Snapdragon X採用の超軽量AI PC「ASUS Zenbook SORA」実機レビュー
ASCII.jp / 2025年2月4日 16時0分
ASUSは最軽量構成で899gの超軽量ボディーを実現したCopilot+PC「ASUS Zenbook SORA UX3407」を2月4日に発表、2月5日発売予定だ。
Zenbook SORAはARM系プロセッサー「Snapdragon X Elite」または「Snapdragon X」を採用。軽量ボディーを実現しつつ、最長約29時間のバッテリー駆動時間を実現している。
カラーはザブリスキーベージュ、アイスランドグレーの2色を用意。性能的にも、デザイン的にもどこにでも持ち歩きたくなるようなモバイル特化型のノートPCで、お値段も17万円台からとお求めやすい。
ASUSから試用機を借りたので、スペック、外観をはじめ、Copilot+PCならではの使い勝手、そしてARM系プロセッサーのパフォーマンスなどについて徹底レビューしていこう。
899~980gの超軽量ボディーを実現
Snapdragon XとEliteでディスプレーも異なる
Zenbook SORAには大きく分けて、「Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-78-100」(12コア、最大3.4GHz、45W)搭載の「RA」と、「Qualcomm Snapdragon X X1-26-100」(8コア、最大3.0GHz、28W)の「QA」の2バージョンが用意されている。
ビジネス統合アプリとしては、「Microsoft 365 Basic」(1年間使用権)、「Office Home & Business 2024 」(デジタルアタッチ版)が付属する。
☆Snapdragon X Elite搭載「RA」
・UX3407RA-HA32570
(26万9800円)
Snapdragon X Elite/32GB/512GB/OLED/ビジネス統合アプリ付き、ベージュ/グレー
・UX3407RA-HA32170
(22万4800円) Snapdragon X Elite/32GB/1TB/OLED、ベージュ/グレー
・UX3407RA-HA32570
(21万4800円)
Snapdragon X Elite/32GB/512GB/OLED、ベージュ/グレー
☆Snapdragon X搭載「QA」
・UX3407QA-PU16548
(20万9800円)
Snapdragon X/16GB/512GB/液晶/ビジネス統合アプリ付き、ベージュ/グレー
・UX3407QA-PU16548BE
(17万9800円)
Snapdragon X/16GB/512GB/液晶、ベージュ/グレー
つまりプロセッサー、メモリー、ストレージ、ディスプレー(OLEDまたは液晶)、ビジネス統合アプリの有無、そしてカラーで差別化が図られていることになる。
ディスプレーは「RA」が14型OLED(1920×1200ドット、16:10、60Hz、グレア)、「QA」が14型液晶(1920×1200ドット、16:10、60Hz、アンチグレア)を搭載。前者は鮮やかな画質、後者は映り込みを低減した見やすさを優先しているわけだ。
インターフェースの構成は共通で、USB 4(40Gbps、映像出力、Power Delivery対応)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A(10Gbps)、HDMI、3.5mmコンボジャックを用意。無線機能は「RA」がWi-Fi 7とBluetooth5.4、「QA」がWi-Fi6EとBluetooth5.3をサポートする。
ボディー材質はASUS独自開発の、セラミックとアルミニウムを融合した「セラルミナム」。米国国防総省調達規格「MIL-STD-810H」準拠のテストをクリアした堅牢性が確保されている。
本体サイズは310.7×213.9×13.4~15.9mm、重量は「RA」が約980g、「QA」が約899g。バッテリー容量はどちらも70Whだが、バッテリー駆動時間は「RA」が最長約29時間、「QA」が最長約19.75時間となっている。
Copilot+PCアプリは最新性能
キーボードもディスプレーもASUSクオリティ
今回、ひさしぶりにARM系プロセッサー「Snapdragon X Elite」を搭載したCopilot+PCを試用したが、AIアプリがx86系プロセッサー搭載Copilot+ PCより新しいようだ。
直近で試用した「ASUS ExpertBook P5」では「ペイント」アプリで「コクリエイター」が含まれていなかったし、「スタジオ効果」で利用できるエフェクトも少なかった。
今後、x86系プロセッサー搭載Copilot+PCも同様の仕様となると思われるが、現時点ではARM系プロセッサー搭載機のほうが新機能を実装する時期が早い可能性がある。
ノートPCとしてのハードウェアはASUSらしく手堅い作りだ。キーボードのキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.2~1.3mm。しっかりとした打鍵感があり、打鍵音も低めだ。
タッチパッドはダイビングボード構造だが、ストロークは浅めで、キーボードと同様に明確なクリック感がある。一部キーが密着している点は慣れが必要だが、少し使い込めばフルスピードで文字入力できるキーボードと言える。
試用機はディスプレーにOLEDを搭載しているが、表面処理がグレアということもあり、非常に鮮やかに画像、映像を表示できる。OLED搭載モデルで映り込みなどが気になったのであれば、アンチグレアフィルムや、反射低減フィルムを貼るといいだろう。
207万画素赤外線(IR)カメラは、RGBカメラとIRカメラが分かれているので、良好な画質を得られている。しかし、Windows 11の「カメラ」アプリでHDRをオン、オフしても画質に違いは感じられなかった。
ただ、Exif情報のカメラの項目は、HDRオフで「QCAM-AA」、HDR proオンで「ASUS Zenbook 14 UX3407RA_UX3407RA」と表示され、撮影パラメーターも変化している。室内灯が点灯しているような環境では画質に差が出ないぐらい、カメラの素の性能が高いのだと思われる。
CPUベンチでは12コアらしい性能を発揮
エミュレーションではやはり不利な結果
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回は比較対象として、同じ「Snapdragon X Elite X1E-78-100」を搭載する「ASUS Vivobook S15」、「Core Ultra 7 258V」(8コア8スレッド)を搭載する「ASUS ExpertBook P5」を使用している。
まずCPU性能については、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)でSORAはS15に対して101%相当、P5に対して109%相当、CPU(Single Core)でSORAはS15に対して100%相当、P5に対して60%相当のスコアを記録した。
また、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)でSORAはS15に対して101%相当、P5に対して172%相当、CPU(Single Core)ではS15に対して100%相当、P5に対して90%相当のスコアを記録した。
CINEBENCH R23ではエミュレーション動作、CINEBENCH 2024ではネイティブ動作でパフォーマンスが計測されている。CPUのマルチコア性能は、Snapdragon X EliteはCore Ultra 7 258Vに対して、エミュレーションではやや上、ネイティブでは大幅に高い性能を発揮するわけだ。
一方3Dグラフィックス性能については、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のFire StrikeでS15に対して101%相当、P5に対して70%相当、Wild LifeではS15に対して93%相当、P5に対して64%相当のスコアを記録。
3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)では、S15に対して101%相当、P5に対して75%相当、3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)では、S15に対して101%相当、P5に対して55%相当のスコアを記録した。
これらのベンチマークはSnapdragon X Elite搭載機でエミュレーション動作となっているため、Core Ultra 7 258V搭載機に対して後塵を拝している。とは言え、Snapdragon X Elite搭載機でも、ファイナルファンタジーXIVクラスの3Dゲームであれば実用的な速度でプレイできるわけだ。
ストレージ性能については、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)でS15に対して134%相当、P5に対して107%相当、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)ではS15に対して102%相当、P5に対して66%相当のスコアを記録した。
SORAはPCIe Gen4 x4接続SSD「MTFDKBA512QGN-1BN1AABGA」を搭載しているが、ライト性能はP5が搭載するSSDにやや及ばないことになる。
AIベンチマーク「Procyon」のAI Computer Vision BenchmarkではS15に対して100%相当、P5に対して180%相当のスコアを記録した。
AI処理の内容によって結果が変わる可能性はあるが、本ベンチマークでは、NPUが45TOPSのSnapdragon X Eliteは47TOPSのCore Ultra 7 258Vを上回るAI性能を発揮したことになる。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度、ボリューム40%の状態で「PCMark 10 Video Battery Life」を実行したところ、20時間20分動作した。1日外出するだけなら、ACアダプター、モバイルバッテリーを携行する必要はないだけのスタミナ性能を備えている。
高性能な「RA」
超軽量でコスパ優れる「QA」
どちらを選ぶ?
Zenbook SORAを総括すると、「RA」はパフォーマンスが高く、メモリー&ストレージが大容量で、バッテリー駆動時間が長い。
一方、「QA」は約899gの超軽量ボディーを実現しつつ、手頃な価格だ。またディスプレーも前者がOLEDでグレア、後者が液晶でアンチグレアという点も大きな違いだ。
購入する際には、ご自身が重視するスペックを熟慮して、最適な1台を選んでほしい。。
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