GSアライアンスが金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)由来の材料で液中の色素の吸着、磁石による回収を実現
@Press / 2020年7月28日 12時45分
GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd:環境、エネルギー分野の最先端材料を研究開発する化学会社、本社:兵庫県川西市、代表取締役社長:森 良平 博士(工学)は、金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)を自社合成販売しています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/220309/LL_img_220309_1.jpg
メチレンブルーが吸着したMOF由来材料が磁石で集められている
金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)、[別名:多孔配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymers)]は金属カチオンとそれを架橋する多座配位子によって構成される物質で、構成される金属及び有機配位子を制御することで、細孔の形状、大きさや分子官能基を分子レベルで精密調整することができる超多孔性材料です。適切な剛直有機配位子と配位方向が規定された金属クラスターの間で錯体形成を行うと、超多孔質な周期性の高い結晶性化合物が得られます。
従来の多孔性材料である活性炭、ゼオライト、メソポーラスシリカなどは細孔構造、比表面積の精密制御は困難でしたが、MOFは分子設計に配位結合を精密に取り入れることができるため、細孔構造、比表面積、形態などをナノメートルレベルよりも小さいレベルにおいても人為的に設計でき、非常に複雑な構造体の構築や高次機能の発現が可能となり、これまでの多孔性材料よりも軽量で、高い比表面積を有しています。数千m2/g以上のBET比表面積に達するMOF材料も多数報告される上に、理論上は金属カチオンと有機物の多座配位子の組み合わせにより、数万種類以上のMOFが出来うるとされております。
このようにMOFはこれまでの材料群には無い特徴を有する、究極の有機無機ハイブリッド型の自己組織化型多孔性材料として注目を集めており、産業界、研究開発機関においても研究競争は活性化しており、基礎、応用問わず報告例は指数関数的に増加しています。
実際の応用例としては、Drug Delivery Systemなどによる抗ガン治療など向けの医療用途、様々なガス、気体分子の分離、吸着、貯蔵、乾燥状態での水回収、排水中からの有害金属、有害金属イオンの回収、固体触媒、電池、キャパシタ用部材、センサー、人工光合成、光触媒、色素の吸着、分解などに向けて検討が進められています。GSアライアンスにおいても各種のMOFを自社合成しており、それらを固体高分子型燃料電池、リチウムイオン電池用の電極としてのエネルギー分野への応用、CO2、水蒸気などのガス吸着能、液中からの金属吸着能、光触媒、人工光合成などへの応用技術開発を日々鋭意進めています。
この度、MOFの技術開発を進める当社の研究員、小日向 務博士(生命科学)はMOFの合成法を独自に開発、これを原料とした炭素材料を作製しました。実験として有機青色染料であるメチレンブルー水溶液にこの炭素材料を混合し、直後にフィルターによるろ過分離をしたところ、反応前には青色を呈していた溶液が、分離後は完全に無色透明となり、MOF由来炭素材料の色素吸着性が示されました。さらに原料となるMOFを変えることにより、磁性を帯びたMOF由来炭素材料を作製、同様の色素吸着性と、直後磁石による分離回収が可能となりました。色素吸着反応は数秒のうちに進み、この材料が極めて高い吸着性を持つことが示唆されます。
既に磁性を持つような活性炭も報告されておりますが、MOF由来炭素材料は比表面積が大きくかつ、細孔の大きさを制御することができるため、吸着回収対象とする色素の種類をターゲットとしたMOFの合成、分子選択制御が可能となることが期待されます。
本技術により、色素、汚染液体から特定の色素のような化学物質を選択的、特異的に吸着することが可能になり、吸着後、簡易的にろ過あるいは磁石によって分離回収することが可能になることは非常に大きな技術的な前進です。
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メチレンブルーが吸着したMOF由来材料は簡易的なろ過でも回収できる
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メチレンブルー水溶液にMOF由来材料を混合した直後の分離以前の様子
■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料、技術の研究開発
URL : https://www.gsalliance.co.jp/
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プレスリリース提供元:@Press
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