理化学研究所、DDNのHPCストレージソリューションを活用し、S3 APIをサポートしたプライベートクラウド型統合ストレージ環境をスーパーコンピューター「HOKUSAI-SS」上で実現
@Press / 2021年8月5日 15時0分
株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン(所在地:東京都千代田区、代表取締役:ロベルト・トリンドル、以下 DDN)は本日、国立研究開発法人 理化学研究所(本部所在地:埼玉県和光市、理事長:松本 紘、以下 理研)のスーパーコンピューター「HOKUSAI SailingShip」(以下、HOKUSAI-SS)に採用されたDDNストレージソリューションについての導入事例を発表しました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/270052/LL_img_270052_1.jpg
理研_DDN
日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、計算科学、生物学、医科学、数理、情報科学など、多岐に亘る領域で研究を推進する理研では、近年、様々な研究活動におけるデータ処理の必要性の増大、アプリケーション実行環境の柔軟性、そして研究環境の変化への柔軟な対応が求められたことを背景に、従来構築・運用してきたスーパーコンピューターシステムも、新たなデータ処理・データ保存環境への対応を検討していました。
そうした要件に応えるものとして新たに構築されたのが、データ科学基盤HOKUSAI-SSでした。そのデータ活用を支えるストレージシステムとして、下記2点の目的を実現するべくDDNのストレージソリューションが導入されました。
●高速なHPCストレージを提供すると同時に、将来的なクラウド上(S3)でのデータ活用や保存にも容易に対応可能な環境を実現すること
●日々増加する膨大な研究データの処理と保存を可能とする、プライベートクラウド型の大容量ストレージ基盤を構築すること
今回理研では、並列ファイルシステムDDN EXAScalerを中核としたストレージアプライアンス「DDN ES7990X」を7式用いてHPCストレージ総容量30PB及び150GB/sec のI/O性能を実現しています。ストレージベンダーとして初めてオープンソースのLustreファイルシステムを広く採用したDDN EXAScalerは、Top500にリストされる日本国内システムの約7割*1で導入された実績を誇ります。
DDN EXAScalerは世界最大級のスーパーコンピューターにて多く採用され、DDNではデータ分析や最新アプリケーション向けに継続的にLustreの最適化に注力しています。現在においても約9割のソースコードを提供する開発リーダーとして、Lustreコミュニティに大きく貢献をしています。
また、今回理研では高速・大容量のHPCストレージ環境を実現すると同時に、オブジェクトストレージであるS3への対応も図るため、「DDN EXAScaler S3 Data Service(S3DS)」を世界で初めて正式に導入しました。
S3DSはDDNが開発したS3 APIでのデータアクセスをサポートするソフトウェアで、HPCに特化したストレージを使いつつも、並行して外部のクラウドサービスの利用を可能とするものです。
オンプレミスとクラウドの異なるサービス間でもデータのやり取りを容易に実現し、さらに将来的に更なるデータ容量の増加に直面しても外部のクラウドサービスにアーキテクチャーはそのままに、データをオフロードすることが可能です。
新たなデファクトスタンダードとなりつつあるS3はデータ公開に適したプロトコルであり、Nextcloudをはじめとするミドルウェア、およびユーザーが利用するソフトウェア内での対応が進んでいます。S3DSによりオンプレミスにS3互換ストレージ環境が構築でき、クラウド利用時の見積もりが可能なほか、データ送受信が大きいデータはオンプレミスに、小さいデータはクラウドに保存するといった運用も可能になります。
2019年11月からの構築を経て、2020年10月から本番稼働を開始したHOKUSAI-SSですが、DDNのストレージソリューションは、安定した稼働を続けています。仮想化によって提供される各テナントの共有ストレージとして、ユーザーのオンデマンドクラスタでの高性能計算、また、ホスティング環境における大規模データ共有の足回りを支えています。今後も理研で進行中の様々な研究データを統一的に管理していくための、大規模かつ高速・堅牢なストレージとしての役割が期待されています。
今回の事例は下記からご覧いただけます。
https://ddn.co.jp/media/2021/08/05/266
*1 :自社調べ
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/270052/LL_img_270052_2.jpg
システム構成図
■データダイレクト・ネットワークス(DDN)について
データダイレクト・ネットワークス(英語表記 DataDirect Networks、以下 DDN)は、インテリジェント・インフラトラクチャを実現する人工知能(AI)とデータ管理ソフトウェアおよびハードウェア・ソリューションのグローバルリーダーとして、データ集約型のグローバル企業のビジネス課題を解決します。
DDNは、過去20年以上にわたり10,000社以上の企業、政府機関、公共部門の顧客に選ばれるデータ管理プロバイダーとしての地位をグローバルに確立してきました。
TintriはDDNのエンタープライズ向けストレージソリューション、IntelliFlash、Nexenta、およびVMstoreを提供する子会社です。インテリジェント・インフラストラクチャのイノベーションによって、オンプレミスおよびマルチクラウド環境のシンプルさ、効率性、俊敏性を実現し、企業顧客に高いユーザー体験を提供しています。
株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパンはDDNの日本法人・100%子会社として2008年に設立され、AI/ビッグデータの分野に最適化された製品を日本市場で展開しています。
詳細については、 https://ddn.co.jp/ をご覧ください。
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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