息するように地味に光る日本人向きシリコンUSBケーブルを衝動買い
ASCII.jp / 2025年2月1日 12時0分
楽しくて高性能なUSBケーブルを海外通販で衝動買い LEDが点滅するのが特徴だが、スペック的にも高性能
実は2年ほど前に某社のウェブサイトに「日本には楽しいUSBケーブルが見当たらないので海外から買ってみた」というジョーク半分愚痴半分のような記事を書いたことがある。その後、秋葉原や国内通販ではこのときの楽しいUSBケーブルが輸入販売されたようだが、2年も経てばこの世界では大昔、すでにその旬は終了した感じだ。
そこで2年経った今回も、今が旬と思われるUSBケーブルをいくつか衝動買いしてみた。筆者はミーハーでド派手な演出の製品やギミックに惹かれるタイプだが、多くのほとんどの日本人は真面目でUSBケーブルには外観や演出より、完璧な機能性や安全性を求める傾向が強いようだ。
そんな傾向も前提に入れて、今回は心を入れ替えて海外通販でUSBケーブルを探した。ご存じのようにUSBケーブルは、1996年にリリースされたUSB 1.0に準拠したものが登場したのが最初だ。当時の記憶では対応デバイスとして、マウスだけしかなく、その時代がかなり長かったと記憶している。
尻尾のように本体から細いUSBケーブルが生えたマウス以外のなんらかの外部デバイスとホストであるパソコンがUSBケーブルで繋がれたのは、それよりもずっと後だった。それもキーボードやゲームのスティック、せいぜい一部のプリンタくらいの世界だった。
その後、新しいバージョンを発表するごとに性能をアップし、充電機能を含め現在ではあらゆる外部デバイスとホスト(パソコンやスマホ)とを接続するケーブルのデファクトスタンダードとなった。もともと物理的に移動の少ないパソコンをメインとして、周辺機器の接続が主だったのでUSBケーブルの素材にはそれほど注力されなかったのも事実だ。
そんなUSBケーブルだったが、モバイル機器の急激な増加や環境の変遷、SDGsの影響を受けてこの10年ほどの間に大きく変化してきた。安価なPVC(ポリ塩化ビニル)被膜でスタートしたUSBケーブルは、その後はTPE(熱可塑性エラストマー)、布巻きケーブル(ナイロン編み込み)、シリコン素材というように現在まで何度か変遷してきている。
この先は、ステーショナリーや腕時計、家電製品などと似てバイオプラスチック・リサイクル素材採用の方向に向かうのかもしれない。筆者はまだそれら素材を使ったUSBケーブル製品は見たことがない。いずれにせよデジタル世界では一部のオーディオケーブル製品のような、法外な価格の製品は登場しにくいピュアデジタルな世界だ。
今回購入したうち3本が布巻、もう1本がシリコン系 シリコン系は柔らかく、滑らかで絡みにくい
今回は筆者があくまで外装素材や採用カラーを気に入って衝動買いしたUSBケーブルの4本をご紹介したい。3本が布巻きケーブル(ナイロン編み込み)系。1本がシリコン系素材だ。一般的な特徴は布巻きケーブル(ナイロン編み込み)系は耐摩耗性が高く絡まりにくいことと好みにもよるが見た目がスタイリッシュなことだ。製造コストはPVCやTPEに比べるとやや高めだろう。
一方、流行りのシリコン系素材のUSBケーブルは非常に柔らかく滑らかで絡まりにくい。また耐熱性・耐寒性も高い。そしてPVCやTPEよりも環境に優しく意識高い系のユーザーも胸を張って使えそうだ。今回はこの4本のUSBケーブルのサイズ感やプラグのギミックなど総合的な使い勝手をレポートしたい。読者諸兄のお気に入りのUSBケーブルが見つかれば幸いだ。
今回ご紹介する4本のUSBケーブルの特徴はすべてが100~240Wでの充電に対応していること、ナイロン編み込み及びシリコン系の被膜を採用した、機能的にはUSBケーブルのハイエンド商品となる。加えて、最大の特徴は充電中であることを明示するためにプラグ部分に仕組まれたLEDのチカチカデモンストレーションを採用している。
そのLED点滅や点灯の振る舞いも従来のような派手なチカチカ点滅ではなく、「like breathing(息をするように)」という表現がピッタリのスムースで静かな動作だ。息をするたびにLEDカラーが変化するモノやドット棒グラフの様に増減するモノなど様々だ。
また一部のプラグはプッシュすることで、スマホを持たずに片手でプラグを抜くことのできるギミックを搭載したモノもある。国内ではごく一般的なACプラグを軽く抜くために、指先の力の弱い児童や女性向けに発売されているモノと同様の原理だ。しかし実際には親指でのプッシュに力が少し必要で超タフ自慢のナイロン編み込みケーブルを引き抜く方が楽かもしれない。今後の期待アイテムだ。
スペック的には安定してきた現代のUSBケーブルに必要な最大の要素は、タフでフレキシブルそしてオシャレな外装だろう。影響する要素としてはケーブルの軸の太さ、被膜の素材、全体重量などになる。
今回紹介した4本のUSBケーブルはナイロン編み込み系もシリコン系も柔軟性には大きな差は無い。シリコン系のUSBケーブルは値段も高いが、その柔軟性と絡みにくさ、小さく丸め易く復元のしやすさは群を抜いている。
ちなみに筆者が愛用しているシリコンゴム系の太いエレキベース用モンスターケーブルの直径をノギスで測ってみたら、軸直径は7.85mm。それよりはるかに軟からかくて扱いやすいシリコンケーブルは軸直径が5.88㎜とモンスターケーブルの75%ほどだった。実測重量は80gほどだったが、他の3本のUSBケーブルより長い150cmなので10cmあたりの重量差はそれほど無い。
新幹線で窓際のA席やE席でも、床近くにあるコンセントをまともに利用しようとするとUSBケーブルの長さは最低110㎝は必要だ。挿抜のしやすさには、適度な形状や重さで持ちやすいプラグが必要だ。そういう使用環境も考慮した場合、今回ご紹介する超太軸シリコンケーブルは筆者には理想的に思えた。
ところが超太軸シリコンケーブルを実際に自宅にたくさんあるマルチポートのUSB・ACアダプタを使ってみて、少し注意が必要なことも感じた。高出力&多ポート化を目指しつつ、全体サイズのコンパクトさや総重量の低減はいずれもUSB ACアダプタの大きな目標だ。
USB ACアダプタのType-C端子の間隔が8mmか12mmかで 使い勝手に大きな違いがある スペック表に書いてほしいほど
全体としてのトレンドは、コンパクトで上下が無いUSB Type-Cポートの増加だ。そして65W以上のUSB ACアダプタの3ポート化だろう。USBポート間の距離にはスペックが存在しないのかもしれないがメーカーや製品によってその間隔はまちまちだ。
USB Type-Cポートが2個や横並びの場合は隣接するポート間隔に由来する問題は一切なかった。しかし3ポート縦並び形式のUSB ACアダプタでは狭いモノではポート中心間の距離は8mm、余裕のあるサイズでは12mmとかなり異なる。実際に3ポート縦並びでUSB Type-Cポート間隔が8mmの製品に、今回の超太軸シリコンケーブルを使用すると、隣のポートが標準的なUSB Type-Cプラグでも挿入できなかった。
6台テストした中で隣接するポート間隔が問題で、Type-Cが2ポートあっても使えなかったのは2台ともANKER社のモデルだった。一方、CIO社のUSB Type-C 3ポートモデルのNovaPort TRIOでは、3ポートなのに間隔は12mm間隔なので一切の影響は無かった。これからUSB ACアダプタを購入するならCIO社だけにしようと思うほどだ。
マルチポート対応のUSB ACアダプタの標準スペックに「ポート間隔」という概念や規定は無いのかもしれないが、この数字が8mmか12mmかでユーザーが楽しく遊べる空間は大きく差がつく。これは極めて重要なことだ。ほぼ同世代、同じ構成の2 Type-Cポート+Type-Aポート、65W PD対応でこの差は何だろう。採用しているテクノロジーかユーザー視点のEOU(Ease Of Use)商品開発の差なのか? 興味津々だ。
今回の衝動買い
・アイテム:USBケーブル ・購入:temu ・価格:400~1490円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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