成蹊大学とNTT ComがIoTを活用した「空間の価値」を最大化するための実証検証を開始
@Press / 2018年2月13日 11時0分
成蹊大学とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、2017年4月に開始したIoT技術を用いた環境モニタリング実証実験において、大学講義室内や図書館内に設置した「EnOcean(※1)」センサーから、適正な環境データ(温湿度)を取得することに成功しました。このたび、温湿度に加え、照度・CO2濃度データなどを収集し、学生や教職員からの体感評価(※2)と組み合わせることで、学生の快適な学習環境を実現するための「空間の価値」の最大化に向けた実証実験を2018年2月19日から開始します。
1. 背景
建物内などの閉ざされた空間では、そこで活動する人の動きや人口密度、天候・時間による光の差し込み具合などの様々な環境要因が、業務や学習の効率に影響を与えています。そのため、「空間の価値」の最大化には、環境要因の変化に迅速に対応することが重要です。今回、成蹊大学とNTT Comは、学習効率が最もよい環境を「空間の価値」が最大化された状態と定義し、「EnOcean」センサーから収集した大学内の各種データを分析することで、学習時の快適な温湿度・照度・CO2濃度などを導き出す実証実験を行います。
2.実証実験の概要
成蹊大学の大学講義棟や図書館などの居室内に設置した「EnOcean」センサー約30個から、温湿度・照度・CO2濃度などのデータを収集し、NTT ComのセキュアなIoT向けクラウドサービス「Things Cloud(R)」上に蓄積します。蓄積されたデータをもとに、空気の流れを把握・分析する流体力学を専門としている成蹊大学の小川教授研究室が、学生や教職員に快適な空間となる温湿度・気流を分析し、NTT Comが照度やCO2濃度などのデータ分析を担当します。その後、学生や教職員から得た体感評価と組み合わせることで、最適な学習環境を実現する条件を特定し、「空間の価値」の最大化を図ります。
■主な役割
(1) 成蹊大学:実証実験を行う場所として、大学講義棟や図書館などを提供。また、小川教授研究室にて、収集した温湿度・各種気流データの可視化および分析を実施。
(2) NTT Com:ネットワークや「Things Cloud(R)」の提供、「EnOcean」センサーの設置、通信事業者としての保守/運用ノウハウ、照度やCO2濃度などのデータ分析等IoTのトータルソリューションを提供。
https://www.atpress.ne.jp/releases/149407/img_149407_1.jpg
(図:実証実験の構成図)
3.今後の展開
成蹊大学は、学習環境の最適化を目的とした大学講義棟や図書館における「空間の価値」最大化に続き、学生や教職員が大学構内全体で快適な生活を送れるように、温湿度・照度・CO2濃度などの各種空間データの最適値を定めた「環境空間ガイドライン」の策定を目指します。また、NTT Comは、既存の建物へ「EnOcean」センサーを設置するノウハウや、データ取得・分析ノウハウの高度化を図り、電池レス・配線レスの国際標準無線通信規格である「EnOcean」の活用促進と、IoTのトータルソリューション強化に努めていきます。
■Things Cloud(R)について
NTT Comが提供しているIoT Platformの名称。デバイス接続からデータ収集、可視化、分析、管理などIoTの導入に必要な機能・プロセスを、多彩な機能やさまざまなシーンを想定したテンプレートなどにより、ノンプログラミングで簡単・短期間で実現できる。
http://www.ntt.com/business/services/iot/iot/iot/things-cloud.html
※1) 「EnOcean」は、国際標準無線通信規格の一つ。電池交換不要・配線不要の規格特長を生かし、特にスマートホームやビルオートメーション分野での普及が急速に進んでおり、欧州ではビルや工場などの照明システムやセンサネットワークとして40万棟以上で利用実績がある。NTT Comは、2018年2月より、「EnOcean Alliance」の正会員として加盟。最新の「EnOcean」技術を活用したIoTのトータルソリューションを展開していく。
・「EnOcean」の詳細 https://www.enocean.com/jp/technology/energy-harvesting/
・「EnOcean Alliance」の詳細 https://www.enocean-alliance.org/ja/what-is-enocean/
※2) 体感評価は、学生や教職員へアンケートを実施し測定する。
※3) IoT-GWは、センサーから送られるデータを受信・加工し、「Things Cloud(R)」へデータを送信する機能を具備した、IoT環境の構築時に必須の機器。個々のお客さま要件に適した機器を採用予定。
■関連リンク
・成蹊大学
http://www.seikei.ac.jp/university/
・NTT Comの IoT Platform「Things Cloud(R)」
http://www.ntt.com/business/services/iot/iot/iot/things-cloud.html
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プレスリリース提供元:@Press
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