京都大学との共同研究の成果が国際的な学術誌『npj Science of Food』に論文掲載!
@Press / 2021年7月28日 12時30分
株式会社サン・クロレラ(本社:京都市下京区、代表取締役社長:中山 太、以下「当社」)は、京都大学大学院農学研究科海洋生物機能学分野の佐藤健司教授らの研究グループ(以下「京都大学」)とクロレラに含まれているフェネチルアミンの有益性に関する共同研究を行っていましたが、その研究成果が2021年7月23日にSpringer Natureが出版する学術誌『npj Science of Food』のオンラインで公開されました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/269108/LL_img_269108_1.png
サン・クロレラ×京都大学
<研究の背景>
肝臓がんは、飲酒やB型肝炎、C型肝炎が原因とされてきましたが、近年では肥満や生活習慣病を起因とした脂肪肝からも発症することが分かり、日本でも食事の欧米化により発症者は増加傾向です。なかでも、飲酒を除く原因で起こる脂肪肝は「非アルコール性脂肪性肝疾患」【NAFLD(ナッフルディー)】と呼ばれ日本での患者数は全国で1,000万人以上いると考えられています。(※1)
そして、NAFLDの病態進展の一因には脂質の酸化増大が考えられています。これまでの我々の研究でクロレラ水抽出物は抗酸化能力が低下したSod1変異体ショウジョウバエの寿命を延長させ、その成分がモノアミンであるフェネチルアミンであることを報告しています。(※2)
今回、高脂肪食を与えたげっ歯類にクロレラの抽出物およびフェネチルアミンを摂取させ新たなNAFLDの病態進展機序とフェネチルアミンの機能性を解明しました。
<研究成果の概要>
この成果は、フェネチルアミンがグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)タンパク質の増加によりメチルグリオキサール(MGO)を制御することで、高脂肪食誘発肝障害緩和の分子的な作用標的およびフェネチルアミンの有益性を明らかにした初めての知見です。
本研究ではげっ歯類モデルを用いて、下記2点を明らかにしました。
(1) フェネチルアミンは高脂肪食の供与により発生する脂質の酸化と肝障害を有意に軽減するだけでなく、肝臓への脂質の蓄積を顕著に減少させた。
(2) 高脂肪食の摂取は肝臓に脂質を蓄積させ、GAPDHを低下させ、その結果脂質の酸化を誘発するMGOを増加させる。クロレラ水抽出物(C.G.F.)とフェネチルアミンはGAPDH量を回復させ、MGOの生成を抑制することで脂質酸化と肝障害を抑制した。
<用語説明>
*グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)
エネルギー産生経路の解糖系に関わる重要な酵素。近年は一酸化窒素ストレスのセンサーとして細胞死を引き起こすなど新しい機能性が報告されている。
*メチルグリオキサール(MGO)
糖尿病や尿毒症、敗血症で上昇する代謝物で、通常時でも生成される毒性の強い終末糖化産物の前駆体。
<今後の展望>
本共同研究により、高脂肪食誘発肝障害緩和の分子的な作用標的およびフェネチルアミンに代表される極微量モノアミンの有益性がわかりました。これは、今後食品に含まれる極微量成分の新たな価値創造だけでなく、クロレラや日本食で利用される発酵食品の健康有益性への応用など、新たな展開に貢献できる成果と期待されます。
<クロレラとは>
クロレラは淡水に生息する緑藻類の一種で、タンパク質、ビタミンB12、葉酸、鉄分などの栄養素をバランス良く含むプラントベース・ホールフード(※3)として注目されています。市場に多く流通している単一成分に特化したサプリメントに比べ、クロレラには様々な栄養素を丸ごと摂取できるという利点があります。
(※1)出典: 日本消化器病学会ガイドライン https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/nafld.html
(※2)出典: https://lab-sunchlorella.jp/wp-content/uploads/2020/04/146.pdf
(※3)プラントベース・ホールフード:加工や精製を行わずに素材を丸ごと摂取できる植物性の食べ物。
<論文に関する情報について>
※論文はオープンアクセスで自由に閲覧することが可能です。
【著者名】
Yifeng Zheng, Agustin M. Morales, Jing Wang, Masaki Fujishima, Eri Okumura, and Kenji Sato
【論文名】
Phenethylamine in chlorella alleviates high-fat diet-induced mouse liver damage by regulating generation of methylglyoxal
【雑誌名】
npj Science of Food (npj Sci Food) ISSN 2396-8370 (online)
【リンク先】
https://doi.org/10.1038/s41538-021-00105-3
【会社概要】
社名 : 株式会社サン・クロレラ
代表者 : 代表取締役社長 中山 太
所在地 : 〒600-8177
京都市下京区烏丸通五条下ル大坂町369番地
事業内容 : 健康食品の開発・製造卸販売、輸出入等
コーポレートサイト: https://www.sunchlorella.co.jp/
研究サイト : https://lab-sunchlorella.jp/
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プレスリリース提供元:@Press
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