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国内で143年ぶりのオオムカデの新種発見!渓流に潜む、翡翠色に輝く国内最大のオオムカデ

@Press / 2021年4月13日 17時0分

渓流の水底に身を隠そうとするリュウジンオオムカデ(佐藤文保、久米島ホタル館・館長、撮影)
法政大学・東京都立大学などの研究チームは、日本で初となる、世界で3例目の半水棲ムカデ、沖縄の4地域と台湾から発見され、沖縄の故事にちなみリュウジンオオムカデ(琉神大百足)と命名したことをお知らせします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/255353/LL_img_255353_1.jpg
渓流の水底に身を隠そうとするリュウジンオオムカデ(佐藤文保、久米島ホタル館・館長、撮影)

■概要
世界自然遺産候補の南西諸島の島嶼では、まだ多くの未知の生物種の発見が期待されている。
今回、沖縄の4地域と台湾から発見されたオオムカデは体長約20cm、体幅約2cm(大人の親指くらいの太さ)の巨大なムカデであり、日本最大の川エビ「コンジンテナガエビ」(体長10cm前後)を捕食しているところが目撃された。過去に沖縄から発見された新種としては最大級の陸上節足動物である。

1. 本種は世界で3例目の半水棲ムカデであり、日本・台湾に生息するムカデ類では最大種となる。遺伝子解析でも明瞭に新種であることが確認。
2. オオムカデ属(ムカデでもっとも大きな体長の種を含む属)では、国内から初めて日本人によって記載・命名。
3. 美しい青緑色(ひすい[翡翠]色)の体色であり、川に飛び込む習性にちなみ、学名をScolopendra alcyonaとした。和名は、ムカデにまつわる沖縄の故事にちなみ、「リュウジンオオムカデ(琉神大百足)」と命名した。


■背景
少し前から現地で噂になっていた本種の存在を学術的に確認するため、現地での連携協力及び採集と標本の収集を島野智之(法政大学・教授)、形態に基づく分類学的研究を塚本将(東京都立大学大学院・博士後期課程)、遺伝子解析を蛭田眞平(国立科学博物館・特定非常勤研究員)が主に担う研究チームを、江口克之(東京都立大学・准教授)、JHIH-RONG LIAO廖治榮(国立台湾大学・研究員)とともに結成し、本種の発見・記載・命名に至った。


■詳細
ムカデ綱(唇脚綱)は、日本で約150種が知られており、ゲジ目(いわゆるゲジゲジ)もムカデ綱の仲間である。ムカデ綱は多くの種が捕食性で、海外ではコウモリを捕食する巨大種も知られている。

リュウジンオオムカデ(学名:Scolopendra alcyona)は、世界で3例目の半水棲ムカデとして記載・命名された。身の危険を感じると水中に逃げ込み、じっと身を隠す習性をもつ。さらに、同地域に生息する日本最大の川エビ「コンジンテナガエビ」(体長10cm前後)を捕食しているところが目撃されている。過去に半水棲ムカデは、2016年にラオス、ベトナム、タイから1種、2018年にフィリピンからの1種が報告されており、世界で3例目となる。沖縄本島北部(やんばる地方)の深い森、久米島、西表・石垣島、渡嘉敷島、そして、台湾に生息することが判明している。

また、日本には本種を含め5種のオオムカデ属が分布するが、日本からオオムカデ属の新種が記載されるのは、アオズムカデ(Scolopendra japonica)とトビズムカデ(Scolopendra mutilans)がドイツ人の手によって1878年に新種記載されて以降、実に143年ぶりとなる。また、日本人の手によって、オオムカデ属の種が記載されるのは初めてであり、多数の地元の方々の協力なしにはあり得なかった快挙である。21世紀に入ってからの、これほどの巨大な陸上無脊椎動物の新種の発見は、沖縄の島々に未知の生物がまだ数多く存在することの証左であり、生物多様性や生態系の包括的な保全の必要性を訴えかけるものである。

今回発見したリュウジンオオムカデは、オオムカデ属(ムカデでもっとも大きな体長の種を含む属)では、日本及び台湾で最大種(体長19cm、体幅2.1cm)である。体の形や色に見られる特徴に加え、核ゲノムの2つの遺伝子領域、ミトコンドリアゲノムの2つの遺伝子領域による解析からも既知の種とは明瞭に異なる新種であることが示された。

本種が美しい青緑色(ひすい[翡翠]色)の体色をしていることと、川に飛びこむ姿から、同様に美しい体色の鳥であるカワセミとおなじく、ギリシャ神話の女神アルキオーネの名前にちなみ、学名をScolopendra alcyonaとした。一方、和名は沖縄の故事にちなんでリュウジンオオムカデ(琉神大百足)とした。その昔、海に住む龍神の耳にムカデが入り、龍神は苦しんだものの、それをあっという間に食べたニワトリをみて、龍神はムカデとニワトリを恐れたことから、琉球王朝時代より船などには航海の安全を祈り、ニワトリの絵とムカデ旗(モカズ旗)が掲げられるようになった。龍神も恐れをなすが如く巨大な本種の姿と、この故事を重ね合わせ、また、本種の生息する琉球の深い森に敬意を捧げ、リュウジンオオムカデと命名した。

本種は、通常は人間と接触しない森林内の水辺環境に生息しているものの、毒顎を持つため人間が咬まれると危険である。本種は絶滅が強く危惧されるため、遠くから見守っていただきたい。


【論文情報】
・掲載誌 :Zootaxa
・タイトル:A new amphibious species of the genus Scolopendra Linnaeus,
1758 (Scolopendromorpha, Scolopendridae) from the Ryukyu
archipelago and Taiwan(英文).
・著者 :SHO TSUKAMOTO, SHIMPEI F. HIRUTA, KATSUYUKI EGUCHI,
JHIH-RONG LIAO & SATOSHI SHIMANO
・研究協力:平良 太(あしむりの郷)、佐々木 健志(琉球大学博物館)、
當山 全翔(沖縄県立辺土名高校、3年生)、
佐藤 文保(久米島ホタル館・館長)ほか多数
・DOI :10.11646/zootaxa.4952.3.3


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プレスリリース提供元:@Press

【関連画像】

沖縄本島やんばる地域産のリュウジンオオムカデ(塚本将、東京都立大学大学院理学研究科、博士後期課程、撮影)

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