H2プロセッサー搭載で機能も音質も大幅に強化、Beats最上位の完全ワイヤレス「Powerbeats Pro 2」発表
ASCII.jp / 2025年2月12日 0時30分
Beatsは2月12日、「ワークアウトのための心拍数モニタリング機能」を新たに搭載したワイヤレスイヤホン「Powerbeats Pro 2」を発表、国内では2月13日から販売を開始する。価格は3万9800円。カラーバリエーションは4色で本体にはXS、S、M、L、XLの5種類のイヤーチップが付属する。
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![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161405/x/f5579030c520715d.jpg)
心拍数のモニタリングが可能に、装着感に優れ、多機能な完全ワイヤレス
Powerbeats Pro 2は「AirPods Pro 2」と同じH2プロセッサーを搭載した完全ワイヤレスイヤホンで、アクティブ・ノイズキャンセル機能や高性能な外音取り込み機能など、高級機に求められる高い基本性能をもつ。一方で安定性の高いイヤーフック型のスタイルを採用し、ジョギングやジムでのワークアウトなど、スポーツに適した製品となっている。そのためにハウジング形状や角度、ブリッジの長さなども綿密に調整しており、AirPodsシリーズの知見も多く取り入れているとのことだ。
![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161398/x/22426c10bb9daefa.jpg)
機能面での特徴は心拍数を計測する機能を持つ点だ。「ワークアウトのための正確な心拍数モニタリング」と称する。LED光学センサーが毎秒100回以上のパルスを発して血流を測定する。ユーザーはその結果をリアルタイムで確認できるほか、対応するフィットネスアプリと情報を連携して様々な機能を利用できる。
Beatsではバイオメトリックセンシングの技術を、今後積極的に取り入れていきたいという。心拍数が計測可能なイヤホンは市場でも増加傾向にある。しかし、多くはイヤホンメーカーとは異なる企業の技術を流用して開発されており、センサーも片側にしか入っていない。そのためアプリケーションを含めたユーザー体験があがらず、精度も出しにくく、弱点になっているという。
一方でBeatsは2014年にアップルファミリーになったため、R&DチームやApple Watchチームと技術連携できる。Apple Watchなどが搭載してきたデバイスが持つ能力を維持しながら1/16と超小型のデバイスを開発し、本体の小型化ができた。また、心拍センサーは左側と右側両方のイヤホンが内蔵し、計測の精度を上げる仕組みも取り入れた。
結果として、iOSのエコシステムを活用した、統一感を持ち、連携性も取れた使い勝手が得られるようになっている。このエコシステムには、ランニングアプリの「Nike Run Club」、スキー&スノボの滑走記録ができる「Slopes」、縄跳びアプリの「YaoYao」など互換性を持つサードパーティアプリも含まれる。心拍数の計測はiOSのヘルスケアアプリで承認することで可能となる。Nike Run Clubではワークアウトを始めると自動で心拍数の計測がスタートして、終わると自動的に止まりアーカイブに進む。必要であれば、途中にSiriの音声で自分の心拍数を知ることも可能だ。
ちなみに、Androidユーザーも心拍数の計測とそれに紐づくアプリの使用が可能だ。ただし、操作感は一部異なるとのこと。また、心拍センサーの情報はジムに設置されている様々な機器と共有することも可能となっている。
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![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161397/x/6bf9acc3974d9e7a.jpg)
専用開発のドライバーを活用して高音質化、ベントの付け方にも工夫
イヤーフックには形状を記憶し、フィット感が高いニッケルチタン合金を採用。サイズはPowerbeats Proに比べて50%以下になり、部品点数が増えているにも関わらず、イヤーバッズ部の重さは約20%軽くなっているという。
ハウジングの「b」ロゴ付近にはマルチファンクションコントロールを装備。着脱検知機能も装備している。IPX4の耐汗耐水仕様で、フィットネス利用を鑑みて汗などにも配慮。難しい耐汗性能の実現だがアップルの高い基準を適用して開発したという。
音質面では、9.5mm口径のドライバーをカスタムで開発。デュアルレイヤー型の振動板の採用で強度を上げ、正確なピストンモーションが可能になった。中央部は硬い一方で周辺部分は柔軟性があり、低域の再現に必要なフレキシブルな動作が可能。正確で音圧感があり、歪みが少なく、クリアな音色を特徴としている。
アコースティック面で工夫したのが、内部の空気圧を調節するベント機構だ。
ダイナミック型ドライバーのスムーズな動作には欠かせない空気抜きの穴だが、従来はリアとフロントに2つのベントを備えていた。新機種ではフロントは無くして内部にベントチャンネルを作っている。これが圧力変化の均質化につながるほか、ユーザーの耳に圧力がかかりすぎたり、液体を侵入によって不具合が起こったりすることを防ぐ効果があるという。また、リアのベント孔とボイスマイクのポートには透明な音響メッシュを備え、液体やゴミの侵入を防いでいる。
ヘッドルームを確保して、最適な周波数特性を得られるよう高出力のアンプも装備している。周波数カーブなどの調整は長年取り組んできたアコースティックエンジニアがチューニング。ワークアウト時のユーザーは、パワフルな音を好む傾向があるため、使用シーンにあった形で全体のバランスを調整しているそうだ。聞いてみると、全体に音がはっきりとしていて、芯があって力強い低域のビート感が印象的だった。「革新的なBeats Sound」という自信を持つのもうなずける。
強力なH2チップを採用することでフラッグシップ機らしい多機能を提供
H2プロセッサーを搭載することで、Personal Spatial Audio、ヘッドモーションセンサー、Dolby Atmosなど、AirPods Pro 2などと同様の高機能な再生が可能となっている。Apple Visionの超低遅延ロスレス再生やiCloudペアリング、装着性テストといった付加機能の利用も可能だ。
Powerbeatsシリーズで初採用したANCも非常に効きがよい。デジタルMEMSマイクを活用し、フィードバック・フィードフォワードのデュアルのノイズキャンセリング機能を提供する。これに環境音の変化や個人差にも配慮した処理も加わる。
外音取り込みの音も自然。ノイズフロアが低く、音調も自然なので着けているのを忘れるような感覚が得られる。ノイズキャンセルと外音取り込みの切り替えはbボタンを長押しするだけなので、ランニング中などでも便利だ。これ以外にもAdaptive EQで耳の形や密閉感にあったチューニングができたり、Computational Audioに対応したりとフラッグシップ機らしい高機能な再生が可能となっている。
通話性能も優れている。デジタルMEMSマイクやビームフォーミング技術に加えて、音声加速度センサーという技術を活用し、声を出した際にイヤホンに伝わる振動によって話者の声と環境ノイズを区別できる。騒音については8000時間のデータを使った機械学習でチューニング。マイクは両耳につけると6つのマイクのうち5つが機能。片耳利用時でも3つが機能する。ここまではAndroidも一緒だが、iPhoneと組み合わせた場合は、Computational Audioの技術によって10倍の精度の処理が可能になり、iPhoneのニューラルネットワークエンジンを使って、音声ターゲティングとノイズ抑制の機能を向上できるとしている。
![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161399/x/27ee293f66fdce0d.jpg)
![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161400/x/c02c8722736a7e6c.jpg)
![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161401/x/a52bc8f164ee5af2.jpg)
H2プロセッサーを搭載するメリットとしては省電力化もある。本体だけでも10時間の再生が可能。連続再生時間はこれまでケース充電込みで最大24時間だったが、ケースサイズが33%軽減しているにも関わらずほぼ倍の45時間になった。これはANCと外音取り込み機能をオフにした状態の数値で、オンにして使うと若干消費電力が上がる。それでも連続8時間再生(ケース充電込みで36時間)の利用が可能だ。USB Type-C対応でフル充電までは2時間。5分で1.5時間再生の急速充電機能やQiのワイヤレス充電にも対応している。
なお、AndroidスマホでもBeatsアプリで、ワイヤレスコントロールや心拍数、イヤーチップのテストなどが可能だが、アップルデバイス同士であれば、同じApple IDで利用しているデバイス間で1台のイヤホンを共用し、再生しているデバイスの音に自動で切り替えて聞いたり、友達と同じ音楽を聴きながらランニングできるオーディオシェアリングをしたりできる。ほかにもハンズフリーのSiri、イヤーチップの装着テストなど、より便利な機能を活用可能だ。
デザインとフィット感がよく、好印象な仕上がり
実機を見て非常に高い完成度だと感じた。Beatsならではのデザインや音作りに加えて、アップルならではの使いやすさ、ユーザー体験を組み合わせた試みが功を奏しているようだ。これは装着のしやすさから、ちょっとした操作のラクさなど、あらゆるシーンで実感できるポイントだ。
Beatsは「高音質を得るためにチューニングは大事だ」が、「それ以上にフィット感が大事であり、それができて初めてイヤホンの性能を引き出せる」としている。Powerbeats Pro 2でこだわったのもこうしたフィット感の良さだという。音楽をより長く聴いてもらえる時間を作るために、フラストレーションのない操作感と体験を提供した。電話やバッグを離れた場所に置くジムで簡単に使えるよう、使いやすい音量調節ボタンを本体側につけるといったちょっとした配慮もその要素に含まれる。
![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161402/x/102e6541a1db5f24.jpg)
Powerbeats Pro 2は非常に多機能なフラッグシップ機種だが、機能の充実だけでなく、音質についても練り込まれている印象があった。低域は少し強めだが、モニターライクといってもいいほど癖がなくバランスのいい恩寵に仕上がっている。賛否が分かれた「ベースヘビー、ディストーションなどの改善」はBeatsとしても続けており、近年の製品ではエモーショナルな音楽体験を得るために「強過ぎる低域は逆効果で、周波数帯域のバランスの偏りをなくすことが大切だ」と改めて認識し、それを反映した音作りになっているという。使い勝手はAirPods Pro 2などと比べてもほぼ変わらないが、一方でパッキリとしてクリアな音質は違うテイストを提供してくれて新鮮だ。
「Listen to Your Heart」キャンペーン
なお、Beatsでは、Powerbeats Pro 2の発売に合わせて、大谷翔平など世界的なアスリートを起用した「Listen to Your Heart」キャンペーンも開始するという。個人的にもBeatsのファンだったという大谷翔平がこの製品を身につけている姿を目にする機会も得られるかもしれない。
![Powerbeats Pro 2](https://ascii.jp/img/2025/02/11/4161407/x/b4cd0e0b775bdc76.jpg)
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