昔ながらの徒弟制度が日本のものづくりを救う 伝統を守り続けた山梨のジュエリー会社が内閣総理大臣賞受賞
@Press / 2016年9月7日 10時30分
アンブローズ アンド カンパニー株式会社(本社:山梨県甲府市、代表:堀内信之)のジュエリーが、昔ながらの徒弟制度により技術を守り磨いてきた結果、日本で最も権威のあるジュエリーコンテストで内閣総理大臣賞を受賞しました。
JJAジュエリーデザインアワード2016= http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201608293673/
【内閣総理大臣賞は60年の伝統を誇るジュエリーメーカーに】
今年のジュエリーデザインアワードで大賞の内閣総理大臣賞を受賞したのは、設立から60年のアンブローズ アンド カンパニー株式会社。材料の調達からデザイン、製造、販売まで一貫して行っている日本でも珍しいジュエリー会社です。
今回のアワードの出品にあたり、構想から完成まで6ヶ月を費やし、特に最後の1ヶ月は3人の職人がつきっきりで作業を行いました。必ず大賞を取る、全社をあげて同じ目標に向かって走り抜けました。
【かつての“宝石の街”では職人が激減、廃業する企業も】
アンブローズが工房を構える山梨県甲府は、国内ジュエリーの3分の1を生産する日本一のジュエリーの産地です。その歴史は古く、縄文時代にはすでに水晶を加工して矢尻に利用していました。江戸時代には京都から職人が派遣され研磨技術が伝わり、宝石加工が盛んになりました。現在、甲府市はドイツのイーダオーバーシュタイン市とならび「世界二大宝石加工の街」に数えられ“宝石の街”として発展を遂げ、バブル期に最盛期を迎えました。
ところが、バブル崩壊後に出荷量は減少。コストを抑えるために海外生産がはじまり、元々下請けの製造会社が多かったことからなす術もなく、廃業する企業が続出し職人の数も激減しました。
【徒弟制度により脈々と受け継がれてきた技術】
アンブローズもバブル崩壊の煽りを受けましたが、時代の風潮に左右されず黙々とものづくりを続けてきました。職人の技術こそ強みと考え、昔ながらの徒弟制度で職人を育て技術を守ってきたのです。新人の職人は掃除などの雑用から始めます。「職人にとって整理整頓と段取りは必須、それは掃除と一緒です。それを飛び越えて業務に入ってもうまくいかなくなります。」と語るのは工房の製造部長の後藤さん。業務のみならず、就業後にも新人と先輩が共に技術を磨くべく作業をすることもあるそうです。
「アワードへの出品は、いわば甲子園のようなもの。」と後藤さんは語ります。「目標なしに技術を磨くのと、共通の目標があるのとでは日々のモチベーションが変わります。自分たちも先輩から教わってきましたが、今回の受賞でその恩返しができたと思っています。」徒弟制度により守り、磨かれた技術が花を開いた瞬間でした。
【日本のものづくりの技術を世界へ】
ジュエリー業界において、世界的に見ても日本の技術力や品質力は引けを取らないと言われています。しかし、ブランド力は太刀打ちができないのが現状です。どの業界でも言われていますが、圧倒的に足らないのは伝えるプレゼンの力です。
「自分たちが好きな物を作っていても世界には認められません。相手のニーズを徹底的に研究し、戦略を立てコンセプトを打ち出していく必要があります。技術を次世代に受け継いでいくのはもちろん、その技術を広く認めてもらうことで一緒にチャレンジをしたいと思ってくれる若い技術者が集まってくると思います。」と後藤さん。来年の連続受賞を目指し、職人たちのチャレンジは続いています。
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プレスリリース提供元:@Press
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