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Galaxy S25シリーズを取り扱うソフトバンク、10年ぶりの復活にはGalaxy AIが決め手だった

ASCII.jp / 2025年1月25日 12時0分

ソフトバンクがGalaxy S25シリーズを導入する理由とは?

 22日(現地時間)にアメリカ・サンノゼで開催された「Galaxy Unpacked」イベントで、サムスンが発表したGalaxy S25シリーズは、日本でも「Galaxy S25」「Galaxy S25 Ultra」の2機種が発売されることは既報のとおり。

 Galaxy Sシリーズはここ数年、日本の大手4キャリアのうちドコモとauから販売されてきた。だがGalaxy S25シリーズはソフトバンクからも登場し、3キャリアから製品が出そろう格好となる。Unpackedの会場で、ソフトバンクのコンシューマ事業推進統括、寺尾洋幸氏に話を聞き、ソフトバンクの戦略を考察した。

10年ぶり復活を決めた理由は Galaxy S25シリーズの「あの」機能

 ソフトバンクからのサムスン製品の登場は10年ぶりとなる。他メーカーのスマートフォンは3キャリアが同時に扱うケースが多いが、世界でも有数のトップメーカーであるサムスン製品がソフトバンクから10年も出てこなかったことは驚きでもある。もちろんその背景には様々な理由があっただろう。

 だが寺尾氏は「Galaxy S25シリーズの新しい機能向上がソフトバンクで取り扱うきっかけとなった」と話す。それはAI機能だ。

 ソフトバンクはAI系スタートアップのPerplexityと戦略的提携を結ぶなど、グループ全体としてAIの活用を推進している。2024年はAI元年と言われたが、2025年はより消費者に寄りそうサービスとしてAIが活用されるようになるだろう。

 ソフトバンクが提供するAIサービスの入り口となるのがスマートフォンであり、今回の新製品のGalaxy AIは、それを実現できるレベルの機能や性能を持った製品ということなのだ。

サムスン製スマートフォン導入の経緯を語るソフトバンクの寺尾氏

 Perplexityとの提携や、ソフトバンクがほかに扱うグーグル「Pixel」のGemini、アップル「iPhone」のApple Intelligenceなど、AIに関しては様々なサービスやソリューションを提供していくことになる。

 これらに加え、Galaxy AIが使える端末としてGalaxy S25シリーズを投入することで、ユーザーの混乱、サービスのバッティングはないのだろうか? 寺尾氏は「AIはまだまだ始まったばかりのサービス。どれが優れているとか、どれかのAIだけに絞るという段階ではない」という。

 たしかに各スマートフォンメーカーやPCメーカーのAIを見ても、生活を変えてくれるほどのサービスはまだ出てきていない。その中でGalaxy S25シリーズの発表会でサムスンが見せた生活エージェント「Now Brief」は、他社より一歩進んだ生活支援型AIとも言える。

 各社が今後AI機能を拡充させていくだろうから、複数のメーカー、複数のAIサービスを提供する方が通信キャリアにとってもメリットは大きいだろう。

Now BriefはAI機能を「生活アシスタント」に進化させた

 これから増えていく「AIスマホ」の売り方に関しても、寺尾氏は「これだ! という売り込み方は決まっていない」と言う。AIそのものがまだまだ多くの消費者にとっては遠い存在だと考えているからだ。そのため「まずはAIを体験していただくことが重要」とのこと。

 たとえば寺尾氏はGalaxyスマートフォンで翻訳アプリを便利に使っている。相手の話していることを日本語にしてくれるだけでもAIの優位性を感じているとのことだ。AI機能はユーザーごとに、どんな機能が求められ、便利であると感じるかは異なるだろう。

 様々なアイディアを、時にはメーカーからの提案を受けながら、スマートフォンのAI機能を広めていきたいとのことだ。

端末の売り方が変わる時代だからこそGalaxyが必要

 サムスン製品取り扱いを決めたもう1つの理由が、2024年12月の「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」だ。簡単に言えば、特定の端末だけを特別に安くして販売することが今後はできなくなる。そうなるとキャリアとしては取り扱い端末を増やすことが必要となるわけだ。

 しかも近年、日本におけるサムスン端末の人気も高まっている。他キャリアにはGalaxyがあるのにソフトバンクにはない、という状況では顧客獲得の面でも不利になる。今回の新製品、Galaxy S25シリーズは新たな顧客層開拓を図ることのできる製品になるわけだ。

 幸いにもソフトバンクなど各キャリアが自社専用端末を販売していた10年以上前の状況とは異なり、現在はGalaxy S25シリーズなどグローバルで販売されている端末をそのまま日本へ導入できる場合もある。キャリア専用機ではそれこそかなりの数のオーダーが必要だったが、スマートフォンではより少ない数での導入もできる。もちろんこれはメーカー(サムスン)との協力体制が必要だ。

Galaxy S25 Ultra、Galaxy S25のフルラインナップを投入

 また、サムスンはスマートフォンだけではなく、ネットワーク事業も展開している。今回のスマートフォンの導入をきっかけに、サムスン製の5Gネットワーク機器の導入も進めていくのだろうか? 寺尾氏は「可能性があるともないとも、現在は断言できない」と語るに留めた。5Gの先の6G技術の導入や、中国系ネットワーク機器の安全面など、ネットワークベンダーの導入には慎重な検討が必要だろう。

サムスン製品を本気で販売していく

 10年ぶりに取り扱うサムスン製品について、ソフトバンクはどのように販売していくのだろうか。「そもそも弊社がサムスン製品を扱っていたことを知らない消費者の方も多く、改めて新規メーカーの製品として全力で販売をかけていく」と寺尾氏は話す。

 この春は新学期シーズンでもあり、それに合わせてサムスンやアップル、グーグルなどスマートフォンのラインナップを増やすことは大きな武器にもなる。ドコモ、auとの販売競争も活発化するだろう。

 Galaxy Sシリーズ以外については「別のモデルの展開も進めていく」と寺尾氏は説明する。手始めに「Galaxy Ring」などウェアラブルデバイスも傘下企業を通してGalaxy S25シリーズと同時に一部店舗で販売が始まる。今後はワイモバイルなどからGalaxy Aシリーズなどが出てくることも期待できそうだ。

Galaxy Ringもソフトバンクから発売になる

 サムスン製品の取り扱いについて、寺尾氏はGalaxy AIだけではなくほかの製品とのコネクションに期待しているという。1月にラスベガスで開催されたCESを訪問した寺尾氏は、サムスンブースで家電やヘルスケア製品とスマートフォンなどの連携機能を視察してきた。

 家電連携は何年も前から各社がサービスをはじめているが、普及はなかなか進んでいない。それでもAIスマートフォンやAI家電が出てくれば、シームレスな連携の実現はより現実味を帯びてくるだろう。Galaxy AIを武器に差別化を図った製品展開を行なうソフトバンク、Galaxy S25シリーズの展開に期待したい。

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