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~2016年都道府県別の通学時事故件数ランキング~入学準備真っ只中!専門家に聞く中高生自転車事故の傾向とは?

@Press / 2018年3月15日 15時0分

自転車の安全利用促進委員会では新生活シーズンに合わせ、全国の中学生・高校生の都道府県別の自転車事故発生件数について調査いたしましたので、ご報告いたします。今回の調査は、当委員会メンバーでもある三井住友トラスト基礎研究所 研究理事 古倉 宗治氏と、公益財団法人交通事故総合分析センターITARDAから提供を受けた事故データに基づき、2016年に発生した事故について調査・分析いたしました。
都道府県別の通学時自転車事故発生件数については、中学生は埼玉、群馬、静岡が、高校生は静岡、埼玉、愛知がワースト3県という結果になり、人口1万人当たりの自転車事故件数では、中高生共に群馬がワースト1となっています。
また、割合は低いものの、前照灯不良・ブレーキ不良などの自転車の車両自体が事故原因となるケースも年間413件発生しており、そのうち約2割を占める82件が中高生の事故であることが判明しました。
これからの季節、中高生は入学・進学に向けての準備時期となり、自転車の買い替えを予定している方もいるかと思います。自転車の購入時は安全基準を満たしたBAAマークが貼付された自転車を選択することが重要であり、購入後も定期メンテナンスを欠かさないことが必須です。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/LL_img_152054_1.jpg
都道府県別中学生の事故件数ランキング(2016年)

当委員会は、自転車に関する調査結果の分析・発表による注意喚起等を行っていくほか、都道府県の教育委員会や学校と連携した交通安全教室などを通して、皆さまに安全安心な自転車生活を送っていただき、広く正しい自転車利用の理解を社会に啓発していく活動をこれからも行ってまいります。各調査の詳細につきましては以下をご覧ください。


【調査トピックス】
2016年都道府県別事故件数ランキング 事故の多い県の特徴とは?
●中学生事故件数ワースト1位 埼玉、2位 群馬、3位 静岡
●高校生事故件数ワースト1位 静岡、2位 埼玉、3位 愛知
●事故率が最も高い県は、昨年に続き中学高校共に「群馬県」

車両が原因の事故も全年代で年間413件起きていた!防げたはずの事故を起こさないために
●車両要因の事故は全体で年間413件。その2割が中高生の事故!
●法令順守などのルール・マナーの徹底と併せ、車両自体の安全性も見過ごせない!
●新入生が注意すべき通学用自転車の選び方とは?


<解説> 古倉 宗治(こくら・むねはる) 三井住友トラスト基礎研究所
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_6.jpg
東京大学法学部卒業。建設省、東京工業大学助教授、(財)民間都市開発推進機構都市研究センター、(財)土地総合研究所等を経て、2008年から(株)三井住友トラスト基礎研究所研究理事を務める。自転車施策の第一人者として、講演会の他、NPO法人自転車政策・計画推進機構を主宰、また、大学で教鞭を取るなど活躍中。


■自転車の安全利用促進委員会とは
自転車の安全利用促進委員会は、皆さまに安全安心な自転車生活を送っていただくため、正しい自転車利用の理解促進やBAAマークなどの安全マークの普及・情報発信に努めています。昨年度からは、教員向けの自転車通学指導セミナー、学校での自転車安全教室開催も実施しています。セミナー実施の様子など、最新情報は下記ホームページをご覧ください。
<自転車の安全利用促進委員会 ホームページ> http://jitensha-anzen.com/


【調査の詳細】
2016年都道府県別事故件数ランキング 事故の多い県の特徴とは?
● 中学生事故発生件数ワースト1位 埼玉、2位 群馬、3位 静岡
● 高校生事故発生件数ワースト1位 静岡、2位 埼玉、3位 愛知
● 事故率が最も多い県は昨年に続き中学高校共に「群馬県」

全国の中高生の事故の状況を調べるため、都道府県別事故件数ランキングと1万人当たりの事故件数ランキングを作成しました。自転車事故の総件数は全体的に減少傾向にあり、中高生の事故件数も全体としては減少傾向にあります。しかし、昨今では自転車事故の被害者ではなく加害者になるケースも多く出ています。自転車は、車と同じ“車両”ですが、免許制度などが課せられているわけではないため、子どもたちは正しい自転車の乗り方を教わることのないまま、自転車に乗っている状況です。家庭や学校で、自転車のルール・マナーについて子どもたちに伝えていくことを今後一層推進していかなければなりません。
都道府県別事故件数ランキングは昨年との順位に変動がありますが、その理由として当委員会メンバー古倉 宗治氏は以下のように考察しています。
一般的には、高い順位になると全国的に注目を集める場合もあり、その課題解決のために、自転車事故に関する広報啓発等に努力したり、自転車環境の整備に一層の力を入れたりなどが行われることが多くあるため、事故件数の減少が見られる傾向があります。これに対して、低い順位のところは、そのような危機意識があまりなく、通常の施策努力にとどまることがあります。その結果、相対的に数値が同等であっても、上位の順位の都道府県の数値が減少して、ランキングが入れ替わると思われます。
自転車の交通安全は、絶え間のない施策の努力と住民の安全意識の向上、安全運転の実施努力が不可欠です。当調査・分析により事故件数を客観的にご確認いただくことで、全国の安全に対する対策と意識啓発の向上に寄与できればと考えております。

都道府県別の事故件数ランキング及び、1万人当たりの事故件数(対象期間:2016年1月~12月)<中学生>
●中学生の事故件数(上位10県のみ抜粋)
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_1.jpg
単位:件/( )内は前年順位

●中学生の1万人あたりの事故件数(上位10県のみ抜粋)
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_2.jpg
単位:件/( )内は前年順位

<高校生>
●高校生の事故件数(上位10県のみ抜粋)
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_3.jpg
単位:件/( )内は前年順位

●高校生の1万人あたりの事故件数(上位10県のみ抜粋)
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_4.jpg
単位:件/( )内は前年順位

事故件数が10位以内にランクインする都道府県の多くが政令指定都市を有しています。交通量が多いために必然的に事故件数も多くなっていると考えられます。昨今では、学生が加害者になってしまい多額の賠償を支払うケースも出てきています。“事故に遭わない意識”だけでなく、“事故を起こさない意識”も醸成していくことが重要と言えるでしょう。
当委員会メンバー古倉 宗治氏は、自転車通学における事故の総件数が比較的多く、経年分析で特徴のある都道府県について、推測される原因及びその対応状況などを以下のように推定しています。

●群馬県(事故件数:中学生2位・高校生5位/事故率:中高生ともに1位)について
群馬県は、1人当たりの自家用乗用車数が全国で第1位であり、また実際に100m未満の距離でも4人に1人が自動車を使う(2017年9月群馬県作成パーソントリップ調査説明資料)という土地柄で、通勤通学時の自家用車利用者の割合は全国第5位(76.1%)と極めて高くなっています。また、インフラの整備についても、道路実延長(面積1km2当たり)でも、全国で第9位となっていて、自動車が多用される基盤が整っています。自転車事故は、対自動車との事故が約85%を占めます。自動車の利用が多いと、これが自動車の事故ひいては自転車事故の多さにつながることになります。また群馬県は、可住地当たりの中学数や高校数が全国平均よりも下回り、その分通学距離が長くなり、自転車通学者数及びその距離が増加すると考えられます。
しかし、自動車を利用できる年齢になると、もっぱら自動車を利用するようになるため、自転車の利用が少なくなり、結果的に中学生や高校生の事故の多さが突出するものと思われます。
ただし、昨年に比較すると、中高生ともに、自転車事故の総数や1万人当たりの事故件数で、大幅に改善しています(中学生192件→160件、33.84件→27.60件/1万人、高校生561件→509件、105.82件→91.96件/1万人)。各方面の危機感からの自転車の安全利用の取組の成果が表れているものと考えられます。

●静岡県(事故件数:中学生3位・高校生1位)について
静岡県は、東名・第二東名等の東西交通及びこれらの流出入の交通量等が多い県でもあり、交通事故件数が全国第5位と多い(31,518件)ですが、さらに人口1万人当たりの交通事故件数は全国第2位(83.59件)と人口当たりの発生率が高いことが特徴です。このような背景により、対自動車との事故が大半を占める自転車の事故が多いことにつながります。また、気候が温暖で自転車利用に適している地域も多いことから、自転車通学・通勤も比較的多く行われており、県内の公立高校の自転車通学率は過去9年間77%~78%で推移しています。このような背景があり、静岡県は自転車利用の安全に強力に取り組んでいます。
高校生の自転車通学における学校と警察の連携制度があり、交通違反した高校生を警察が取り締まり、その内容を詳細に学校と共有するなど、自転車事故削減に関する協定を結んでいます。それらの活動の成果が現れてか、中高生とも事故件数及び1万人当たり事故件数の両面で少しずつ改善が進んでいます(中学生134件→117件、12.77件/1万人→11.04件/1万人など)。

●千葉県(事故件数:中学生4位・高校生7位)について
千葉県は、昨年は事故件数で中学生8位(98件)であったものが、4位(106件)に上がってきています。また、高校生は去年と同様に7位ではありますが、件数は増加しています(388件→416件)。また、1万人当たりの事故件数も、中高生とも増加しています(中学生5.94件→6.37件、高校生25.46件→26.62件)。自転車事故全体の件数も漸増していますが、このうち特に中高生の増加が目立ちます。大都市周辺特有の密集市街地での裏道交差点などの危険な個所も多く、一時停止や信号無視、スマホ運転等が原因になっている可能性もあります。これらについての重点的なルール・マナー等の安全教育や啓発の徹底が必要であると考えられます。また、急激な都市化の中で形成された狭小な道路等の走行インフラにも課題があることも考えられます。
千葉市では我が国でもトップクラスの長い走行空間のネットワークづくりが進められていますし、また、千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例(2016年)が制定されましたので、今後自転車の安全利用の推進を重点的に図ることを期待したいと思います。


車両要因の事故も年間413件起きていた!“防げたはずの事故”を起こさないためには?
● 車両要因の事故は全体で年間413件。その約2割が中高生の事故!
● 法令順守などのルール・マナーの徹底と併せ、自転車自体の安全性も見過ごせない!
● 新入生が注意すべき通学用自転車の選び方とは?

続いて事故要因について調査したところ、割合は低いものの、前照灯不良・ブレーキ不良などの自転車の車両自体が事故要因となるケースも全体で年間413件起きており、うち約2割を占める82件が中高生の事故であることが判明しました。
自転車のルール・マナーに比べるとあまり意識されていない車両要因の事故。しかし、車両要因の事故はきちんとした自転車を選び、メンテナンスをしていれば“防げたはずの事故”とも言えます。

●車両的要因事故の要因トップ3
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_5.jpg

※前照灯不点灯…前照灯の不点灯が事故発生の要因と考えられる場合
※前照灯不良…前照灯の破損や故障、照度不足又は装置がないことが事故発生の要因と考えられる場合

もうすぐ新生活。入学や進級を前に自転車を買い替えるタイミングでもあると思います。新しい自転車を選ぶ際は90項目以上の検査に合格した自転車に貼付される安全基準のマーク“BAAマーク”を目印にし、購入後も定期的なメンテナンスを欠かさないことが重要です。通学用自転車の選び方については、特に以下に注意して選ぶとよいでしょう。

通学用自転車購入にあたっての注意点
●「長く使うから」と大きめのサイズを選ばず、自分の体格に合ったものを選ぶ。
…必要以上に大きなタイヤは操作のしにくさにつながります。今の体格に合った自転車を選びましょう。
●ブレーキがきつすぎたりゆるすぎたりしていないか、ペダルがきちんとはまっているか、一度試乗して確かめる。
…ブレーキやペダルの最終調整は販売店で行うため、使いやすいように調整してもらいましょう。
●BAAマークのついている自転車を選ぶ。
…購入の際には約90項目の検査にクリアした自転車のみに貼られる「BAAマーク」を安全・安心な自転車の目印にしましょう。


<参考>国も認めた安全・安心な自転車の目印、『BAAマーク』とは?
上述のとおり、安全安心で快適な自転車利用のためにまず重要なのは、車体そのものの安全性です。BAAマークは、一般社団法人自転車協会が制定し、同協会が定める自転車安全基準に適合した自転車の『立てパイプ(サドル下のパイプ)』に貼られています。
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_7.jpg
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_8.jpg
https://www.atpress.ne.jp/releases/152054/img_152054_9.jpg

■『BAAマーク』は、90項目以上の安全基準をクリアした証
『BAAマーク』の自転車安全基準には全部で90か所の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などに合格する必要があります。


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press

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