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GSアライアンスが光触媒活性を持つ金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)を開発

@Press / 2020年8月4日 10時30分

MOFの光触媒材料によるメチレンブルー色素の経時的分解を表す吸収スペクトル
太陽光で水を分解して水素と酸素を生成することができる光触媒反応は、太陽光エネルギーを化学エネルギーへ変換する方法であり、化石エネルギー使用の削減が要求されている現代社会においては、深刻化してきているエネルギー、環境問題に対する1つの解決策となり得る技術として、世界中の企業、研究機関、大学において研究開発が活発に行われています。次世代エネルギーの候補のうちの1つである水素を太陽光と水から効率的に製造することが可能になれば、現在の化石燃料社会から水素をエネルギー源とする水素社会への移行が現実のものとなります。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/220900/LL_img_220900_1.jpg
MOFの光触媒材料によるメチレンブルー色素の経時的分解を表す吸収スペクトル

金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)、[別名:多孔配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymers)]は金属カチオンとそれを架橋する多座配位子によって構成される物質で、構成される金属及び有機配位子を制御することで、細孔の形状、大きさや分子官能基を分子レベルで精密調整することができる超多孔性材料です。従来の多孔性材料である活性炭、ゼオライト、メソポーラスシリカなどは細孔構造、比表面積の精密制御は困難でしたが、MOFは分子設計に配位結合を精密に取り入れることができるため、細孔構造、比表面積、形態などをナノメートルレベルよりも小さいレベルにおいても設計でき、非常に複雑な構造体の構築や高次機能の発現が可能となり、これまでの多孔性材料よりも軽量で、高い比表面積(数千m2/g以上)を有しています。
理論上は金属と有機リンカーの組み合わせにより数万種類以上のMOFが合成出来るとされています。このようにMOFはこれまでの材料群には無い特徴を有する究極の有機無機ハイブリッド型の自己組織化型多孔性材料として注目を集めており、産業界、研究開発機関においても研究競争は活性化しており、基礎、応用問わず報告例は指数関数的に増加しています。


GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd:環境、エネルギー分野の最先端材料を研究開発する化学会社、本社:兵庫県川西市、代表取締役社長:森 良平 博士(工学))は、金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)を自社合成販売しています。

この度、当社の研究員である小日向 務博士(生命科学)と森 良平博士(工学)は、メタルハライドランプの照射下において、メチレンブルー水溶液中のメチレンブルーを、光触媒分解するMOFを合成しました。従来のTiO2などの光触媒材料では太陽光の3~4%にすぎない紫外光しか利用できないため、水から水素への太陽光エネルギー変換効率が低いという問題があります。また可視光応答型光触媒としてWO3も有効ですが、タングステンは資源リスクに加え高コストであるという問題があります。現状、MOFの合成や応用はいずれも研究開発段階ですが、人為的にMOFの規則的な構造、表面官能基などを設計、制御できるので、触媒活性の詳細を解析することによってより良い触媒性能が得られる可能性を秘めています。
金属種および有機リンカーの選択、合成条件の制御等により様々な種類のMOFが作られ、より高い光触媒活性、特に可視光による光触媒作用を持つ材料やエネルギー変換効率に優れた仕組みを構築できることが期待されます。

GSアライアンスは今後も、より安価で、実用化に近づける可視光応答型光触媒活性を有するMOFなどを含めた光触媒材料の研究開発を続けていきます。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/220900/LL_img_220900_2.jpg
MOFの光触媒作用により分解される前のメチレンブルー水溶液(左)分解後(右)


■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料、技術の研究開発
URL : https://www.gsalliance.co.jp/


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プレスリリース提供元:@Press

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MOFの光触媒作用により分解される前のメチレンブルー水溶液(左)分解後(右)

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