Arc 140Tを内蔵するCore Ultra 9 285H搭載ノートPCの性能を検証、モンハンワイルズ・FF14・スト6は遊べるの?
ASCII.jp / 2025年2月10日 23時0分
こんにちは、ジサトライッペイです。インテルの最新CPU、Core Ultra 200Hシリーズ(開発コードネーム:Arrow Lake-H)を搭載するノートPCを触る機会が得られたので、そのレポートをお届けします!
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今回ご紹介するモデルは、先日参加した「インテルQ1'25プレスセミナー」でも展示されていた、MSIの16型ディスプレー(2560×1600ドット)搭載ノートPC「Prestige 16 AI Evo」。その試用機をお借りしました。
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試用機の主なスペックは、CPUがCore Ultra 9 285H(16コア/16スレッド、最大5.4GHz)、メモリーは32GB LPDDR5-7500、ストレージは1TB M.2 SSD、OSはWindows 11 Pro(24H2)。dGPUを積まない薄型軽量タイプのPCで、CPU内蔵GPU(iGPU)はIntel Arc 140T GPU(以下、Arc 140T)になります。
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Arc 140Tのアーキテクチャーは、Xe-LPG(開発コードネーム:Alchemist)を改良した「Xe-LPG+」。Xe-Coreは8基で、Xe-LPGにはなかった「XMX(Xe Matrix Extensions)」を搭載し、AIの推論性能が期待できます。
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Cinebench 2024と3DMarkで地力をチェック
なお、今回の検証は試用機材が英語設定だったので、そのまま実施しております。その都合上、Windowsの電源設定は「Balanced」と「Best Performace」の2種類で測定。また、「Best Performace」の時は、MSIの独自ソフト上で「Extreme Performance」に設定。PBP(PL1)がデフォルトの「Balanced」だと45Wですが、55Wにアップするそうな。
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また、ドライバーはレビュー用に配布された「101.6460_101.6259」(iGPU用)と、「32.0.100.3159」(NPU用)を使用しております。ではまずは、定番の「Cinebench 2024」からご覧いただきましょう!
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スコアーを算出する前に10分間のウォームアップを行うと、Multi Coreの最高点は887pts。ウォームアップなしなら951ptsまで伸びました。「HWiNFO64 Pro」で見てみると、Multi Coreテスト時は速攻でThermal Throttlingに突入。 とはいえ、その後PL1動作に移行すると、CPUパッケージ温度は80度台前半で推移しておりました。ウォームアップなしだと、PL2動作でレンダリングする時間が長くなるため、スコアーが上がったのでしょう。
Single Coreの性能はほぼ変わりませんでしたが、127ptsというスコアーはデスクトップPC向けの「Core i9-13900K」に匹敵。対Ryzen 5 7600Xなら、Multi Coreでも上の性能と驚きました。
ちなみに、総合性能も「PCMark 10」で測ってみました。
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こちらは電源設定の変更で全体的にスコアーが大幅アップ。「Balanced」設定でも内蔵ファンはそこそこ回ります。であるならば、馬力が必要な作業の時は、最初から割り切って電力設定を変更したほうがいいかもしれませんね。
続いては3D描画性能。こちらもド定番の3DMarkの結果から。こちらは見づらいので、左軸はテスト名にしました。
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さすがにdGPUに比べると、かなり控えめ。デスクトップPC向けのArc B570比で、Fire Strikeのスコアーは3分の1以下です。では、iGPUという土俵ではいかほどか?
iGPUが強いCPUと言えば、AMDのRyzen 8000Gシリーズ。過去記事を参考にすると、Ryzen 7 8700GのスコアーはFire Stikeが8210、Night Raidが32367、Time Spyが3601、Solar Bayが12331と、いずれも上回りました。
ノートPC向けのCore Ultra 9 285Hが、デスクトップPC向けのRyzen 7 8700Gを超えるという結果は、結構驚きますよね。なお、電源設定を変えてもほとんどスコアーに変化はありませんでした。
モンスターハンターワイルズは遊べるの?
ここからは実際のゲームをベースにした、ベンチマークソフトの実行結果をご紹介しましょう。まずは話題の「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」(以下、MWHベンチ)から。
まずはディスプレー解像度(2560×1600ドット)、「ボーダーレスウィンドウ」、グラフィックプリセットは「ウルトラ」、アップスケーリングはフレーム生成が「ON」にできる「AMD FSR」でトライ。
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フレーム生成が効いているとはいえ、平均19.98fpsではさすがにカクツキが気になって遊べません。上記は「Balanced」設定ですが、ここまでキツイと電源設定を変えたところでどうしようもないです。
というわけで、方針を「なんとか遊べるラインを探る」に変更。解像度を1280×800ドット、グラフィックプリセットは「最低」まで引き下げて、もうひと狩り。
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描画領域が4分の1になったぶん、フレームレートは平均43.97fpsに倍増。とはいえ、評価は「設定変更を推奨します」とのこと。描画もかなりマシになったとはいえ、カクツキはいなめません。そこで、電源設定を上げてみました。
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それでも平均フレームレートは60fpsに遠く届かず……。このベンチマークソフトは、実際のゲームよりも軽めという評判なので、もっと厳しい環境が予想されます。やはりMWHを快適に遊ぶには、しっかりdGPUが強いゲーミングPCが必要になるって話ですな。 余談ですが、こちらはアップスケーラーで「XeSS」も選べましたが、フレーム生成には対応しておりませんでした。これが将来的に、XeSS 2のフレーム生成機能「XeSS FG」に対応するのかいなか。気になるところ。
FF14ベンチは「快適」まで引っ張れる
もっと軽めのゲームということで、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下、FF14ベンチ)も試してみました。
解像度は2560×1600ドットに1920×1200ドット、プリセットは高品質(ノートPC)と標準品質(ノートPC)。いずれもフルスクリーン、アップスケーラーはFSR、3Dグラフィックス解像度スケールは「100」(すなわちアップスケールしない)としました。
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スコアーに差はあれど、評価は高品質(ノートPC)でも標準品質(ノートPC)でも、「やや快適」どまり。最小・平均フレームレートはBest Performace時で前者が約31fps・44.3fps、後者が約33fps・45.4fpsでした。
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1920×1200ドットでは「快適」までアップ。最小・平均フレームレートはBest Performace時で前者が約41fps・61.5fps、後者が約45fps・63.4fps。欲を言えば、最小でも60fpsを超えてほしいところですが、“遊べるレベル”とは言える性能です。 ちなみに、3Dグラフィックス解像度スケールをいじって、アップスケーリングすればフレームレートは伸びます。でも、いじりすぎるとだいぶ画質がもっさりするので、「90」ぐらいでとめておいたほうがいいかもしれません(このベンチマークだけの特徴かもしれませんが……)。
ストリートファイター6も低画質なら遊べる
もっと負荷が軽めのタイトルならどうか? というわけで、「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」(以下、スト6ベンチ)で各プリセットを回して、快適に遊べるラインを探りました。
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下から2番目のプリセット「LOW」で、快適プレイの目安である全スコアー「100」を達成。なお、「NORMAL」では電源設定を上げてもTOTAL SCOREは「70」どまりで、平均フレームレートはいずれも60fpsに届きませんでした。
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格闘ゲームはそこまでフレームレートを要求しないゲームですが、さすがに最新タイトルになると普通のCPUでは遊べません。そこのところ、Core Ultra 9 285Hなら低画質ではありますが、普通にプレイできる点はいいですね。
AIの推論性能も悪くない
最後は、近年重要になってきたAIの推論性能で締めようと思います。UL Procyonの「AI Computer Vision Benchmark」と、「AI Text Generation Benchmark」の2種類を試しました。まずは、AI Computer Vision Benchmarkをテスト。
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GPUが強いことは当然として、Float16ではNPUがCPUを上回った点が興味深いです。Arrow Lake-HのNPU(Intel AI Boost)は13TOPSで、Lunar Lakeの47TOPSと比べちゃえば見劣りしますが、専門家としての仕事はきっちりこなすようです。
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AI Text Generation Benchmarkでは、LLMを用いた文章生成能力を比較。こちらはGPU(Arc 140T)を用いるテストですが、電源設定の差が顕著に出ました。いずれもdGPUに比べると控えめな成績ですが、パラメーター数が多いモデルでも普通に推論できている点がいいですね。
まとめ:節約志向のライトゲーマーならアリかも
以上で、Core Ultra 9 285Hを搭載するPrestige 16 AI Evoのレビューは終了です。Arc 140TはiGPUのわりにゲーミング性能が高く、画質にこだわらなければ、ファイナルファンタジーXIVやストリートファイター6なら普通にプレイできそうでした。
AI方面でも頑張っている印象で、「AI PC」をうたうだけの性能はあり、次世代ノートPC然とした輝きを見ました。もちろん、一般的なノートPCとしての性能も高水準で、まさにCES 2025でインテルが掲げた「優れたAI PCは優れたPCから始める」を地で行くものでした。
Arrow Lake-H搭載ノートPCは、2025年第1四半期初頭から登場する見込み。dGPUを積んだノートPCよりも安いモデルで、そこそこゲーミングを楽しみたいって人なら、選択肢の1つとして検討してもいいかもしれません。
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