW(32Ω)の出力が可能になる。加えて、既存のAMP1Xシリーズ、AMP12、AMP13、AMP14なども使用できる。
デジタル部とアナログ部で異なるバッテリーを使うデュアルパワーシステム
電源はデジタル部分とアナログ部分を独立させた「デュアルパワーシステム」(4000mAh/3.8Vと2100mAh/3.8V)。本国特許を取得した技術で、デジタル回路とアナログ回路の相互干渉を減らし、電力供給や過渡応答などが安定するのが特徴。
アンプ部の電源供給が安定すると、DAC部を電磁干渉から隔離できるなど、電源不足や非安定性による悪影響を排除でき、音質劣化を低減できるという。
アプリ追加が可能なAndroidと音質特化の専用OSを選べる
SoCはSnapdragon 665で、8GBのRAM、256GBのROMを搭載。UFS2.1対応のmicroSDメモリーカード(最大2TB)も利用できる。
OSは2種類が選べる。
ひとつはAndroid 13で、専用アプリケーション「Mango Player」に加え、ストリーミングアプリや好みの再生アプリを追加して利用できる。また、OSのSRC(Sampling Rate Converter)をバイパスする「Non-SRC機能」によって、音源が持つ情報をダイレクトに再生できる点も特徴だ。
さらに、音楽再生にのみ特化したLinuxベースのピュアサウンドシステム「Mango OS」も搭載している。Mango OSでは、高音質再生の基礎となる、デコード処理やドライバーアルゴリズムの蓄積/最適化がなされている。結果、プロセッサーにかかる負荷がとても小さく抑えられる。また、Wi-FIやBluetoothのワイヤレスシステムとの干渉も存在しないため、EMI(電磁妨害)が極めて低い。結果、ノイズレスでピュアなリスニングが可能となり、DX340のポテンシャルを最大限に引き出せるようになるOSだ。
SUS316ステンレス製ハイグレードCNCユニボディ採用
筐体はステンレス素材(SUS316)のCNC削り出し。表面は研磨したサテン仕上げだ。
SUS316は、非磁性のステンレスでは一般的なSUS304よりも耐食性に優れ、硬度も長い素材とのこと。アルミニウム合金の筐体に比べ堅牢で、音響性能も優れているという。
本体サイズはおよそ幅77.5×奥行き19×高さ150mmで、重量は約486g。
ディスプレーは6インチの有機EL(AMOLED)パネルを使用、解像度は1080×2160ドット(タッチ対応)。再生時間は約11時間。本体にはUSB 3.1 Type-Cを搭載。急速充電(QuickCharge 3.0と最大18WのUSB Power Delivery 3.0)にも対応する。
出力端子は4.4mmヘッドホン/4.4mmライン/3.5mmヘッドホン/3.5mmライン/3.5mm同軸デジタル/USBデジタルなど。同軸デジタル出力は最大768kHz、USBデジタル出力は最大384kHz/32bitのPCMとDSD256/DSD128(DoP)に対応する。
USB-DACモード時(ASIO)には最大768kHz/32bitのPCM、DSD512にネイティブ対応(ハードウェアデコード)。デスクトップ向けのフラッグシップDAC/AMPとしてDX340を利用できるとしている。ドライバーレスでも最大384kHz/32bitのPCM、DSD128に対応する。
Wi-FiはIEEE 802.11ac(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.0の送受信にも対応し、標準のSBCのほか、送信時はAAC、aptX、aptX HD、LDAC、受信時はAACコーデックの利用が可能。
4.4mmバランスヘッドホン出力は8.3Vrms (12V DC-IN)、6.23Vrms(バッテリー動作時)で、最大出力は2150mW+2150mW(32Ω、THD <1%、12V DC-IN)、1200mW+1200mW(32Ω、THD<1%(バッテリー動作時)。周波数特性は10Hz〜22kHz(-0.7dB)、10Hz-40KHz(-2.2dB)。S/N比は123dB、ダイナミックレンジは123dB。THD+Nは-119dB(A特性、600Ω負荷)、-117dB(A特性、300Ω負荷)、-106dB(A特性、32Ω負荷)、クロストークは-140dB。
3.5mmヘッドホン出力は4.2Vrms(12V DC-IN)、3.16Vrms(バッテリー動作時)で、最大出力は550mW+550mW(32Ω、THD <1%、12V DC-IN)、312mW+312mW(32Ω、THD<1%、バッテリー動作時)。周波数特性は10Hz-22kHz -0.7dB、10Hz-40KHz -2.2dB。S/N比は123dB、ダイナミックレンジは123dB。THD+Nは-117dB(A特性、600Ω負荷)、-117dB(A特性、300Ω負荷)、-104dB(A特性、32Ω負荷)、クロストークは-138dB。
4.4mmライン出力は2Vrms。周波数特性は10Hz〜22kHz(-0.7dB)、10Hz〜40KHz(-2.2dB )。 S/N比は123dB、ダイナミックレンジは123dB。THD+Nは-119dB、クロストークは-145dB。3.5mmライン出力は1Vrms、10Hz〜22kHz(-0.7dB)、10Hz〜40KHz(-2.2dB)。S/N比は118dB、ダイナミックレンジは118dB。THD+Nは-110dB、クロストークは-135dB。
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