GfK調べ:2018年上半期 グローバルのデジタル家電販売動向
@Press / 2018年10月16日 17時15分
GfKは、2018年上半期(1-6月)のグローバルにおけるデジタル家電の販売動向を発表した。
【薄型テレビ市場】
・2018年上半期の薄型テレビ販売は金額前年比1%増
2018年上半期(1-6月)のグローバルにおける薄型テレビ市場*1は金額前年比1%増の450億ユーロとなった。2018年FIFAワールドカップ ロシア大会が市場規模の押し上げに貢献したとみられる。また、近年縮小が続いていたLATAMにおける販売が回復基調に転じたことも前年の販売を上回る要因となった。
・大画面化、高画質化の進展
2018年上半期におけるテレビの販売金額のうち、50インチ以上の大画面モデルが半数を占め、主流となりつつある。また、有機ELテレビの販売金額は前年同期の2倍以上となり、大幅に伸長した。下半期においてはメーカーの新規参入が進むとみられ、市場に与える影響に注目が集まる。2018年8月のIFAでは8Kの有機ELテレビが発表され、今後更なる高画質化の進展が期待される。
・スマートテレビの金額構成比は85%
若年層の地上波テレビ番組への関心低下や動画配信サービスの普及の影響もあり、2018年上半期のスマートテレビの販売金額はテレビ全体の85%を占めるまでに拡大した。地域別にみると、LATAMではこの割合が93%と全体よりも高かったが、中東・アフリカでは66%にとどまった。
・インターネット販売の比率が拡大
2018年の上半期のテレビ販売金額のうち、インターネット販売比率は18%と、前年同期から3%拡大した。アジア新興国*2においては22%と、グローバル全体よりも大きな割合を占めた。
インターネット販売の拡大により、テレビの最需要期に変化が起きている。2015年まではクリスマス商戦期を含む11月下旬から翌年1月の期間が販売のピークであったが、2016年からは11月へと変わった。11月はインターネット小売事業者によるプロモーションが集中的に行われ、販売が大きく伸長する。特に、ブラックフライデーのように大きなショッピングプロモーション期がある地域や、大手インターネット小売業者を抱える地域では、こうした需要期の移行が顕著にあらわれている。このほか、FIFAワールドカップの効果により2018年5、6月の販売が盛り上がったように、スポーツイベントの影響をうけて需要が変動するケースもみられる。
-- 薄型テレビ市場 注記 --
*1 世界70カ国の販売実績に基づく(北米は予測値を使用) *2 アジア新興国:中国、バングラデシュ、インド、インドネシア、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム
【オーディオ機器市場】
・2018年上半期のオーディオ機器販売は金額前年比5%増
2018年上半期(1-6月)のグローバルにおけるオーディオ機器市場*3は金額前年比5%増の45億ユーロとなった。音声アシスタント搭載製品をはじめとする高性能機器については、今後更なる販売拡大が見込まれる。
・Bluetooth対応ヘッドホン・ヘッドセットの販売が好調
2018年上半期のヘッドホン・ヘッドセット*4販売は金額前年比26%増となり、市場規模は20億ユーロ近くにのぼった。この成長をけん引したBluetooth対応製品は同80%増を記録した。同製品のヘッドホン・ヘッドセットにおける金額構成比は60%と、前年同期の42%から大幅に伸長した。一部のスマートフォンにおけるイヤホンジャック廃止により、ワイヤレス接続へのニーズが高まっていることがあり、今後も堅調な販売が見込まれる。
なお、150ユーロ以上の高価格帯製品の販売拡大により、ヘッドホン・ヘッドセットの平均価格は前年同期を15%上回った。
・マルチルーム機能搭載オーディオ機器の成長
複数の部屋で音楽を再生できるマルチルーム機能を搭載したオーディオ機器の2018年上半期における販売金額は前年比11%増となった。大手IT企業がマルチルーム機能をサポートしたファームウェアを公開しており、このテクノロジーに対するオーディオ機器メーカーの注目度もいっそう高まっている。
・デジタルラジオの販売は微減
2018年上半期におけるDAB(デジタル音声放送)対応のデジタルラジオは金額前年比3%減の2億2700万ユーロとなった。ただし、DAB対応のカーラジオは同6%増となった。ノルウェーなどの地域では、FM放送を全面廃止してデジタル放送に移行しており、ラジオ放送を受信するために同製品や付属機器の購入が必要となる。イギリスにおいてもデジタル放送への移行が計画されており、今後の同製品の販売動向に注目が集まる。
・インターネット販売の比率が拡大
2018年の上半期のオーディオ機器販売金額のうち、インターネット販売比率は23%と、前年同期から2%拡大した。特に販売比率が高かったのは、ヨーロッパおよびアジア先進国で、それぞれ27%、24%を占めた。なお、オーディオ機器の最需要期は引き続きクリスマス商戦の時期であり、テレビ市場のような、インターネット販売比率の拡大による需要期の変動はみられなかった。
--オーディオ機器市場 注記--
*3 世界80カ国以上の販売実績に基づく。オーディオ機器:ホームオーディオシステム、チューナー、レシーバー、クロックラジオ、ポータブルラジオ、ラジオレコーダー、アフターマーケットのカーラジオ *4 モノラル除く
【スマートフォン市場】
・2018年上半期のスマートフォン販売は金額前年比3%増
2018年上半期(1-6月)のグローバルにおけるスマートフォン販売*5は金額前年比3%増の2153億ユーロとなった。高価格帯製品の販売拡大により、平均価格は前年同期から4%上昇した。
・高性能化、高価格帯への需要拡大
マルチコアプロセッサーや大容量内部ストレージの搭載により、スマートフォンの性能は著しく進化している。また、画面サイズの大型化やカメラの高画質化が進み、映像体験のクオリティが向上している。スマートフォンのおよそ3分の2がフルHDもしくは4K動画対応製品であり、ゲーム、音楽、動画を高画質で楽しむことができるパーソナルデバイスとしての存在感を増している。今後5Gが普及していくにつれ、複数人でのゲームやアプリケーションの利用、コンテンツの共有はより快適に行えるようになるだろう。
ユーザーが求める性能や機能を提供できる製品については高価格帯であっても購入意向がみられ、700ユーロ以上のフラッグシップモデルへの需要が高まっている。
・インターネット販売の比率が拡大
市場において、通信小売事業者、携帯電話専門店、家電小売店は依然として主要な販路であるものの、インターネット販売は価格の安さや利便性の高さを背景に、徐々にその存在感を増している。2018年の上半期のスマートフォン販売金額のうち、インターネット販売比率は15%と、前年同期から2%拡大した。
--スマートフォン市場 注記 --
*5 世界75カ国以上の販売実績に基づく
【パソコン市場】
・2018年上半期のパソコン販売は低調
2018年上半期(1-6月)のグローバルにおけるデスクトップパソコン*6の販売は金額前年比5%減の20億ユーロ、ノートパソコンは同4%減の133億ユーロとなった。ただし、平均価格は前年同期と比べてそれぞれ7%、5%上昇した。要因としては、ゲームパソコンをはじめとする、パフォーマンスに優れた高価格帯製品への需要拡大があげられる。ゲームパソコンの販売は、デスクトップ型では金額前年比26%増、ノート型では同32%増と大幅に伸長した。
・地域別の販売動向
2018年上半期における地域別の動向をみると、デスクトップパソコン販売をけん引したのは中央ヨーロッパで金額前年比9%増、次いで独立国家共同体 (CIS)が同4%増であった。ノートパソコン販売においてはCISが同18%増、LATAMが同14%増と好調であった。一方で、APAC*7は前年を下回った。国別にみると、インドネシアにおいてはデスクトップ・ノートともに販売が拡大し、タイ、フィリピン、インドではノートパソコンの販売が好調であった。しかし、中国をはじめとする他地域の販売減の影響が大きく、APAC全体ではマイナス成長となった。
--パソコン市場 注記 --
*6 世界60カ国以上の販売実績に基づく *7 中国、香港、インド、インドネシア、日本、カンボジア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム
本プレスリリースのURL:
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