人事担当者に聞く「有期雇用社員の無期転換ルール」調査。有期雇用社員を抱える企業の67%が無期転換を検討、と回答。
@Press / 2017年9月25日 14時15分
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com )上で、利用企業を対象に「有期雇用社員の無期転換ルール ※」に関するアンケート調査を実施。513社から回答を得ました。回答企業の8割が、従業員数300名以下の中小企業でした。以下、概要をご報告します。
※有期雇用社員の無期転換ルールとは?
2013年4月 改正労働契約法の施行により、有期労働契約が繰り返し更新され、通算5年を超える場合、有期雇用社員(契約社員、パートタイマー、アルバイト)の申し込みによって無期雇用に転換されるルール。
■ 調査結果概要
★ 有期雇用社員の「無期転換ルール」、認知度は66%。
★ 有期雇用社員を抱える企業の57%に、この1年間で労働契約が通算5年を超える有期社員が在籍。
★ 無期転換ルールへの対応、67%の企業が無期転換を視野に進める予定。待遇を「正社員に近づけて変更する」企業は29%に留まる。変更対象は、賞与が最多。
★ 無期転換のメリットは「モチベーション向上」、デメリットは「雇用調整が難しい」。
■ 調査結果詳細
1:有期雇用社員の「無期転換ルール」、認知度は66%。(図1)
人事・経営者の方々に「有期雇用社員の ”無期転換ルール” をご存知ですか?」と伺ったところ、「内容も含めて知っている」が66%、「名称だけ知っている」が21%、「知らない」が13%という結果でした。
【図1】有期雇用社員の ”無期転換ルール” をご存知ですか?
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_1.png
2:有期雇用社員を抱える企業の57%に、この1年間で労働契約が通算5年を超える有期社員が在籍。(図2・図3・図4)
全回答企業のうち、73%が「有期雇用社員(契約社員、パートタイマー、アルバイト)を雇用している」と回答。そのうち、「2018年4月~2019年3月までに、労働契約が通算5年を超え、無期雇用転換の対象になる有期雇用社員」が在籍している企業は、57%にのぼりました。
「有期雇用社員に、無期雇用転換ルールについて、周知を行う予定がありますか?」という質問には、51%の企業が「周知の予定がある(すでに周知した:21%、これから周知する予定:30%)」と回答しました。
【図2】貴社では、有期雇用社員(契約社員、パートタイマー、アルバイト)を雇用していますか?
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_2.png
【図3】有期雇用社員を雇用している企業に質問です。2018年4月~2019年3月までに、労働契約が通算5年を超え、無期雇用転換の対象になる有期雇用社員はいますか?
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_3.png
【図4】有期雇用社員を雇用している企業に質問です。有期雇用社員に、無期雇用転換ルールについて、周知を行う予定がありますか?
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_4.png
3:無期転換ルールへの対応、67%の企業が無期転換を視野に進める予定。待遇を「正社員に近づけて変更する」企業は29%に留まる。変更対象は、賞与が最多。(図5・図6・図7)
有期雇用社員を雇用している企業に「無期雇用転換ルールに対して、貴社ではどのように対応を進める予定ですか?」と伺いました。67%の企業が「無期転換を視野に進める(有期雇用を止め、雇い入れ時から無期雇用にする:5%、無期転換の条件を定め、条件を満たせば5年以内でも無期雇用に転換する:17%、通算5年を超えて働く該当者から申し込みがあれば、無期雇用に転換する:45%)」と回答しました。
「有期契約が、更新を含め通算5年を超えないように運用していく」(7%)、「有期雇用社員を、派遣や請負に切り換えていく」(1%)という答えもありました。
【図5】無期雇用転換ルールに対して、貴社ではどのように対応を進める予定ですか?
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_5.png
無期雇用を視野に進めると回答した企業に「無期雇用に転換する場合、労働条件や待遇の変更を行いますか?」と質問をしたところ、「有期雇用時と労働条件や待遇は変えない」が54%で最多の回答となりました。「変更する(正社員に近い労働条件や待遇に変更:13%、正社員と同じ労働条件や待遇に変更:16%)」は29%に留まりました。
労働条件や待遇を変更する、と回答した企業に「具体的に変更する労働条件・待遇」を伺いました。第1位は「賞与」(86%)、第2位は「基本給」(74%)、第3位は「退職金」(64%)という結果になりました。
【図6】無期雇用を視野に進めると回答した企業に伺います。無期雇用に転換する場合、労働条件や待遇の変更を行いますか?
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_6.png
【図7】労働条件や待遇の変更を行なうと回答した企業に伺います。具体的に変更する労働条件・待遇について教えてください。(複数回答可)
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_7.png
4:無期転換のメリットは「モチベーション向上」、デメリットは「雇用調整が難しい」。(図8・図9)
「有期雇用社員の無期転換ルール」に関する、企業のメリット・デメリットをそれぞれ伺いました。メリットの第1位は「有期雇用社員のモチベーション向上につながる」(50%)、第2位は「有期雇用社員の定着率が向上する」(40%)、第3位は「業務に習熟した人材の確保ができる」(31%)でした。
「5年間も雇っていれば、その方は企業にとって不可欠なはず。不可欠な方は、雇い続ける方が企業にとってもプラスなので、今回のこの制度は、官がなかなか踏み切れない企業の後押しをしてくれた」「5年以上在籍していれば、社内のルールや文化もわかり、新たに人を雇い入れた時に発生するようなミスマッチもなく、無期雇用へ転換できるので、良い制度だと思う」などのコメントが寄せられました。
一方、デメリットの第1位は「不況時や閑散期において、雇用調整が難しくなる」(51%)、第2位は「人件費他のコストが増える」(40%)、第3位は「長期労働を期待しない有期雇用社員が無期雇用になる可能性がある」(38%)でした。
「人員調整をしやすくするために5年以内で雇用契約終了とする会社も増える。また、それにより必要でない募集活動をしなければならなくなる。制度があっても本当に有期雇用者を守れるのか疑問」「パートタイマーが多い企業には管理コストがかかる」といった懸念の声が挙がりました。
他にも、「 ”責任をあまり持ちたくない” “正社員のような縛りは好まない” などの理由から、最近の契約社員や派遣社員は正社員になりたがらない傾向がある」「無期契約社員として固定化されることで、正社員への転換がしにくくなる懸念がある」といった声も見受けられます。
【図8】有期雇用社員の無期転換ルールは、企業にどんなメリットがあると思いますか?(複数回答可)
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_8.png
【図9】有期雇用社員の無期転換ルールは、企業にどんなデメリットがあると思いますか?(複数回答可)
画像9: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_9.png
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査期間:2017年7月26日~8月29日
■回答企業数:『エン 人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com/ )を利用している企業513社
※ 回答企業の従業員数別内訳 ― 1~100名:51%、101~300名:28%、301名以上:21%
▼人事担当者向け中途採用支援サイト
『エン 人事のミカタ』 https://partners.en-japan.com/
画像10: https://www.atpress.ne.jp/releases/138867/img_138867_10.png
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◆本件に関する問合せ先
エン・ジャパン株式会社 広報担当:森本、松田
TEL:03-3342-6590 FAX:03-3342-4507
MAIL:en-press@en-japan.com
◆エン・ジャパン株式会社について
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