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【新路線】羽田→ストックホルム便 ANA新路線が快適すぎる件【スウェーデン】✈️

ASCII.jp / 2025年2月12日 7時0分

日本の航空会社としては初のスウェーデン・ストックホルム定期便、ANA「羽田=ストックホルム便」搭乗レポートです!

 ANAは2024年度に羽田からミラノ・ストックホルム・イスタンブールと3つのヨーロッパ路線を就航予定。その第2弾として、羽田=ストックホルム便が1月31日に運航を開始しました。日本の航空会社としては初のスウェーデン・ストックホルム定期便です。

本来は2020年就航予定が、コロナ禍で5年延期となっていた羽田=ストックホルム便。ANAとしては念願の運航スタートです
「30年間直行便を待ち望んでいた」という初便のイベントにゲストとして参加したスウェーデン出身のLiLiCoさん

 往路の羽田発ストックホルム・アーランダ空港行き(NH221便)は火・金・日の週3便の運航で、羽田空港第2ターミナルの国際線エリアからの出発です。

 出発時刻は深夜0時30分なので、東京近郊在住なら仕事を終えてから空港に向かっても、充分間に合う時間帯。国内各地からも午後の便で羽田へ向かえばオーケーという、利用しやすい時間帯です。

羽田空港第2ターミナルから出発

 今回は就航から3便目となる2025年2月4日のフライトに、ANAのチケット提供で搭乗させていただいたので、新規就航路線の様子をたっぷりお届けします。

ゲートは第2ターミナルの国内線共用エリア

 羽田空港の搭乗ゲートは、日中、主に国内線で使われている69番ゲート。以前の連載記事(「羽田空港"秘密の扉"がついに開かれる 第2ターミナルの新ラウンジ、全部見せます」)でもお伝えしましたが、羽田空港第2ターミナルの一部ゲートは、国際線との共用となっています。

羽田空港では69番ゲートから出発

 第2ターミナル国際線エリアの利用がスタートした当初は便数も少なかったため、国際線専用ゲートのみで運用していましたが、最近はターミナル2を使用する便が深夜・早朝に増えてきているため、共用エリアも使うようになっているんですね。航空需要が回復してきたことが実感できます。

ターミナル2を使用する便が増えたため、際内共用のシステムを活用しています

エコノミークラスは意外な快適さ

 出発は15分ほど遅れましたが、特にトラブルもなく離陸。エコノミークラスですが、座席にはパーソナルモニターのほか充電用のUSB端子(Type-A)とユニバーサルタイプの足下コンセントがあり、設備も充実しています。

使用する機材はボーイング787-8で、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの3クラスです
自分が乗った席はエコノミークラスでしたが、空いていたため3席使うことができ、非常にラクチンでした
パーソナルモニターにUSB端子(Type-A)がある
足下にはユニバーサルタイプのコンセントがあります

機内食は3回提供!

 機内食は軽食も含めて計3回提供されます。1食目は離陸して安定飛行に入った1時間後くらいに提供開始。メニューは「鶏てりやき丼」でした。

1時間ほど経過したあとに、1食目の機内食提供がスタート

 2食目はフライト中盤に配られたコーンブレッド。3食目は到着2時間半ほど前から配膳がスタートし、「鮭の彩りご飯」もしくは「トマトペンネとチキンのクリームソース」からの2択です。筆者は「鮭の彩りご飯」をチョイスしています。1食目と3食目はどちらもサラダがついていて、海外旅行では生野菜が不足しがちなので機内食で提供してもらえるのはありがたいです。

1食目は「鶏てりやき丼」でした
続いて、軽食としてコーンブレッドが配られました
3食目は「鮭の彩りご飯」です

北回りルートで14時間以上のフライト

 ストックホルム・アーランダ空港までのフライト時間は14時間以上。本来最短距離が飛べればもっとフライト時間は短いのですが、ウクライナの情勢でロシア上空が飛べないため、欧州路線は北極圏を飛ぶ北回りか、南回りになります。

 欧州行きは北回りを使うケースが多く、今回もアラスカ方面へ抜けたあとグリーンランド上空を通ってスカンジナビア半島へと向かうルートでした。

アラスカを越えてグリーンランドへ向かうルート

 ただ、この時期の北回りルートは、オーロラがみられるチャンスでもあります。今回はそれに期待を込めて窓側の座席を指定しましたが、残念ながらオーロラは見えずじまい。深夜便ということで基本寝ていましたが、目を覚ますたびに窓に貼り付いて眺めていたんですがね。いつか飛行機の窓からオーロラが見てみたいです!

就航を記念したステッカーとクッキーも配布していました

早朝到着で乗り継ぎにも便利

 ストックホルム・アーランダ空港には、予定よりも20分ほど早い、朝6時頃に到着しました。入国審査や預け荷物のピックアップをし、7時頃には到着ロビーへと抜けられました。到着が早朝なので、ここからさらに欧州各地へとアクセスしやすいのも、この便の魅力です。

 ちなみに、ストックホルムを拠点のひとつとしているSAS(スカンジナビア航空)は経営再建のため、ANAの所属しているスターアライアンスから別のスカイチームへとアライアンスを移籍していることもあり、マイレージサービスの連携などは終了。ただ、航空券の通し発券や、出発地点から最終目的地まで荷物を運んでくれるスルーバゲージには対応しているので、乗り継ぎもしやすくなっています。

 ストックホルム・アーランダ空港はLCCなども多く就航しているので、ヨーロッパ旅行のゲートウェイとしての活用にオススメです。

 筆者は今回、ストックホルム市内に滞在予定なので、市内へと向かいます。ただ、早朝すぎることもあり、いったん空港で時間をつぶすことにしました。

アーランダ空港の商業施設「Sky City」

 アーランダ空港には、(ANA便が到着する)ターミナル5に隣接した商業施設の「Sky City」があります。早朝はあまりショップが開いてはいないものの、コンビニやマクドナルド、カフェといった一部の飲食店はオープンしていたので、時間を潰すのには問題なし。

 パブリックスペースには電源付きのカウンターテーブルもあり、空港Wi-Fiも上り下り200Mbps以上と高速。テック系ライターとしては非の打ち所がない空港です。

スピードテストをしてみた結果。これだけネットが速いと仕事も捗ります
フリーの電源もあって助かる! しかも環境にも配慮された電気です

アーランダ空港から市内へ

 アーランダ空港は、ストックホルムの中心地から約37km離れています。中心地への移動方法としては、タクシーやライドシェアのほか、空港と中央駅を約18分の乗車時間で結ぶ「アーランダエクスプレス」がメジャーな交通手段。とはいえ料金は340SEK(約4774円)とかなり高め。

ターミナル5の到着エリアからは、特急列車アラーランダエクスプレスにアクセスできます

 またSky Cityには在来線の駅もあり市内中心部まで直通列車が利用可能。ですが空港駅の使用に特別料金がかかり、合計190SEK(約2668円)になるため、意外とコストがかかります。そのほか空港からのリムジンバスもあり、こちらは129SEK(約1811円)と物価の高い欧州では比較的安くなります。

Sky Cityにある在来線の駅

最安ルートは路線バス+在来線

 実はアーランダ空港からストックホルム市内までの移動は空港からのリムジンバスが最安ではありません。お得なのは、アーランダ空港から路線バスで約10分の所にあるミャルスタ(Märsta)駅へ移動し、そこから在来線の鉄道に乗り換える方法です。

 この方法なら、空港駅で支払う特別料金が不要となり、43SEK(約600円)のシングルチケットで移動できちゃいます。また、ストックホルムの24時間券などの乗り放題チケットも、いちばん安いゾーン1の対応エリアとなっています。

空港から路線バスに乗って、近くの駅へと移動します。料金の支払いはクジットカードでのタッチ決済のほか、専用アプリで購入しQRコードをかざして乗車も可能です
583番か579番のバスに乗ればオーケー
10分ほどバスで移動した先にある、Marsta駅
Marsta駅からは、在来線に乗ります

 ストックホルム市内の交通事情は別記事にて紹介する予定ですが、約600円で移動できるのは、節約トラベラーにはうれしいポイント。アーランダエクスプレス比べたら7000円近くの節約になります。

雪道での乗り換えには要注意

 ただしお得な反面、時間がかかります。空港から市内、またその逆ルートでもトータルで1時間30分ほどでした。アーランダエクスプレスなら乗車時間約18分なので、その差は大きいです。さらに乗り換えもあるので荷物の移動も大変。到着時の天候は雪で、バスから鉄道への乗り換えは雪の降り積もる道をスーツケースを引いて歩くことになってしまい、かなりハードでした。

 予算に余裕があるなら、アーランダエクスプレスか空港リムジンバスがオススメです。

雪の中をスーツケースで移動するのは、結構たいへんです

ストックホルム滞在後、いよいよ帰国

 ストックホルムでは、就航を記念したパーティーや現地プレス向けのグループインタビューを取材したり、自分自身も初ストックホルムなので、街中を散策したりと過ごし、2月7日出発の便で日本へと戻りました。

ANAはストックホルム市内のホテルで関係者を招いて盛大な就航記念パーティーを開催。現地プレスへ向けてANAの井上社長がプレゼンをする場面もありました。現地でも日本への直行便として、注目度が高いようです
ストックホルム市内には、ストックホルム宮殿があります。現在の国王の公式な居所としても利用されています。スウェーデン王室の歴史とバロック建築の美しさを同時に堪能できるスポットです
北欧のヴェネツィアと呼ばれる水上都市、ストックホルム。運河ツアーなども楽しめます

帰国のため、早朝便で空港へ

 市内からストックホルム・アーランダ空港へは、行きと同じく最安の乗り継ぎルートを使用しました。帰国便の出発時刻は9時35分なので、朝4時に起きて宿で支度をし、市内の駅を5時40分台の列車に乗って移動です。よくよく考えたら、アーランダエクスプレスを使えば7時頃の出発でも充分間に合うので、その方がはるかにラクでしょう。

ストックホルムの中心駅から空港へと向かいます
在来線の座席はゆったりしていて、座りやすいです

 出発も到着と同じくターミナル5を使用。チェックインカウンターはゾーン5でした。事前に復路は満席という話を聞いていたので覚悟していましたが、なんとプレミアムエコノミーへとアップグレードとなりました。羽田到着後にそのまま取材が入っていたので、これはありがたい。

ターミナル5にあるANAのチェックインカウンター

出国審査後はラウンジなし! 自販機のコーラは約541円(泣)

 喜び勇んで保安検査を抜け、免税品店や飲食店を通過すると搭乗するANAの機体が窓から見えます。搭乗口に行ってみようと出国審査を受けたのですが……これが大失敗。実は出国審査を受けたあとにはラウンジがありません。

保安検査を抜けた先の窓から、搭乗するANAの機体を発見

 ANAのサイトにもその旨は案内されているのですが、気がつかずに通過しちゃったんですよね。ラウンジでの朝ご飯をあてにしていたので、失敗しました。

ラウンジは出国審査前にあり、出国してしまうと後戻りできないので要注意です

 幸い国際線出発ゲートのエリアも電源付きのテーブルはあり、Wi-Fiも爆速なので時間は潰すことができます。ただ、軽食でも買おうかと自販機をみてみると、コーラが1本39SEK(約541円)、スニッカーズが1個29SEK(約402円)と高い! 結局、機内食まで我慢することにしました。

空港価格とはいえ、コーラが1本540円は高い!

プレミアムエコノミーで快適フライト

 復路のNH222便は、ほぼ時間通りに搭乗を開始し、出発も6分遅れ程度のオンタイム。座席はプレミアムエコノミーということで、往路よりシートの幅もシートピットも広く、レッグレストもあって快適です。

ビジネスクラスと違ってフルフラットにはなりませんが、スペースがじゅうぶん確保されてゆったりと座れるプレミアムエコノミーの座席です
足下も広々で快適です
足下にユニバーサルタイプのコンセントが用意されています
プレミアムエコノミーでは歯ブラシや耳栓などのアメニティーも配布

復路の機内食も2回+軽食

 機内食はエコノミークラスと同じですが、1食目は「白身魚西京焼き」か「ビーフシチュー マッシュポテト添え」からの選択で、2食目は「鶏肉の香味あん掛け」か「ビーフラザニア」から選択できました。

1食目は「白身魚西京焼き」でした
2食目は「ビーフラザニア」

 また、プレミアムエコノミーは軽食にT’sレストラン監修の「ヴィーガンヌードル担担麺」がオーダーできます。しかもビジネスクラスのドリンクも頼めるとのことで、嬉しくてビールに加えてシャンパンもお願いしちゃいました。

ノンフライ麺で、肉や魚、動物由来の製品も一切使用しないビーガン食ながら、しっかりラーメンらしさが楽しめる「ヴィーガンヌードル担担麺」

羽田到着、エクストリーム出社も可能

 というわけで、復路は南回りで13時間ほどのフライト。ゆったりシートで食事や睡眠、映画鑑賞を楽しんでいたら、あっという間に日本です。

プレミアムエコノミーだったので、10時間越えのフライトも快適!

 羽田空港には予定よりも30分ほど早い、朝5時43分に到着。荷物を受取るなどしても朝7時前には空港を出て移動できたので、東京近郊が仕事場なら、そのまま会社に行く"エクストリーム出社"もできそうです。自分も渋谷で朝9時から始まる取材に出席できました。体力的にはかなりキツいですけど。

 以上が、ANAの新規就航路線「羽田=ストックホルム便」のレポートでした。もし利用する機会があれば参考にしてみてください!

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

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