あずさ監査法人、一橋大学と企業の会計不正のリスクに関する共同研究を発表- 機械学習を用いてリスクの高い財務諸表をスコアリング -
@Press / 2019年7月25日 15時0分
有限責任 あずさ監査法人(本部:東京都新宿区、理事長:高波 博之)は、国立大学法人一橋大学(所在地:東京都国立市、学長:蓼沼 宏一)と共同で、機械学習を用いることにより企業の会計不正のリスクをスコアリングするモデルの研究成果をまとめ、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)のディスカッション・ペーパー「機械学習手法を用いた不正会計の検知と予測」として2019年7月23日付けで公表しました。
本モデルは、不正が発生しているリスクが高い財務諸表を把握し、適切な監査手続の実施を支援することを目的としています。監査における不正リスク評価のすべてが本モデルによって自動化できるわけではなく、専門的な知見を持ったプロフェッショナルの高度な判断が必要とされます。
あずさ監査法人は、「意思決定の高度化に向けた予測結果の活用」および「別観点からのスコアリングモデル構築」をテーマとして、今後も一橋大学と継続して共同研究を進めてまいります。
なお、本共同研究に関連して、あずさ監査法人は、独自開発した不正発生リスクのスコアリングモデルの法人内利用を2019年8月より開始する予定です。
(1)本モデルの特徴
あずさ監査法人と一橋大学大学院経営管理研究科 宮川 大介准教授が共同研究を行い、過去10年以上の財務・非財務データと不正の発生有無の情報を利用し、Weighted Random Forest(※)という手法で不正の発生リスクをスコア化し、既存研究で参照されていた変数以外も活用しています。本モデルを用いて算出したスコアに基づき、不正発生リスクが高い財務諸表の上位10%を調べたところ、実際に重大な不正があった財務諸表の2/3以上を見つけることができました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/189455/LL_img_189455_1.png
スコアリングモデルの概念図
(2)期待される効果
本モデルを使用することで、現時点の財務諸表における不正発生リスクのスコアリングに加えて、どのような要素が不正発生リスクに影響しているかを分析し、将来における不正発生予測も可能となります。
(※)Weighted Random Forest:データから多数の判定ルール(決定木)を作成して、その決定木を組み合わせ、予測モデルを作成する手法の一つ。不正の事例が少ないという課題に、不正事例のデータにより重みをつけることで対応。
【参照リンク】独立行政法人経済産業研究所((RIETI)のディスカッション・ペーパー「機械学習手法を用いた不正会計の検知と予測」 https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/19070005.html
■あずさ監査法人について
有限責任 あずさ監査法人は、全国主要都市に約6,000名の人員を擁し、監査や各種証明業務をはじめ、財務関連アドバイザリーサービス、株式上場支援などを提供しています。金融、情報・通信・メディア、製造、官公庁など、業界特有のニーズに対応した専門性の高いサービスを提供する体制を有するとともに、4大国際会計事務所のひとつであるKPMGインターナショナルのメンバーファームとして、153ヵ国に拡がるネットワークを通じ、グローバルな視点からクライアントを支援しています。
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プレスリリース提供元:@Press
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