トマトが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることをヒトで確認 酔いの回りが緩やかになり、飲酒後の酔い覚めも早まる可能性を示唆―アサヒグループ、カゴメ共同研究―

@Press / 2012年5月25日 15時0分

図1:(a)トマト摂取の有無による血中アルコール濃度推移、(b)計算上の体内に留まるアルコール量、(c)体内からのアルコール消失時間
 アサヒグループホールディングス株式会社(社長:泉谷 直木、以下 アサヒグループ)とカゴメ株式会社(社長:西 秀訓、以下 カゴメ)は、お酒を飲むときにトマトを一緒に食べることで、血中のアルコール濃度が低下することをヒトによる試験での評価により明らかにしました。本研究結果は、2012年5月の第66回日本栄養・食糧学会大会(宮城、18日~20日)にて発表しました。

第66回日本栄養・食糧学会大会: http://eishok66.umin.jp/


■ 研究の背景
 アサヒグループとカゴメは2007年2月に業務資本提携し、研究開発をはじめ共同開発商品の発売や調達・生産・販売といった事業活動全般において、信頼・協力関係を構築してまいりました。
 アサヒグループでは「不適切な飲酒の撲滅」を目指した適正飲酒啓発活動を科学的な知見をもってバックアップすべく「アルコールと健康」領域の研究に取り組んでいます。カゴメでは「自然を、おいしく、楽しく。」のメッセージのもと、「野菜と健康」の研究に取り組んでいます。
 以上の背景のもと、アサヒグループとカゴメでは、2009年よりアルコールと野菜の関係について共同で研究に取り組んでいます。

■ 研究概要
 これまで、両社の共同研究によってトマトの投与がアルコール代謝を促進させることを動物実験にて明らかにしました。今回はヒトでの効果の検証(研究1)と、そのメカニズムの探索(研究2)を行いました。
 この結果、ヒトにおいてトマトジュースとアルコールを同時摂取すると、トマトジュースを飲んでいない場合と比較して、血中のアルコール濃度や体内に留まる量が平均で約3割減少し、体内からのアルコール消失も50分早まることが確認されました。この結果から、トマトとアルコールを一緒に採ると、酔いの回りが緩やかになり、飲酒後の酔い覚め(※)も早まる可能性が示されました。
 また、そのメカニズムについては、動物実験にてトマトの摂取によりアルコールの代謝に関わる酵素が活性化することが確認されました。
※体内からアルコールが消失された状態を指す。

 これまでの共同研究において、動物実験にてトマトがアルコールの代謝を促進することを確認しました。今回の研究ではヒトにおいて同様の試験を行い、血中のアルコール濃度や、体内のアルコール消失にかかる時間を測定しました。

■ 研究1
 ヒトにおいてトマトジュース缶3本(約160ml×3本)と焼酎甲類(ストレート約100ml)の同時摂取試験を適正飲酒量にて実施したところ、トマトジュースを飲んでいない場合(対照として水と焼酎甲類を摂取)と比較して、血液中のアルコール濃度が顕著に(最高血中濃度として約3割)低下することを確認しました。また、計算上、体内に留まるアルコール量が約3割減少しました。
 さらに、体内からのアルコールの消失に、トマトジュースを飲んでいない場合では5時間要したのに対し、トマトジュースを飲んだ場合では4.2時間となり、約50分程度早まりました(図1)。

図1.(a)トマト摂取の有無による血中アルコール濃度推移、(b)計算上の体内に留まるアルコール量、(c)体内からのアルコール消失時間
(値は平均±標準偏差, n=12、*:対照と比べて有意に低下(p < 0.05))
http://www.atpress.ne.jp/releases/27551/a_1.jpg

■ 結論1
 ヒトでの評価により、飲酒時にトマトを摂ることで、お酒単独の場合に比べて血中アルコール濃度が低くなることと体内からのアルコール消失時間が早まることを実証いたしました。
 これにより、飲酒時のトマト摂取は、急激な体内アルコール濃度の上昇を抑えることで酔いの回りを緩やかにし、生理的な影響を緩和できる可能性と酔い覚め(※)を早くする可能性が示唆されました。
※体内からアルコールが消失された状態を指す。

 次にトマトとアルコールを一緒に摂ることで血中のアルコール濃度が低下するメカニズムについて、動物実験を行い、トマトの摂取によりアルコールの代謝に関わる酵素が活性化することが確認されました。

■ 研究2
 実験動物(ラット)にトマトの水溶性成分を摂取させ、その後アルコールを投与し、肝臓中のアルコール代謝に関連する酵素の活性を測定しました。その結果、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素の活性を高める傾向が見られ、さらにLDH(アルコールの代謝を促進する上で重要な酵素)の活性が有意に高まりました(図2)。
 この結果により、これまでに分かっていたトマト摂取後のピルビン酸の上昇とともに、肝臓中のLDHの活性が高まることで、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素(それぞれADH、ALDH)の働きをスムーズにする補酵素NADが供給され、アルコールの代謝がより促進されたと考えられました(図3)。

図2.トマトの水溶性成分による肝臓中のアルコール代謝関連酵素活性の変動
(値は平均±標準誤差, n=5、*:対照と比べて有意に上昇(p < 0.05)、†:対照と比べて上昇傾向(p < 0.1))
ADH :アルコールをアセトアルデヒドに分解する酵素、
ALDH:アセトアルデヒドを酢酸に分解する酵素
http://www.atpress.ne.jp/releases/27551/b_2.jpg


図3.トマトの水溶性成分がアルコール代謝をスムーズにする推定メカニズム
http://www.atpress.ne.jp/releases/27551/c_3.jpg


■ 今後の展望
 アサヒグループとカゴメは、今後も「食」を通じてお客様の生涯にわたる健康的な生活に貢献することを目指し、野菜とアルコールについての共同研究を継続していく予定です。

【ご参考1】これまでの共同研究については以下のURLをご参照ください。
http://www.kagome.co.jp/research/summary/110817/index.html もしくは
http://www.asahigroup-holdings.com/news/2011/0817.html

@Pressリリース詳細ページ
提供元:@Press

【関連画像】

図2:トマトの水溶性成分による肝臓中のアルコール代謝関連酵素活性の変動 図3:トマトの水溶性成分がアルコール代謝をスムーズにする推定メカニズム

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