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サムスン「Galaxy」ついにソフトバンク入り 音声版「消しゴム」機能に驚いた

ASCII.jp / 2025年1月27日 7時0分

 サムスン電子は1月22日(米国時間)、新製品「Galaxy S25シリーズ」を発表した。日本ではNTTドコモ、KDDIに続き、ついにソフトバンクでも取り扱われることになった。

 今回のGalaxy S25シリーズ、最大の特長は「AIの進化」だ。

 昨年から各メーカーで「AI機能」を競う動きが出ていたが、メール文書の要約や下書き、画像の処理などが中心であった。アップルも世界的にはAI機能を訴求しているが、残念ながら日本語には対応していないということで、日本での「Apple Intelligence」の盛り上がりは今ひとつだ。

 そんななか、Galaxy S25シリーズでは新たに「アプリ間の連携」という機能を載せてきた。これは複数のアプリをまたいで、AIに指示ができるというものだ。

アプリ連携で“コピペ”不要に

 例えば「近所のイタリアンを検索して、妻にメッセージしておいて」といったように「検索をお願いしつつ、結果をメッセージで送る」といったことを「一言で」完了できる。

 ほかにもプロスポーツの試合日程を検索し、その結果をカレンダーに記載しておく、YouTubeの動画で語られた内容をノートアプリに記入しておくといったことが可能だ。

 サムスン電子では、こうしたアプリ間の連携は「メーカー初」だという。

 AIによってアプリ間の連携がとれるようになると、スマートフォンの操作性は劇的に進化するだろう。

 これまで、スマホで調べ物をした際、出てきたテキストを他のアプリで使おうと思うと、指で長押しして、コピペのメニューを呼び出し、コピーしたい範囲を選んで、コピーし、他のアプリを起動してペーストするという厄介な操作をしなければならなかった。

 これがAIに任せられるとなれば、面倒な操作からおさらばできる。実際、Galaxy S25シリーズでどこまで便利になるか、まだ深く触れていないので未知数なところはあるが、是非とも期待したい進化ポイントといえる。

グーグルに先駆けたAI機能

 今回、サムスン電子が、このようなアプリ連携をどのメーカーよりも先に市場に投入したことで、AIスマホ競争でかなりリードしたように感じる。

 本来であれば、Androidを提供するグーグルが、Pixelでいち早く実現しそうなイメージがあるが、グーグルにおいてはGeminiアプリがメインとなっており、なかなかAndroidの操作性にAIを落とし込めている感じがしない。

 Gemini Liveなど、雑談の相手になってくれるAIは、絶え間なくしゃべってくれるなど、本当にすごいAIなのだが、AndroidとAIが融合しているかといえば、まだ道半ばという感じがしているのだ。

 一方、サムスン電子は、昨年のGalaxy S24シリーズからオンデバイスAIを訴求し、「Galaxy AI」として、いち早く「One UI」というユーザーインターフェースにAIを組み込んできた。今回もベースはGeminiなのだが、サムスン電子の「One UI」として他のAndroidメーカーときっちりと差別化できているのは間違いないだろう。

触って驚いた「オーディオ消しゴム」

 実際にGalaxy S25 Ultraを触ってみて、個人的にかなり驚いたのが「オーディオ消しゴム」だ。

 動画を撮影した際、AIによって、余計なノイズを消去することが可能なのだ。しかも、単にノイズを消すというのではなく、音声、音楽、風、自然、人混み、ノイズといったように音を種類ごとに認識、分離し、それぞれで音量を調整するといったことができるのだ。

 普段YouTubeをやっていることもあり、動画を撮影することが多いのだが、見ている人から音声に対するクレームが本当に多い。「聞き取りづらいから再生するのをやめた」というコメントがあったりすると、結構、凹むのでつらい。

 通常、スマホで動画を撮影した際は、パソコンでアドビの動画編集ソフト「Premire Pro」を使い、ノイズを減らしたり、音声部分のボリュームを上げたりしているのだが、これが結構、面倒くさい。

 そんななか、Galaxy S25シリーズの「オーディオ消しゴム」は、ノイズを消去しても、残した音声はかなり自然な感じとなっており、かなり使い勝手がいいと思えた。

 スマホのAIが進化することで、これまでパソコンでしていた作業から解放されるというのは、かなり画期的なことではないか。

 スマホのAIはまだまだ始まったばかりだが、着実にできる機能が増えており、ユーザーが感じる「不便」を解消してくれる方向に進化している。

 特に、スマホにおいては、オンデバイスAIとして、スマホの中で処理することで、個人の情報をしっかりと守りつつ、もっと負荷のかかる処理はクラウド上でするという「両輪」で、ユーザーに利便性を提供できる。もちろん、カメラやマイク、位置情報などを組み合わせらえるというスマホならでの特長も、パソコンには真似しにくい点といえそうだ。

「AI画像」がわかる仕組みも導入

 もうひとつ、注目しておきたいのが、Galaxy S25シリーズで「コンテンツ・クレデンシャル」に世界で初めて対応したという点だ。

 Galaxy S25シリーズではAIがイラストを描くことが可能だが、これが一般的に広まると「人間が描いたものなのか、AIが描いたのか」がわからなくなってくる。

 そのため、アドビやマイクロソフト、デジカメメーカー、メディアなどが集まりC2PAという業界団体を設立。コンテンツに対して処理が施された履歴などがわかるような仕組みが作られ、普及しつつある。スマホAIで世界の先頭を走ろうとするサムスン電子としての社会的責任の表れだろう。

 今回のGalaxy S25シリーズの登場によって、AIスマホの可能性をさらに感じられたように思う。いまのところ、サムスン電子が一歩リードしている感があるが、2025年は他社もキャッチアップしてくるだろうし、その際に、サムスン電子がどのように引き離すのか、これからも注目しておきたい。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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