サムスンがAI強化のハイエンドスマホ「Galaxy S25 Ultra」「Galaxy S25」を発表! 詳細をフォトレポ
ASCII.jp / 2025年1月23日 3時0分
サムスン電子は22日(現地時間)、アメリカ・サンノゼで新製品発表会「Galaxy Unpacked」を開催し、スマートフォン最新製品となる「Galaxy S25」シリーズを発表した。今回はその中から日本投入が発表された「Galaxy S25 Ultra」と「Galaxy S25」のクイックレビューをお届けする。
日本ではSIMフリー版が2月14日に発売する(1月31日から予約開始)。サムスンオンラインショップでの価格は以下のとおり。
- ・Galaxy S25
- 256GB/12万9800円、512GB/14万7000円
- ・Galaxy S25 Ultra
- 256GB/19万9800円、512GB/21万7800円、1TB/25万3800円
薄型軽量化を果たした高性能なAIスマホ Galaxy S25 Ultra
「Galaxy S25 Ultra」はAI機能を大きくアピールしたサムスンのフラッグシップモデルである。2024年1月に発表された「Galaxy S24」シリーズでサムスンは「Galaxy AI」としてオンデバイス翻訳やテキスト要約機能、かこって検索や画像の消しゴムツールなど様々なAIツールを提供。
今回の新製品となる「Galaxy S25」シリーズではGalaxy AIをさらに進化させ、日常生活をより便利にしてくれる機能が充実した。
最上位モデルのGalaxy S25 UltraはチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載。前モデル(Galaxy S24 Ultra)よりCPUは37%、NPUは40%、GPUは30%のパフォーマンスが向上し、AI性能が大きく向上したという。ディスプレーは6.9型で、前モデルの6.8型からわずかだが大型化された。フロントカメラは引き続き1200万画素を搭載している。
今回はチタニウムブラックと、チタニウムシルバーブルーの2色を試用した。ほかにチタニウムグレー、チタニウムホワイトシルバーのカラバリもある。また、国によってはオンライン限定のカラバリとしてチタニウムジェットブラック、チタニウムジェードグリーン、チタニウムピンクゴールドと、合計で7色展開される。
Galaxy S25 Ultraを正面から見て真っ先に気が付くのが、本体の外周形状の変更だ。ディスプレーとベゼルの四隅は丸みを帯びた形状となり、Galaxy S25シリーズのほかのモデルと類似のシルエットとなった。過去モデルを振り返ると、サムスンは2022年にGalaxy NoteシリーズをGalaxy Sシリーズに統合させ、角ばったNoteモデルのデザインが「Galaxy S22 Ultra」に採用された。
その後登場した「Galaxy S23 Ultra」「Galaxy S24 Ultra」も同じ形状だったが、今回のGalaxy S25 UltraでSシリーズ全体のデザインの統一感が図られたと感じられる。
カメラは超広角が1200万画素から5000万画素へと高画質化された。これによりワイド撮影から望遠撮影までより美しい写真や動画の撮影が可能となる。ほかのカメラの性能は前モデルと同様で、広角は2億画素、3倍望遠が1000万画素、5倍望遠が5000万画素のクワッドカメラ構成となる。
本体を手に持って感じるのは、薄さと軽さだ。Galaxy S25 Ultraのサイズは約78×163×8.2mmで、Galaxy S24 Ultraの約78×163×8.6mmから0.4mm薄くなった。重量は218gで、こちらはGalaxy S24 Ultraの233gから15gも軽くなっている。15gといえばだいたい単三の乾電池一本の重さであり、かなり軽量化されたことがわかる。
本体底面はUSB Type-C端子にSIMカードスロットというオーソドックスなデザイン。さらに専用のスタイラス「Sペン」が収納できる。本体の角が丸みを帯びた形状になったが、Sペンの収納位置は従来モデルと大きくは変わっていない。
収納されているSペンを軽く押し込むとバネの力で取り出すことができる。Galaxy AIを使ううえでSペンによる手書き操作は、オブジェクトの選択や生成AIスケッチ利用時のハンドライティングなど、AI機能をより快適に使える。AI機能を謳うスマートフォンは他社からも登場しているが、常に使えるスタイラスを本体に内蔵しているGalaxy S25 Ultraはそれだけで優位性があると感じられた。
バッテリーは前モデルと同様に5000mAhを搭載している。マグネット式のワイヤレス充電器を使うためのケースも純正品が販売される。
スマートフォンの使い方を大きく変える進化したAI機能 背景の不要な部分を削除する機能が極めて強力に
ハードウェアの進化以上に注目されるのがGalaxy AIの機能強化だ。Galaxy S24シリーズでは前述したように翻訳や文章要約などビジネス的なツールや、チャット文章の文体変更や手書きで書いた絵を清書してアート的な絵に書き直すといったクリエイティブ用途にAIが活用された。しかし、これらの機能はすべてのユーザーが日常的に使う機能とは言えない面もあった。一方、Galaxy S25 Ultraには生活をより便利にするAI機能が加わっている。
その進化はディスプレー側面から中央へスワイプして表示される縦長のツールバー「エッジパネル」を見るとよくわかる。エッジパネルにはよく使うアプリを登録したり、最近使ったアプリが表示されるが、Galaxy S25 Ultraのエッジパネルの上部には「AIセレクト」「Now Brief」といった新たなAI機能がデフォルトで表示される。
新たなAI機能は3つだ。「AIセレクト」はユーザーの画面上の操作を認識して、それに最適な操作を示唆してくれる。また、Geminiを使ったアプリ間のシームレスな連携が可能で、たとえば「付近のラーメン屋を検索して、友人にメッセージで教える」といったことがワンステップで可能になる。
そして「Now Brief」は、時間に応じて複数の情報を画面に表示してくれるマルチモーダルなAIだ。たとえば朝、起床するとGalaxy S25 Ultraの画面に「今日の予定」「今日の天気」「昨晩の睡眠状態」が自動的に表示さえれる。夜になると「明日の予定」「今日の写真まとめ」「睡眠に適した音楽プレイリスト表示」が表示されるといった具合だ。従来のパーソナルアシスタントから一歩踏み込み、より実用的な機能になっている。
そして写真や動画の編集機能もAIで強化された。まずGalaxy S25 Ultraのカメラは前述したように超広角カメラも高画質になっており、特に夜間撮影性能が向上している。夜間のビデオ撮影「ナイトグラフィービデオ」はチップセットに初搭載されたSTFにより、ノイズが大幅に低減された。ほかにも10ビットHDR、Log撮影、AIがF値を制御するバーチャルアパーチャなども搭載されている。
生成AIを使った写真背景のオブジェクト消去も進化した。これまでは写真編集時に不要な部分をタップしたり選択する必要があった。しかし、Galaxy S25 UltraではAI編集から「生成AI編集」を選ぶだけで、背景のオブジェクトを自動で選択してくれ、ワンタップで消去できる。もちろん消去されたオブジェクトの部分の背景は生成AIが自然に仕上げてくれる。
新たに加わった「オーディオ消しゴム」は動画撮影を多用するユーザーに重宝される機能だ。撮影した動画をAI編集で開くと、動画内のオーディオを「声」「風」「音楽」のように個別にAIが認識。動画の下にそれぞれのアイコンが表示される。
たとえば風の音が強い場合は、風のアイコンをタップしてボリュームをゼロにすると、強風の中で撮影した動画でも風切り音のないクリアな音声を聞き取ることができる。動画編集アプリで細かい音の編集をする必要もなくなるのだ。
生成AIによる人物写真の自動加工・生成を行なう「ポートレートスタジオ」機能も強化されるなど、Galaxy S25 Ultraは「日々使いたいと思わせる」AI機能を搭載している。
順当な進化の小型ハイパワーモデル Galaxy S25
シリーズの中で小型モデルのGalaxy S25も紹介しよう。チップセットはGalaxy S25 Ultraと同じSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載。ディスプレーは6.2型でフロントカメラは1200万画素。このあたりは前モデルとスペックは変わっていない。
本体のカラバリはネイビー、ミント、シルバーシャドー、アイシーブルー。一部の国ではほかにもブルーブラック、コーラルレッド、ピンクゴールドがオンライン限定色として展開される。
本体サイズは前モデルGalaxy S24の約71×141×7.6mmから、Galaxy S25は約71×141×7.2mmに、重量は167gから162gへと5g軽量化された。もともと小型のモデルであることもあり、片手使いをするユーザーにとってより扱いやすくなったと言える。
バッテリー容量は4000mAhでこれも前モデルと同様だ。なお、無線性能の進化としてGalaxy S25 UltraとGalaxy S25はWi-Fi 7に対応している。
Galaxy AIの基本機能はGalaxy S25 Ultraと同等のものが利用できる。日常的なコンパニオンとして使うなら小型モデルのGalaxy S25を選ぶのも十分ありだろう。スマートフォンとしての性能も申し分ない。
カメラは広角5000万画素、超広角1200万画素、3倍望遠1000万画素で、こちらも前モデル同様。Galaxy S25 Ultraのように超広角カメラを5000万画素にしてほしかったところもあるが、両者のターゲットユーザーや価格差を考えると妥当だろうか。
【まとめ】ユーザー視線の「頼れるAIパートナー」が スマホの使い方を変える
Galaxy S25 Ultraはディスプレーやカメラなどハードウェアの進化も見られるが、ユーザー目線に立ったGalaxy AIの進化は、スマートフォンの利用範囲をさらに広げるだろう。より小型軽量化されたGalaxy S25もコンパニオン端末として使いやすくなった。「頼れるAIパートナー」となったGalaxy S25シリーズ、日本での発売が期待される。
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